日常生活の中で、ふと気づくとフローリングに凹みができていたという経験はありませんか?
家具の重みや物を落とした衝撃など、原因はさまざまですが、「この凹み、元に戻るの?」という疑問を持つ方は少なくありません。
実は、フローリングの材質や表面仕上げの種類によって、元に戻せる場合とそうでない場合があります。
本記事では、フローリングの凹みが戻るケース・戻らないケースと、その具体的な対処法についてわかりやすく解説します。
フローリングの凹みは種類によって対処法が異なる
フローリングの凹みには、大きく分けて「木材の繊維が押されて凹んだもの」と「繊維自体が断裂したもの」があります。
さらに、表面が無垢材なのか、塗装されているのか、複合フローリングなのかによっても修復の可否が変わります。
フローリングの種類 | 凹みの回復可能性 | 回復方法の例 |
---|---|---|
無垢材(無塗装) | 高い | 水と熱を使った復元 |
無垢材(塗装あり) | 中程度 | 軽度なら可能 |
複合フローリング | 低い | 補修材や張替え |
無垢材であれば、木材の弾力性を利用して水分と熱による復元が可能です。
一方で、塗装済みの複合フローリングでは、水分や熱が届きにくく、内部がMDFなどの素材の場合は復元が難しくなります。
無垢材・塗装なしフローリングの凹みを戻す方法
比較的戻しやすいのが、無塗装の無垢フローリングにできた押しキズです。以下の手順で修復を試みることができます。
- 水分を与える
凹んでいる部分に水滴を数滴垂らします。霧吹きで軽く湿らせる方法でも構いません。 - スチームアイロンで加熱する
濡らした布や雑巾を凹みにかぶせ、アイロンを低温から当てていきます。
熱と水分により木の繊維が膨らみ、凹みが目立たなくなります。 - しっかり乾燥させる
元に戻ったことを確認したら、自然乾燥させます。仕上げに蜜蝋ワックスなどを塗ることで表面がなめらかになり、保護効果も期待できます。
注意点として、アイロンを高温で長時間当てると、木材が焦げたり変色するリスクがあります。
必ず様子を見ながら慎重に作業しましょう。
塗装済みフローリングや複合フローリングの凹みには補修材を使う
塗装されたフローリングや、表面が化粧シートなどで覆われた複合フローリングの場合、水と熱を使った復元は難しいため、補修材を使う方法が現実的です。
- クレヨンタイプやパテタイプの補修材を使用
フローリングの色に合った補修材を選び、凹みに塗り込んで表面を均一に仕上げます。 - 大きな凹みは業者に依頼する
市販品で対応できないほどの大きな凹みや割れがある場合は、専門の補修業者に相談しましょう。
部分的な貼り替えやプロ用パテ仕上げなどの方法で美観を回復できます。
凹み修復時の注意点:無理な対処は逆効果になることも
凹みを元に戻す際には、以下の点に注意することで、逆にダメージを広げてしまうリスクを避けられます。
- 高温のアイロンを長時間当てない:塗装が変色したり剥がれる可能性があります。
- 過剰な水分を使わない:木材が膨張し、元に戻らなくなるリスクがあります。
- 補修材は色と素材に合ったものを選ぶ:色味が合っていないと補修跡が目立ち、かえって不自然になります。
凹みの種類を見極め、適切な方法で対応しよう
フローリングの凹みが戻るかどうかは、木の種類や塗装の有無、凹みの深さによって異なります。
無垢材や塗装なしの表面であれば、簡単な家庭用アイテムで目立たなくできるケースもありますが、塗装品や複合材ではDIYが難しいこともあります。
まずは凹みの状態をよく観察し、自分で補修できるレベルかどうかを見極めることが大切です。
判断に迷う場合や仕上がりを重視するなら、専門の業者への依頼を検討してみましょう。