無垢フローリング研磨による床再生リフォームの魅力と費用を解説

「無垢フローリングは憧れるけど、メンテナンスが心配」そんな方へ

無垢フローリングに憧れてはいるものの、「お手入れが大変そう」と感じて敬遠していませんか?
それに、今すでに無垢材の床に住んでいても、10年、15年と時間が経つと汚れや傷みが気になり、「そろそろ張り替えた方がいいのかも…」なんて考えることもありますよね。
でも、実は「張り替え」だけが選択肢ではありません。
フローリングには「研磨再生(サンディング)」という選択肢があるんです。
この記事では、無垢フローリングを美しく蘇らせる研磨リフォームの全貌と費用感、そして注意点までを詳しく解説します。

無垢フローリング研磨とは?張り替えずに新品のような床に

無垢材は自然素材ゆえに、キズやシミがつきやすいという特徴があります。
でも、だからこそ、削って生まれ変わることができる素材でもあるのです。
フローリング研磨とは、専用のサンダーで0.3〜1.0mmほど表面を削り取る作業のこと。
これにより、長年の汚れや日焼け、キズなどを一掃できます。

実際の施工事例:築15年のリビングが見違える美しさに

無垢材の研磨再生を行いました。築15年の住宅のリビングで、表面の汚れとペットによる爪痕が目立っていたものの、研磨および自然オイル仕上げで新品のような艶が蘇り、住まい手の方からも「まるで新築みたい」と喜ばれました。

床研磨のメリット|張り替えと比較して「コスパ」と「環境負荷」で優位

無垢フローリングの研磨には、張り替えにはない以下のようなメリットがあります。

 張り替えよりも費用が抑えられる(おおよそ半額〜1/3)

無垢フローリングの研磨と再塗装の費用は、張り替えの約50〜70%程度に抑えられることが多く、部屋の広さや塗装方法にもよりますが、6畳であれば8万〜25万円台(※塗装の仕上げ方による)で施工可能です。
一方、張り替えになると「既存材の解体・廃材処分・新材購入・再施工」が必要になるため、同じ広さで20〜35万円(※フローリングにもよる)以上かかることもあります。

 工期が短く、生活への影響が少ない

張り替え工事ではフローリング材の剥がし・搬出・新設・養生が必要ですが、研磨の場合は既存の床を活かすため工事がシンプル。
たとえば6畳間であれば1〜2日、20㎡程度でも3日以内で完了するケースが多く、家具の移動と簡単な養生だけで済むため、引っ越しや仮住まいが不要になる場合もあります。
また、廃材もほとんど出ず、産廃処理コストや手間も最小限です。

自然素材を再利用するエコな選択

研磨は今ある無垢材の“再生”にあたるため、最もエコなメンテナンス方法といえます。
新材を使わないぶん森林資源の消費を抑えられ、カーボンフットプリント(CO₂排出)も低く、
環境配慮型のリフォームとして近年注目を集めています。
さらに、古材特有の木目や味わいをそのまま残しながら表面をリフレッシュできるのも研磨ならではの魅力です。

研磨費用の内訳|7つのチェックポイントで見積の仕組みを理解しよう

フローリングの研磨費用は、一律ではありません。次の7つの要素で変動します。

項目費用・影響の目安
施工面積広い方が㎡単価は安くなる
形状・間取り凹凸・狭所で追加作業
時間帯夜間は1.2〜1.5倍の割増
曜日土日祝は2〜3割増の例も
距離・出張費30km超で+5,000円目安
家具の有無養生・移動で+5,000円〜
塗装仕上げオイル<ウレタン

1. 施工面積:広いほど単価は割安に、小面積は割高傾向

まず最初にご説明すべきは、施工するフローリングの面積の広さです。
一般的には面積が広くなるほど材料費や作業時間も増えるため、費用が高くなる傾向があります。
ただし、1㎡あたりの単価で見ると、広いほど割安になるケースもあります。
これは、機械の搬入や養生など、作業の「段取り」にかかる手間が一定であるためです。
逆に6帖以下などの小規模施工では、移動や設置にかかる固定コストが全体に対して割高に見えることがあり、結果として単価が高くなってしまうのです。
つまり、「面積が広いと総額は上がるが単価は下がる」「面積が狭いと総額は安いが単価は上がる」という構造になっていることをご理解ください。

2. 部屋の形状:L字・凹凸・柱周りが多いと作業時間アップ

同じ面積でも、部屋の形状が複雑だと作業効率が大きく変わります。
例えば正方形や長方形の部屋であれば、機械を直線的に動かして効率よく作業ができますが、L字型・凹型・細長い通路状のスペースなどでは、何度も機械の向きを変えたり、端部の処理を手作業で行う必要があるため、時間と労力がかかります。
そのため、追加費用が発生するケースがあるのです。
また、階段がある部屋や段差のあるスペースでは、別の機材や工程が必要になることも。
見た目以上に形状の複雑さが費用に反映される理由としては、「作業時間の延長」と「段取りの増加」が直接コストに跳ね返るためです。

3. 施工時間帯:夜間・早朝は時間外対応として割増に

施工する時間帯も、費用に影響を与える大きな要素の一つです。
特に夜間や深夜の作業になると、住宅地では音への配慮が求められたり、商業施設では営業時間外の対応が必要になるため、スタッフの手当や特殊な対応が必要となります。
これは通常勤務外となるため、労働時間の割増が発生するほか、場合によっては防音対策などの準備も必要になるため、トータルで見積もりが上がるのです。
また、夜間は交通事情や現場の照明などにも配慮が必要で、通常より安全対策にコストがかかることもあります。
こうした事情から「時間帯の違いと作業環境の違い」と捉えていただければ、割増料金の意味もご納得いただけると思います。

4. 施工曜日:土日祝は人件費加算の可能性

お客様のご都合により、土日祝日に施工をご希望される場合がありますが、これは平日と比較して割増料金が発生するケースが一般的です。
その背景には、作業スタッフの休日出勤に伴う人件費の上乗せがあります。
また、建物の管理会社や近隣住民との調整が必要となるケースもあり、日程調整や事前連絡に追加の事務手続きが発生することも。
特にマンションや共有スペースのある建物では、休日作業は騒音や出入りに関しての規制が厳しいことが多く、注意喚起の掲示や追加の申請などが必要になる場合もあります。
つまり、休日施工=作業だけでなく周辺環境への配慮まで含めた「特別対応」が求められる分、見積もりに反映されるというわけです。

5. 現場への距離:遠方は“出張費”が乗ることも

私たちがご訪問する現場までの距離も、費用に影響を与えることがあります。
近隣であれば交通費や移動時間が少ないため、価格に影響は出にくいですが、遠方になると高速道路料金やガソリン代、そして作業員の移動時間までもが考慮されることになります。
特に、移動に片道1時間以上かかる現場や、地方の別荘・山間部の住宅などでは、半日を移動に費やすケースもあり、その分作業効率が落ちるため費用が上乗せされるのです。
私たちは、できる限りコストを抑えた対応を心がけていますが、やはり「移動代がコスト」であることをご理解いただく必要があります。
距離に比例して料金が変わるのは、現場対応に伴う実費がかかるためです。

6. 家具の有無:移動・養生の手間が料金に反映

施工前にお部屋に家具が残っているかどうかも、費用に大きく影響します。
例えば、タンス・ベッド・食器棚などの大型家具がある場合は、これらを一時的に移動・養生する手間がかかります。
その分、現場到着から実際の研磨作業開始までの時間が延び、人員も追加になる可能性があるため、見積額に反映されるのです。
家具が一切ない空室の場合は、作業開始までが非常にスムーズで、トータルでの施工時間も短く済むためコストも抑えられます。
家具の移動をお客様側で対応いただくことで費用を抑えることも可能ですが、重量物や複雑な配置の場合、安全性の観点から私たちで対応させていただく場合もあります。
このように「家具があることで追加作業が必要」という点も費用に直結します。

7. 塗装仕上げの種類:オイル or ウレタンで金額差が大きい

仕上げ塗料には、大きく分けて自然オイル系(浸透型)とウレタン樹脂系(塗膜型があります。
例えば、自然塗料(オイル系)を使用する場合は、材料費が比較的抑えられる一方、塗膜による保護力や耐久性はやや劣るため、施工後のメンテナンスが早期に必要になるケースもあります。
一方、ウレタン塗装などの塗膜型仕上げは、耐水・防汚性能に優れ、仕上がりの光沢感も美しい反面、材料費も高く、施工には複数回の重ね塗りと乾燥工程が必要になります。

無垢フローリングの仕上げ塗装は2種類|肌触りと耐久性どちらを選ぶ?

研磨後の仕上げには、「浸透系」と「コーティング系」の2種類の塗装があります。

浸透系(オイル・ワックス系)

自然オイル系は木の風合いを活かす浸透型塗料です。また着色で色を変化させることもできます。
比較的簡易で、DIYにも向いていますが、表面保護力はそこまで高くないため、こまめな再塗装が必要になる場合があります。

  • 木の質感をダイレクトに感じたい方におすすめ
  • メンテナンスは必要だが風合い重視

コーティング系(ウレタン・UV塗装)

ウレタン系は塗膜を形成するタイプで、防汚性・防水性に優れているため、一般住宅から公共施設まで幅広く採用されています。
「2回塗りと研磨仕上げ」となると、仕上がりの美しさと機能性を最大限に引き出す分、職人の技術と時間が求められます。
下塗り・中塗り・上塗りと各層に乾燥時間を確保しなければならないため、工程が増えると工期も伸びる、つまりコストが上がるという構造になります。
特にウレタン2回塗りと研磨仕上げは職人の技術力と乾燥工程が必要なため、トータルコストが跳ね上がることもあります。

  • 傷や水に強い耐久性重視の仕上げ
  • 艶ありの見た目が好みの方に

霜鳥では、用途別に3タイプの塗装仕上げが選べます。

  • 【無塗装】素足で木を感じたい方に
  • 【自然塗料】安心・安全志向の方に
  • 【UV塗装】ペットやお子様がいるご家庭に

再塗装の費用相場|素材・面積・施工方法によって大きく変わる

再塗装費用は、材料や施工費で以下が目安になります:

  • 自然塗料:1,500円〜3,000円/㎡
  • ウレタン系:4,000円〜6,000円/㎡
  • UV塗装:8,000円〜20,000円/㎡(速乾・高耐久)

床研磨 vs 張り替え|費用と作業内容を徹底比較!

項目床研磨張り替え
施工費(㎡単価)約5,000〜9,000円約8,000〜13,000円
工期半日〜2日2〜5日
廃材処分ほぼなし多く発生
資源使用再利用新素材使用

研磨できない床材にご注意!

研磨が可能なのは、以下の床材です:

  • 無垢フローリング
  • 挽板フローリング(厚み2mm以上)

NGな床材:

  • 突板フローリング(表面0.3mm程度)
  • シートフローリング(化粧紙)

研磨できない床に対して無理に施工すると、フローリングが剥がれて修復不可能になる恐れがあります。素材確認は必須です。

よくある質問(FAQ)

Q. 無垢フローリングの耐用年数は?
A. 正しく手入れすれば30年以上使用可能です。
無垢フローリングの魅力は、天然木ならではの質感だけでなく、「再生できる素材」であることです。
表面にある程度の厚み(通常は5mm以上)があれば、研磨による再生を2~3回まで繰り返すことができるため、定期的なメンテナンスを行えば30年、あるいは世代を超えて使い続けることも十分可能です。
ただし、耐久性は使用環境やお手入れ方法にも左右されます。
水や汚れを放置しない、定期的にワックスやオイルで保護するといった日々のケアも大切です。

Q.原則として可能ですが、慎重な判断が必要です。
施工前に家具を移動しておくことで、作業時間が短縮され、その分コストを抑えられる可能性はあります。
しかし実際には、タンスやベッドなどの重量物を無理に動かすことで、フローリングや壁に傷をつけてしまったり、腰を痛めるなど思わぬトラブルになることも。
とくに集合住宅や築年数の経ったお住まいでは、建材が繊細な場合もあるため注意が必要です。
不安がある場合や、大型家具が多い場合は、経験のある職人に任せていただく方が安全で確実です。

Q. 見積もりはどうやって依頼すればスムーズですか?
A. 事前に3つの情報を揃えていただくと、精度が高まります。
スムーズで的確な見積もりを作成するためには、次の3つをご用意いただけると非常に助かります。
まず「お部屋の平面図」があると正確な面積が把握できます。
次に「現在の家具の配置」が分かる情報(簡単なメモ書きでも構いません)をご提示いただければ、作業スペースや移動の必要性を見積もることができます。
そして「床の写真」や気になる劣化箇所のアップ写真を添えていただければ、表面の状態や傷み具合を判断しやすくなります。これらの情報を揃えていただけると、現地調査前でもおおよその費用感をご案内することが可能です。

無垢の魅力を活かすなら「研磨再生」がおすすめ!

木のぬくもりと美しさを再び取り戻したいなら、無垢フローリングの研磨は最適な選択肢。
張り替えずにコストを抑え、資源も無駄にしないリフォーム方法として、今後ますます注目されることでしょう。

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