住まいの美しさと快適さを保つ上で、無垢フローリングの状態も良好なままが理想です。
しかし、日常生活の中でうっかり重たい物を落としてしまったり、椅子や家具をぶつけてしまったりすることで「床が欠けてしまった…」という経験をされた方も少なくないと思います。
特に無垢材は自然素材であるため、その柔らかさゆえに傷や欠けが発生しやすいという一面もあります。
そんなときに「この欠け、直せるのかな?」「DIYで補修できる?業者を呼ぶべき?」と迷ってしまうことは当然です。
本記事では、無垢フローリングが欠けた場合の補修方法について、DIYでの対応と専門業者に依頼するケースまで、分かりやすく解説します。
無垢床の欠けは補修できる?DIYで直せるかの判断基準
無垢フローリングが欠けてしまったとき、その程度によって対処方法は異なります。
たとえば、角が少し削れた程度の軽微な欠けであれば、補修材を使って自分で直すことも十分可能です。
一方で、木目に沿って大きく割れていたり、深くえぐれていたりするような場合には、DIYでの仕上がりに限界があるため、専門業者に依頼するのが安心です。
補修の可否を判断するポイントは以下の通りです。
- 欠けた部分が1〜2cm未満で浅いかどうか
- フローリングの塗装がオイル仕上げなどで補修しやすいタイプかどうか
- 補修後の見た目にこだわるかどうか
自分でできる無垢床の欠け補修の手順とポイント
小さな欠けであれば、以下のような手順でDIYによる補修が可能です。
【1】欠けた部分の確認と下準備
まずは欠けてしまった部分の状態を確認し、ささくれや破片があれば丁寧に取り除きましょう。
表面にホコリやゴミが残っていると補修材がうまく密着しないため、乾いた布やブラシで清掃します。
必要に応じて、サンドペーパー(#240~400程度)で表面を軽く整えると仕上がりが良くなります。
【2】補修材を選んで充填する
欠けの大きさに応じて、木工パテまたは瞬間接着剤と木くずを使って埋めます。
・木工パテの場合は、少し盛り上がる程度に塗り、乾燥後に削ることで自然な仕上がりになります。
・瞬間接着剤を使う場合は、事前に用意した木くずを混ぜて欠けた部分に充填すると、色や質感が近くなりやすいです。
【3】表面を研磨し、オイルやワックスで仕上げる
補修材が完全に乾いたら、再びサンドペーパーで表面を平滑に整えます。
その後、既存の床材に合わせたオイルやワックスを塗ってなじませれば完成です。
補修跡を目立たなくするためには、この仕上げの工程が非常に重要です。
補修材の選び方と使い分け|どれを使えばいい?
補修に使用できる材料にはいくつかの種類があり、それぞれに特徴があります。
以下の表で比較し、自分に合ったものを選びましょう。
(→表は上に表示されています:「無垢床の欠け補修方法比較表」)
DIYでの補修で気をつけたい注意点
DIYで補修を行う場合、以下の点に注意しましょう。
・無垢材は水分や熱に敏感で、変形しやすいため、作業中に加熱や湿気を与えすぎないよう注意が必要です。
・補修材の色は、乾燥後に若干色が変わる場合があります。できるだけ近い色を選び、少量でテストしてから使用しましょう。
・補修箇所に段差が残ると見た目だけでなく、掃除機や足に引っかかる原因にもなりますので、しっかり研磨して平らに整えることが大切です。
専門業者に依頼する場合の費用とメリット
欠けが大きかったり、複数箇所にわたっていたりする場合は、DIYでは対応しきれないケースもあります。
専門業者に依頼することで、以下のようなメリットがあります。
- プロの技術で美しい仕上がりになる
- 床材の状態に応じて最適な補修方法を提案してくれる
- 再発防止のためのコーティングやメンテナンス提案も可能
気になる費用は以下のような目安になります。
補修内容 | 費用の目安 |
---|---|
部分補修(1箇所) | 約5,000円〜20,000円程度 |
全体補修と研磨(6畳) | 約150,000円〜300,000円程度 |
費用は傷の大きさや施工面積、使用されている無垢材の種類によって変動します。
無垢床が欠けても焦らず対処を。状況に応じて適切な補修方法を選ぼう
無垢フローリングが欠けてしまっても、すぐに大きなリフォームが必要になるわけではありません。
軽微な欠けであれば、パテやオイルでの補修によって十分きれいに目立たなくすることが可能です。
一方で、深い欠けや複数箇所におよぶ場合には、無理にDIYをせず、早めに専門業者に相談することで、床の美しさと安全性を保てます。
フローリングは住まいの印象を大きく左右する大切な部分です。
正しい方法で補修し、長く快適に使い続けられるように心がけましょう。