エンジンをかけると、B.B.キングの「The Thrill Is Gone」がラジオから流れてきた。
ギターのブルージーな旋律と、B.B.の渋い歌声が車内に響く。
思わずハンドルをトントンと叩きながら、「おいおい、朝からこんな名曲流されたら、エモすぎるだろ…」と独り耽る。目の前には朝焼けに染まる道が…何だかいい朝だな!
なんだか、遠い記憶の片隅で、昔の仲間と夜遅くまで語り合った頃がよみがえってくる。
そんなこんなでアクセルを踏む。
目的地は大学キャンパスの体育館工事。
どんな現場が待ち受けているのか、ワクワクと緊張が入り混じる。
「よし、今日もやるぞ!」現場へと向かう。
現場に到着すると、すでに大勢の職人たちが集まっている。
体育館の前には作業服を着た職人さんたちがズラリ。
ヘルメットをかぶり、軍手をはめ、点呼の場所に整列する。
そして、ラジオ体操。
「いち、に、さん、し!」と掛け声に合わせて腕を回し、体を伸ばす。
「ちゃんとやらないと、腰を痛めるぞ」とベテランが言う。
両腕を大きく振りながら体を伸ばす、その背景ではラジオ体操の音楽が響いている。
終了し、今日の作業内容を現場全員の前で話す「シモトリ本日の作業内容は、アリーナの鋼製床下地施工、人員3名」
全工種の職長による作業内容の共有が終わったら、次に「安全点呼!」を行う!
「ヘルメットよし!」
「安全帯よし!」
「顎紐よし!」と声を合わせる。
全員の装備が整い、準備万端。
朝礼が終えた頃、みんなの顔つきも仕事モードになっている。
「それじゃ、始めるぞ!」
朝日が差し込む体育館の中で、いよいよ工事がスタートする。
広大な体育館へと足を踏み入れると、スポーツフロアが完成していないコンクリートだけの状態。
ここにしっかりした床を作るのが俺たちの仕事。「ゼロから形作るのはやりがいがある」
ただ、ローリングタワーが組まれ、壁材が積まれている。
そう、大工さんが入っているようだ。
お互いが邪魔にならないように作業内容を確認した後、「墨出しを行っていく!」
「墨ツボ持ってくれ!」と声をかけると、まるちゃんが走ってくる。
「いくぞ、ピンッ、パチッ!」と勢いよく墨を打つ。「うん、ここはバッチリだな」と確認して次へ進む。
ところが、なんか薄い…?
「おい、これ薄くないか?」
「墨と水、ちゃんと入ってるか?」と確認。
「あ、減ってるな!」急いで墨ツボを整え、もう一度。「ピンッ、パチッ!」今度は完璧だ!
墨出しが終わって、次は支持脚の設置をしていく。
床を支える大事な土台だから、一つ一つの位置を丁寧に確認しながら進める。
体育館全体に支持脚を配置していく。
「これが体育館の床を支えるんだよな…」作業をしながら、完成形を思い描く。
「よし、今日はここまで!」道具を片付け、最後に作業チェック。
広がる支持脚の列を見て、「ここに床が張られたら、どれだけの人がここで走ったり、試合したりするんだろうな」と思わず想像してしまう。
明日からも気を引き締めて頑張るぞ!帰りの車の中で、少しだけ達成感を感じながら、家路へと向かった。