フローリングにもうワックスはいらない?やめた理由と新しいお手入れ方法を徹底解説

   

かつてはフローリングのお手入れといえば「ワックスがけ」が定番でした。
しかし、最近では「もうワックスはやめた」という声が増えてきています。
実際、ワックスがけは手間がかかるうえ、費用や健康・環境面での不安もあり、ライフスタイルやフローリング材の進化によって不要と感じる人が多くなっています。

この記事では、フローリングワックスをやめた理由や、代わりにどうお手入れすればよいか、さらにワックスフリー床材の魅力などを詳しくご紹介します。
手間をかけずに美しい床をキープしたい方、ナチュラルで快適な暮らしを目指す方におすすめの内容です。

フローリングにワックスをやめた人が増えている理由とは?

毎年のように行っていたフローリングのワックスがけ。
しかし、ここ数年で「やめた」という人が増加しています。
主な理由を以下にまとめて解説します。

塗りムラや仕上がりに不満が出やすい

ワックスを自分でかけた場合、均等に塗るのが難しく、乾いた後にムラや光沢の偏りが目立つことがあります。
仕上がりに納得できないと、逆に床の見た目が悪くなることも。
インテリアの雰囲気にこだわりたい人ほど、微妙なムラが気になってしまう傾向があります。

頻繁な塗り替えで時間とコストがかかる

ワックスは1回塗れば終わりではなく、定期的なメンテナンスが必要です。目安は半年〜1年に1度。
しかも、古いワックスを剥離してから新たに塗布する作業は手間も時間もかかります。
忙しい家庭や共働き世帯では、こうした作業が大きな負担になるケースが多いです。

健康や環境への懸念

市販のワックスの中には、化学成分を含む製品もあり、においが気になったり、シックハウス症候群やアレルギーを心配する声もあります。
また、剥離剤などの化学薬品が排水とともに流れることへの環境負荷も懸念されています。
小さなお子様やペットがいる家庭では、特に気になるポイントです。

剥がすのが面倒で、古いワックスが残ると逆効果

ワックスが劣化したまま放置すると、黒ずみやベタつき、汚れが取れにくくなることも。
剥離作業には専用の液剤や道具が必要になり、気軽にできないのが難点です。
定期的に剥がして塗り直さないと、むしろ汚れを引き寄せる原因になります。

ワックスフリーの床材とは?

近年の住宅やマンションでは、最初から「ワックス不要」とされる床材を採用しているケースが増えています。
これが”ワックスフリー”床材です。

ワックスフリー床材の主なメリット

1.ワックス不要でも、工場仕上げの高品質コーティングでツヤが長持ち
ワックスフリーのフローリングは、出荷前の時点で特殊な表面コーティング処理が施されています。
これにより、施工直後から自然な光沢と美しいツヤが長期間維持されるのが特徴です。
従来のように「定期的なワックスがけが面倒…」という手間がなく、家事の負担を大きく減らすことができます。

2.表面処理が細部まで行き届いており、ゴミやホコリが入り込まない構造に
ワックスフリー加工では、フローリングの表面だけでなく、板と板のつなぎ目(溝)にまでコーティングが浸透しているため、ゴミやホコリが隙間に入り込むリスクが大幅に軽減されます。
これは、特にペットを飼っているご家庭や、掃除の頻度を減らしたい共働き世帯にとって大きなメリットです。

3.水や油をはじく撥水性があり、日常的な汚れにも強い
水や油分がこぼれてしまっても、表面の防汚コートが効いているため、染み込まずに弾かれるのがワックスフリーフローリングの強み。
調理中にキッチンで油が飛んでも、リビングで子どもが飲み物をこぼしても、サッと拭くだけで汚れが残りません。
掃除に特別な道具や洗剤は不要で、普段通りのモップがけや乾拭きだけで清潔感を保てます。

こんな方におすすめ?

◆忙しくてワックスがけの時間が取れない方
共働き家庭や育児・介護で時間に追われている方にとって、「定期的なワックスがけ」は手間のかかる作業のひとつです。
ワックスフリー床材なら、最初から表面に強いコーティングがされているため、面倒なメンテナンスが一切不要。
乾拭きや水拭きだけで清潔感が保てるため、忙しい方にも無理なく床の美しさを維持できます。

◆小さな子どもやペットと暮らしていて、安全性を重視したい方
赤ちゃんのハイハイや、ペットが走り回るご家庭では、床の滑りにくさや衛生面が非常に重要になります。
ワックスフリー床材は、滑りにくく、化学物質の揮発も少ない製品が多いため、子どもやペットの健康リスクを抑えながら、快適に過ごせる空間づくりが可能です。
また、汚れも拭き取りやすく、シミになりにくいのも大きなメリットです。

◆新築やリフォームでフローリング選びを検討している方
家づくりやリノベーションのタイミングでは、将来のメンテナンスコストや労力まで見越した床材選びが大切です。
ワックスフリーのフローリングは、初期費用こそやや高めでも、長期的にはワックス代・メンテナンス時間の削減につながり、コストパフォーマンスに優れています。
新築・リフォームの際には、「後々のラクさ」も重視した素材選びをおすすめします。

ワックスをやめた後のフローリングお手入れ方法:日常ケアのコツ

ワックスを使わない代わりに、定期的な掃除で床を清潔に保つことが大切です。
特別なケミカル製品は不要で、基本的には以下のシンプルな方法で十分対応できます。

毎日こまめな乾拭きが基本

  • フローリングワイパーやマイクロファイバークロスでの乾拭きを習慣化すると、ホコリ・皮脂汚れが蓄積せず、ツヤも保たれます。
    夜のひと拭きや、朝の5分掃除でも、清潔感が大きく変わります。

週に1回は水拭きまたはクリーナー拭き

  • 市販のフローリング専用クリーナーを使用して、表面の皮脂やべたつきをオフ。仕上げに乾拭きすると効果的です。
    皮脂や食べこぼしの蓄積を防ぐことで、ワックスがなくても美しさを維持しやすくなります。

傷防止には家具脚の保護が必須

  • 椅子やテーブルの脚にはフェルトや傷防止キャップを取り付けることで、フローリングの摩耗や凹みを防止。
    特にリビングやダイニングなど、家具の移動が多い部屋では効果絶大です。

ワックスに頼らない、ラクで快適なフローリングの暮らしへ

フローリングにワックスをかけるという習慣は、現代の住宅事情や床材の進化により、必ずしも必要ではなくなりつつあります。
塗りムラ、塗り直しの手間、健康面への懸念などから、「やめて正解だった」という声も少なくありません。

現在では、ワックスフリーの高性能な床材や、簡単なお手入れで美しさを保てる方法も普及しています。
掃除やメンテナンスのストレスを減らし、もっと快適な住まいづくりを目指すなら、ぜひワックスに頼らない選択肢を検討してみてはいかがでしょうか?

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