フローリング研磨に欠かせないポリッシャーとは何か?フローリング研磨に欠かせないポリッシャーとは何か

   

リビングの無垢フローリングに傷や黒ずみが増えてくると「DIYで削りに挑戦して新品同様にしたい」と思う方もいるでしょう。
しかし「研磨って時間も手間もかかりそう」「プロが使う機械は難しそうで不安」という声をたくさん聞きます。
自分でやるとなると道具選びから手順まで分からないと腰が引けてしまいますよね。
本記事では“フローリング 研磨 ポリッシャー とは”という疑問に答えるべく、仕組み・種類・研磨手順・安全対策を分かりやすく整理しました。読み終える頃には「これなら自宅でも挑戦できる」かもと思っていただけるかもしれません。

フローリング研磨の目的とポリッシャーの役割

研磨のいちばんの目的は、数ミリ表層を削る事。
つまり、経年で刻まれた細かな傷やワックス汚れを削り取り、木地を平滑に整えてから新たな塗装を施すことです。
木肌が露出すると塗料の密着力が上がり、色ムラの少ない美しい仕上がりになるうえ、表面が均一に固まるため耐久性も向上します。
しかし手作業で床全体を削るのは現実的ではありません。
ここで活躍するのがポリッシャーです。
円盤状のパッドやブラシを毎分150〜180回転させて面で磨くため、同じ力加減で短時間に広範囲を仕上げられます。
プロの現場ではドラムサンダーで荒研磨し手動ポリやエッジで隅出しして、ポリッシャーで仕上げるという流れが定番になっています。

ポリッシャーを使う三大メリット

効率性

ポリッシャーは直径30〜40センチのパッドが床に密着して回転するため、ドラムサンダーより研磨幅は狭いものの、木目に対して均一圧で当たるので“研磨跡の段差”が出にくく、後工程の再サンディングが不要になるケースが多いです。
10畳程度の空間なら仕上げ研磨に要する実働は30分~1時間程度で済みます。

均一性

手作業は力の掛かり方が場所で変わり、どうしてもムラが出やすいですが、ポリッシャーはモーター駆動により一定荷重で木目を削るため、光の当たり方がそろったフラットな面に整います。
ツヤ系塗装や着色オイルを塗る前段階として、光沢ムラを減らす効果が大きいのが魅力です。

省力化

20 kg前後の機体重量が自重で削ってくれるので、操作者はハンドルを上下に傾けるだけ。
腰と足でバランスを取る感覚さえ覚えれば、腕力をほとんど要しません。
長尺作業でも筋肉痛になりにくく、プロ現場では女性職人が担当することも珍しくありません。

研磨に用いる三つのメインマシン

機種 研磨幅・特徴 用途 なぜ必要か
ドラムサンダー 幅200〜300 mm、ローラーに巻いたサンドペーパーで粗削り 傷・ワックス膜を一気に除去 研磨量が大きく短時間で木肌を出せる
エッジサンダー 幅120 mm~円盤が横回転 壁際・隅の荒研磨 ドラムが届かない三方枠下や巾木際を削る
ポリッシャー 直径330〜430 mm、円盤下向き回転 中仕上げ・最終仕上げ 研磨跡を均一にぼかし面精度を整える

ポリッシャー単体でも古いクリア層を軽く落とす程度なら対応できますが、塗膜が厚い無垢床や深い傷がある場合はドラムとポリッシャーという二段階の方が短時間で美観が整います。

床用ポリッシャーと車用ポリッシャーの違い

項目 床用ポリッシャー 車用ポリッシャー
パッド径 13〜18インチ 5〜10インチ
回転数 150〜200 rpm 500〜2500 rpm
荷重 機体20 kg前後+自重 本体2 kg前後、手圧
適正用途 ワックス剥離、木床仕上げ ボディ研磨、コーティング拭き上げ

床用は低速大トルクで面を磨き、車用は高速小径で艶出しに適しているため、互換性はありません。
フローリング研磨では必ず床用を選び、適した番手を選んで使うのがセオリーです。

パッドとブラシの選び方と組み合わせ

パッド色 / ブラシ種 研磨力 主な用途
研磨用ジスク 高い ドラム後の研磨など
パフ 研磨性なし オイル浸透後の拭き取り
白パッド きわめて弱い フローリング塗装面にワックス剥離

なぜ番手で分けるのかと言えば、研磨粒子の配合比率によるものです。

実践!フローリング研磨の手順(オイルVr)

養生「粉塵対策、衝突防止」

ポリッシャーはドラムほど粉は出ませんが、微粉が室内に舞い上がります。
隣室との境目はマスカーで目張りし、吸気フィルター付き扇風機で負圧を作ると養生シートの外への拡散を防げます。
壁や家具にはクッション処理し、機体が当たっても傷が付かないようにします。

荒研磨から仕上げまでの実働フロー

ドラムサンダーで削り、既存塗膜を除去
適したやすり番手で研磨し、木肌が一枚むけて淡色になったら次工程へ。
番手を飛ばすと深いサンド跡が残るため、順番は必ず守りましょう。

エッジサンダーで巾木際を均一高さに合わせる

ドラムが寄り切れない80 mm幅を円盤120 mmで削り込み、側板と平滑になるよう丁寧に当てます。
削り痕が粗いとポリッシャーで消し切れず光の帯が残るので、番手120仕上げ推奨。

ポリッシャー仕上げで木目を整え

適したやすり番手で全体を1メートル幅S字に往復。
細かく研磨し、手のひらで撫でて毛羽立ちが感じられなくなれば完了です。

ローラー+白パッドでオイルを擦り込み均一艶に

専用ローラーで1列塗布し白パッドで遠心力を使い擦り込み後に、ウエスで余分を回収という3ステップを1 m幅で繰り返すと、色ムラが少なく木目の深みが際立ちます。乾燥は24 hが目安。

安全対策とメンテナンス

・延長コードは業務用を使用し、作業半径外周を壁沿いに配線して巻き込み防止。
・使用後のパッドは、洗浄+完全乾燥させてから保管。塗料が残っていると次、使う時に塗膜不良の原因になります。
(施工時に塗料が着かないような工夫や、新しいパッドを使うのであれば問題なし)

ポリッシャーはフローリング研磨の仕上げを決める要

フローリング研磨においてポリッシャーは“ただの床洗浄機”ではなく、ドラムサンダーで荒々しく整えた木肌に最後のひと手間を加え、光沢と平滑さをそろえる時にも使われています。
広い範囲を短時間で均一に磨けるうえ、白パッドを使えばオイル仕上げ前の木目起こしにも、極細ペーパーを装着すれば疑似バフがけにも対応できます。
パッドの色・番手を正しく選び、機体の重みを活かして“押し付けずに滑らせる”感覚さえ身に付ければ、DIYでもプロ品質の下地が完成。
安全対策と定期メンテナンスを欠かさなければ、ポリッシャーは10年以上頼れる相棒になります。
さあ、あなたのフローリングをもう一度“新築のような素足の心地よさ”へリセットしてみませんか。

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