日本工業規格 JIS A 6519 : 2004 (概要)

   

適用範囲

組床式この規格は、体育館(1)に使用する鋼製床下地構成材(2)(以下構成材という。)について規定する。
※注
(1) ここでいう体育館とは、一般体育館、柔道場、剣道場及び柔剣道場をいう。また、この体育館の床には[過大な荷重が負荷する床(多目的床など)]は、含まないものとする。
(2) 鋼製床下地構成材とは、支持脚・大引・根太・床パネルなどの主要部材で構成されたものをいう。なお支持脚とは、支持台、調整ボルト・ナット・支持板・緩衝材などのいずれかで構成されたものをいう。

区分及び記号

使用目的による区分及び記号は、表1による。

表1 使用目的による区分
区分 記号 備考
一般体育館用 G 通常の体育館の床の構成材として使用するもの。
柔道場用 R 柔道場の床の構成材として使用するもの。
剣道場用 K 剣道場の床の構成材として使用するもの。
柔剣道場用 R・K 柔道場及び剣道場に兼用される床の構成材として使用するもの。

品質

構成材の品質は次による。
a) 組み立てられた構成材は、使用上支障のある、ねじれ及び変形があってはならない。
b) 調整ボルトは、接する床基盤の不陸高さの調整ができるものでなければならない。
c) 構成材の鋼材の呼び厚さは、大引にあっては1.6mm以上、根太にあっては1.2mm以上、床パネルにあっては、合板、パーティクルボード、サンドウィッチ合板などを用い、その厚さは、支持板を含め20mm以上とする。
d) 緩衝材は、防振ゴム、金属製スプリング、ダンパーなどで、十分な耐久性をもつものとする。
e) 構成材は、規格とおり試験を行い、表2に適合しなければならない。

表2 性能
(1) 亜鉛の付着量は、JIS G 3302(両面等厚めっき最小付着量)の3点法平均付着量によるか、又は、JIS G 3321(両面等厚めっきの最小付着量)の両面3点平均付着量による。
(2)振動の減衰時間(TVD)は、規定しないが、できるだけ短い方がよい。
 床の用途 一般
体育館
剣道場 柔剣道場 柔道場 備考 適用
試験
箇条
 性能項目 剣道用 柔道用
鉛直載荷たわみ  14.7kN/㎡載荷時、
各点の最大たわみ量は
20mm以下。
各点の最大残留たわみ量は
1.5mm以下。
14.7kN/㎡
載荷時、
床に耐力上
異状があっては
ならない。
各点の最大残留
たわみ量は
1.5mm以下。
柔道場の試験は、
合板(900×1,800
×15mm)を
設置して行う。
鉛直
載荷
試験
繰返し衝撃性 使用上有害な破壊・緩み・外れがあってはならない。 柔道場の試験は、
緩衝体(H1)を
設置して行う。
繰返し
衝撃
試験


弾力性値(Y) 最高値が1.378~0.0
最低値が1.378~-0.2
床の
弾力性
試験
緩衝効果値(U) 15~40
振動の減衰
時間(TVD)
0.45秒
以下
0.6秒
以下
(2)


緩衝性値(Uj) 変形エネルギーN・cm
熟達者3,920~7,350
初心者5,635~7,350
緩衝体
(H1・H2・H3)
を設置して行う。
床の
緩衝性
試験
硬さ(Gs) B点で100G以下。 B点で65G以下。 柔道場の試験は、
緩衝体(H1)を
設置して行う。
床の
硬さ
試験


塩水噴霧 さび・塗膜の浮き・はがれがあってはならない。 塩水
噴霧
試験
亜鉛の付
着量(1)
Z12以上(JIS G 33023)
AZ90以上(JIS G 3321)
亜鉛の
付着量
試験
ボルト・ナット
などに用いる
合成樹脂の強度
引張強さ 7.35kN/c㎡以上 引張破断伸び 50%以上
曲げ強さ 9.80kN/c㎡以上
圧縮強さ 7.35kN/c㎡以上
ボルト、
ナット
などに
用いる
合成
樹脂の
強度
試験
大引
及び
根太

形状
安定
横曲がり
mm
2l/1000以下 大引・
根太・
床パネル
の形状
安定性
試験
反り
mm
2l/1000以下
パネルの反り
mm
2l/1000以下

部材の形状・寸法及び許容差

部材の形状・寸法及び許容差は、次による。
a) 構成材の大引、根太及び床パネルのモデュール呼び寸法は、表3による。
b) 構成材の製品寸法は、組床式にあっては、表3に示すモデュール呼び寸法に対し±100mmの範囲とする。
c) 構成材の製作寸法の公差はJIS A 0003の規定に従う。
d) 構成材の高さは、床基盤から根太上端又は置き床パネルの上端までの寸法とし、これを300、600、900及び1200mmとする。その調整しろは、±150mmとする。

表3 大引及び根太のモデュール呼び寸法
部材 長さ
大引 1800、2700、3600、4500、5400、6000
根太 1800、2700、3600、4500、5400

材料

構成材に使用する材料は、次による。
a) 主な部分に使用する材料は、表4又はこれと同等以上の品質をもつものとする。

表4 材料
主要部材 規格
床パネル JIS A 5908に規定する18MF☆☆☆☆若しくは18MF☆☆☆、
又は18PF☆☆☆☆若しくは18PF☆☆☆
JAS(合板)に規定する1類でホルムアルデヒド放出量がF☆☆☆☆、又はF☆☆☆
大引

根太

支持台

JIS G 3101
JIS G 3131
JIS G 3141
JIS G 3302
JIS G 3321
JIS G 3350
JIS G 3444
JIS G 3466
支持板 JIS A 5908に規定する18MF☆☆☆☆若しくは18MF☆☆☆、
又は18PF☆☆☆☆若しくは18PF☆☆☆
JAS(合板)に規定する1類でホルムアルデヒド放出量がF☆☆☆☆、またはF☆☆☆
JIS G 3141
JIS G 3302
JIS G 3321
調整ボルト及びナット JIS G 3505
緩衝材 金属製スプリング JIS G 3506
JIS G 3521
JIS G 4801
防振ゴム JIS K 6386に規定するA種

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