無垢フローリングの突き上げはなぜ起こる?対策とプロに相談するタイミングを徹底解説

   

無垢フローリングを採用した家は、自然素材ならではの温もりと風合いが魅力です。
しかし、梅雨時などをきっかけに「床が盛り上がる」「歩くとフワフワする」といった異変が起きることがあります。
それは、無垢フローリングに起こりやすい“突き上げ”という現象かもしれません。
せっかくこだわって選んだ床材でも、正しい知識や対策を知らないと、見た目や安全性に大きな問題が発生してしまいます。
この記事では、「無垢フローリング 突き上げ」の原因から対策そして万が一発生してしまったときの対処法までを、専門用語を使わず、分かりやすく解説します。

無垢フローリングの突き上げとは何か?

無垢フローリングの突き上げとは、床材が湿気などの影響で膨張し、逃げ場を失って持ち上がる現象です。
主に梅雨や夏など湿度が高くなる季節に発生しやすく、フローリングが波を打ったように盛り上がるため、見た目にも不自然で、場合によっては扉が開かなくなるなど日常生活に支障をきたすこともあります。

無垢フローリングに突き上げが発生する主な原因

湿気による膨張

無垢材は自然素材なので、空気中の水分を吸収しやすいという特徴があります。
湿度が高まると水分を吸収して膨張し、床材同士の隙間が足りないと逃げ場がなくなり、床が盛り上がるのです。

施工時の隙間不足(クリアランス不足)

フローリングの施工時には、木の膨張を見越してわずかな隙間を設けておく必要があります。
この隙間(クリアランス)がないと、膨張時に床材がぶつかり合って上方向に力が逃げてしまい、突き上げが発生します。

下地の問題

床材を支える下地が湿気を帯びている場合や、平らでない状態で施工された場合も、膨張しやすくなり突き上げのリスクが高まります。
特に古い家やリフォームの場合、下地の状態が原因になることがあります。

突き上げを防ぐための具体的な対策

適切な隙間(クリアランス)を確保する

材料にもよりますが、フローリング同士の間には、木の伸び縮みを考慮して0.2mm〜0.5mm程度の隙間を設けることが一般的です。
これにより、木材が膨張しても横に逃げられるため、突き上げを防げます。

下地は平らで乾燥した状態を保つ

施工前の下地確認は非常に重要です。
湿っていたり凹凸がある場合は、事前に補修したり、防湿シートを敷くなどの処理を行いましょう。
これにより湿気の影響を軽減できます。

室内の湿度管理(調湿)

エアコンの除湿機能やサーキュレーターを活用し、室内の湿度を60%以下に保つと、無垢材の極端な膨張を防ぎやすくなります。
特に梅雨時期には、窓を開けっぱなしにしないなどの工夫も有効です。

専門家に相談する

無垢フローリングは非常に繊細な素材のため、施工・補修ともに専門的な知識が求められます。
不安な場合は、経験豊富な業者に依頼するのが確実です。

万が一、突き上げが起きてしまったら

様子を見るという選択肢

軽度の突き上げであれば、梅雨が明けて乾燥してくると自然に床が元の状態に戻ることもあります。
すぐに補修に取りかからず、1年ほど様子を見るのもひとつの手段です。

専門業者による補修が必要なケース

突き上げが激しい場合や、床材に隙間・浮き・きしみ音などが出ているときは、専門業者に依頼して一部の床材を外して再施工する必要があります。場合によっては下地からの改修が必要になることもあるため、プロの判断が重要です。

無垢フローリングの突き上げを防ぐために

無垢材は天然素材であるがゆえに、湿気に対する反応も敏感です。
しかし、その反面、正しく付き合えば何十年も美しさとぬくもりを保てる魅力的な素材でもあります。
施工段階からの対策と日々の湿度管理を心がけることで、突き上げなどのトラブルを防ぎ、長く快適な暮らしを楽しむことができます。

以下の表は、突き上げを防ぐための各対策とその目的を整理したものです。

対策方法 目的・理由
0.2~0.5mmの隙間確保 木材の膨張時に横に逃げる余地を作るため
防湿シートの使用 下地からの湿気を防ぎ、床材の膨張を抑えるため
湿度管理(60%以下) 室内の湿気上昇を抑えて、木材の吸湿を防ぐ
専門家への相談 繊細な無垢材の性質に合わせた適切な施工・補修のため

無垢フローリングは、手間をかけた分だけ応えてくれる素材です。
正しい知識を持って、美しく快適な住まいを維持していきましょう。

 

 

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