鋼製束を使った置き床工法とは?メリット・用途・注意点まで徹底解説

置き床工法において、重要な部材の一つが「鋼製束(こうせいづか)」です。鋼製束とは、床の下地を支える束(つか)の一種で、金属製のパーツとして高い支持力と耐久性を持ち、特にマンションや商業施設、ウッドデッキなど多用途で活用されています。
本記事では、鋼製束の特徴や使用メリット、用途、選び方の注意点まで詳しく解説します。

鋼製束とは?置き床工法における役割

鋼製束とは、床板を支えるための部材で、床の下地構造を安定させる役割を持ちます。
一般的な置き床工法では、支持脚や束材を使用して床を浮かせ、スラブとの間に空間を作りますが、その支持脚として鋼製束が使われるケースが増えています。これは鋼製束の高い耐久性と強度によるものです。
木製や樹脂製の束に比べて、鋼製束は腐朽や白アリ被害に強く、長期間にわたって安定した性能を発揮するため、施工業者にも人気があります。
また、施工現場でのレベル調整がしやすく、特に傾斜や凹凸のある床面に対しても柔軟に対応できる点が大きな魅力です。

鋼製束の主な特徴とメリット

高い強度と耐久性

鋼製束は鉄などの金属素材でできており、プラ束や木製束に比べて非常に高い支持力を持ちます。
重たい家具や人の移動による荷重にも耐えるため、住宅はもちろん、事務所や倉庫などにも最適です。

腐朽や白アリ被害の心配がない

金属製である鋼製束は、木製束に見られる腐朽や白アリによる被害を受けにくく、湿気の多い場所でも安定した使用が可能です。
そのため、洗面所やキッチン周辺など水回りの床組みにも採用されることが増えています。

レベル調整が簡単で施工精度が高い

鋼製束は、ネジ式の高さ調整機構が備わっているため、床の水平調整がしやすくなっています。
施工時の微調整が簡単にできることで、全体の施工精度を高めることができます。

長期的なコストパフォーマンスが高い

初期コストは若干高めですが、メンテナンス頻度が少なく、経年劣化しにくいことから、長期的に見た場合のコストパフォーマンスが非常に高いです。耐用年数を重視する現場にはぴったりの選択肢です。

鋼製束の使用用途と適したシーン

マンションや団地などの集合住宅

高い支持力と耐久性が必要とされる集合住宅の床構造には、鋼製束が適しています。
特に置き床工法で遮音性や床下の配線スペースを確保したい場合に有効です。

プレハブ・倉庫などの仮設建築物

鋼製束は耐荷重性能が高く、基礎部分が簡素なプレハブや倉庫などでも安定した床組みができます。
高さ調整が容易なため、地盤に多少の不陸がある現場でも施工がしやすいのが特徴です。

ウッドデッキなどの屋外施設

屋外での使用にも適しており、特に防錆加工された鋼製束は、雨風にさらされる環境でも安定性を保ちます。
ウッドデッキの土台として使用することで、頑丈かつ長寿命なデッキ構造を実現できます。

鋼製束を選ぶ際の注意点とポイント

設置場所に応じた耐久性の確認

屋外使用の場合は、必ず防錆処理が施された製品を選ぶようにしましょう。
また、水回りに設置する場合には、素材の耐水性や施工後の通気性も確認が必要です。

床材の重さに応じた耐荷重を確認

施工する床の用途に応じて、必要な耐荷重性能を満たす鋼製束を選びましょう。重い家具や機器を設置する予定がある場合は、集中荷重への耐性があるかもチェックすることが大切です。

支持脚のピッチ(間隔)を設計通りに施工

支持脚のピッチが設計より広がりすぎると、床がたわみやすくなります。鋼製束の強度に頼りすぎず、設計図に基づいた正確なピッチで配置することが重要です。

まとめ

鋼製束は、置き床工法において非常に優れた性能を発揮する支持脚です。強度・耐久性・防腐性・施工のしやすさなど、さまざまな面で他の素材よりも優れており、マンションからプレハブ、ウッドデッキまで幅広い用途で活躍します。床組みの信頼性を高めたい方や、メンテナンスの手間を省きたい方にとって、鋼製束は非常に有効な選択肢です。施工の際には、設置環境や用途に合わせた適切な製品選びと、正確な設置が成功のカギとなります。

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