国内の主要な置床・乾式二重床メーカーを紹介!
置床とは
置床という用語は、建築分野において乾式二重床システムのことを指します。
このシステムでは、建物の本来の床に、すなわちコンクリートスラブの上にもう一つ床面を設けることで、空間を二重にします。
上の床は、防振ゴムを備えた支持脚によって支えられ、下の床とは隔てられています。
この二重床システム、すなわち置床は、建物内の配線や管工事を床下に容易に収納することができます。
また、置床は、高層マンションやオフィスビル、テナントビル、大型商業施設や病院や文教施設などの公共施設、さまざまな建築で採用されています。
室内の見た目を美しく仕上げるとともに、快適な歩行性も実現します。
置床は、その施工の簡便さや経済性から、多くの建築現場で選ばれている床工法の一つです。
置床のメリットとは?
置床には、季節を問わず家の快適性を高める多くの利点があります。
床を二重にすることで、空気層が設けられ、室内の温度を一定に保ちます。
この断熱効果は、光熱費の削減にもつながり、経済的なメリットがあります。
また、音の遮断という点では、置床は驚くほど効果的です。
階上からの騒音、例えば振動音や会話などが、防振ゴムや空気層によって大きく減少します。
静かな居住空間は、日々のストレス軽減にも寄与し、より快適な生活環境を実現します。
また、置床は将来のリフォームやリノベーションの際にも大きなメリットがあります。組床とは違い改修作業を容易にします。
置床は従来の床工法とは違う、住宅の快適性、経済性、そして将来性を大きく向上させる重要な役割を果たしてくれます。
置床メーカーの役割とは?
乾式二重床メーカーとは、乾式二重床を提供する企業です。
メーカーは主にその製造を行っています。
また、乾式二重床メーカーは、床の耐荷重や耐久性など性能を高めるための取組みをしています。
研究開発にも力を入れており、安全性や品質の向上にも努めています。
集合住宅や公共施設の建築において、信頼性のある床下地材の提供先として無くてはならない存在となっています。
2024年おすすめの乾式二重床メーカー8選
2024年におすすめの乾式二重床メーカーを8つご紹介します。
今回、お伝えするメーカーは、高品質な素材を使用し、施工の信頼性も高いです。
乾式二重床を検討する際には、この6つのメーカーをチェックしてみてください。
- 万協フロアー
- 桐井製作所
- フクビ化学工業
- 三洋工業
- 大建工業
- 淡路技研
- 竹村工業
- トップ工業
乾式二重床を選ぶ際には、メーカーの信頼性を確認することも一つです。
メーカーの歴史や評判、実績などを調査し、信頼できるメーカーかどうかを見極めましょう。
また、乾式二重床を提供しているメーカーが適切な保証やアフターサポートを提供しているかも重要です。
しっかりとしたメーカーを選ぶことで、品質の高い床に仕上げることができるでしょう。
それぞれのメーカーの特徴と、各社が販売する人気の商品を紹介していきます。
万協フロアー
置床といえば職人の中で『万協フロアーだよね』との認識があるほど知名度が高い会社。創業は1962年。
泰成株式会社は、長野県に製造拠点を構える企業で、特に二重床の販売および施工を専門としています。
この二重床システムは、マンションやアパートといった集合住宅での騒音問題の解消、商業施設の耐荷重能力の強化、体育館を含む運動施設の床補強といった多岐にわたる用途で利用されています。
2019年には、有限会社から株式会社へと組織を変更し、泰成株式会社として新たなスタートを切りました。
さらに、泰伸株式会社という関連会社も設立し、業務を拡大しています。
このように、泰成株式会社は、革新的な床システムを提供することで、住宅や商業施設、運動施設の環境改善に貢献している企業です。
置床製品(万協フロアーシステム) |
万協フロアーの乾式二重床は、使用場所や用途・目的に対して柔軟に対応できるラインナップを揃えています。また、床仕上げ材を自由に選べる自由度の高い床下地です。 そのため、施工実績以外にも、あらゆる場所で、自由な発想と目的で活用できる可能性が大きな床システムといえます。 また、各タイプ共通の特長によって、「スラブからの冷えや湿気を軽減し、足腰が疲れにくいフロアーにしたい」「床全体の適度な弾力性により、転倒時の衝撃を大幅に緩和したい」「床下利用がしやすくて、配管や配線、床下空調の設置が容易なものがいい」といったご要望にお応えできる乾式二重床です。 |
桐井製作所
桐井製作所は、1964年に創業した内装用鉄鋼下地の製造・販売を主軸に展開している会社です。
この会社は、建物の天井や壁、床などの内装建築資材を自社で製造しているだけでなく、他の内装建築資材の取扱いも行っており、商社としての機能も果たしています。
そのため、顧客や取引業者、さらには内装建築資材メーカーにとっても、利便性や効率性の向上に貢献している点が大きな特徴です。
特筆すべきは、桐井製作所が世界中の内装建築資材を扱っていることです。
これにより、幅広いニーズに応えることが可能となっています。
また、同社は独自に耐震天井を開発し、これが地震による被害軽減に寄与しています。
このような革新的な取り組みは、桐井製作所がただの内装用資材メーカーに留まらず、社会貢献も視野に入れた企業活動を行っていることを示しています。
総じて、桐井製作所は、内装建築資材の製造・販売から商社機能、さらには社会貢献に至るまで、多角的な事業展開を行っている企業です。その活動は、顧客や社会のニーズに応え、より良い生活空間の創出に貢献しています。
置床製品 |
バレアレスフロアー 床の段差を解消し、高い遮音性と快適さを兼ね備えた乾式二重床工法です。 特徴 1.高強度 ・荷重テストを繰り返して開発された、強度と遮音性を備えた高性能防振ゴムが快適な居住空間の基礎を造ります。 ・支持脚の調整により、仕上げ材の厚みに左右されずに床の段差を無くした空間を実現できます。 ・支持脚に防振ゴムを使用していますので、優れた遮音性とほどよい歩行感を実現し、転倒時の衝撃吸収力にも優れています。 2.高遮音 ・歩行音や食器を落とした音、いすを引いた音等(軽量衝撃音 LL)に対しては防振ゴムとスラブ面との接地面積を少なくした形状により、その振動の伝達を軽減します。 ・子供の飛び跳ねる音や重いものを落とした時に発生する音等(重量衝撃音 LH)に対しては、防振ゴム全体でその衝撃力と振動を吸収します。 3.機能性 ・支持脚ボルトの調整のみで床の高さを調整でき、容易に精度の高い施工が可能です。 ・床パネルがパーティクルボード(木質系リサイクル建材)の為、さまざまな仕上げ材に対応します。 ・空気層が確保でき、自由な床下配管が可能です。また、基礎床面に手を加えずに施工ができますので、将来のリフォームにも容易に対応します。 4.安全性 ・BL認定品であり、厳しい社内規格のもとに製造されています。BL認定制度とは、品質、性能、アフターサービス等に優れた住宅部品の認定制度です。 ※BL認定品はKタイプのみとなります。 |
フクビ化学工業
フクビ化学工業株式会社は、1953年の創業以来、日本全国にわたり住宅、非住宅、産業分野において、その先進的な樹脂成形技術を駆使した製品を提供してきました。
この会社は、耐震・制震技術から気密・断熱材、さらには浴室や水回り関連の製品に至るまで、幅広いラインナップを誇っています。
特に、環境に配慮した製品開発に注力しており、「フクフォームEco」という製品はその一例です。
この床下断熱材は、廃棄された古紙と水発泡技術を使用しており、さまざまな建築工法に適応することが可能です。
ユーザーにとっての取り扱いやすさも考慮されており、簡単にカットできる上、水を弾く特性が作業効率の向上を助けています。
フクビ化学工業は、その革新的な製品群で、建築業界における持続可能な発展に貢献しています。
置床製品(フリーフロアー) |
フクビ化学工業が提供するフリーフロアーは、さまざまな建物のニーズに応える乾式断熱二重床工法を採用しています。このシステムは、日々の生活をより安心かつ快適にするため、足元からの快適さを提供します。特に、金属製のフリーフロアーは、ボルト調整による施工性の向上に大きなメリットがあります。また、ゴム座を使用することで、たわみが少なく、特に1階などで遮音性よりも剛性が求められる場所に適している点が特徴です。このように、フクビ化学工業のフリーフロアーシステムは、構造上の要求に柔軟に対応しつつ、快適な生活空間を実現します。 |
三洋工業
三洋工業株式会社は、日本国内で金属建材と建築材料を手掛ける先駆者の一つです。
この会社は、1948年の創業以来、建築業界に革新をもたらしてきました。
初めての大きな転換期は1954年、法人化に成功し、その後も絶えず成長を遂げています。
特に、1966年には埼玉に、1969年には茨城と福岡に、そして1970年には技術研究所を設立しました。
これらの施設は、同社の製品開発と生産能力の拡大に不可欠でした。
同社の製品ラインアップは、特に住宅建材において高い評価を受けています。
たとえば、集合住宅向けの遮音置床システムは、その遮音性と保温性で高い評価を得ています。
また、アルミニウム製のフェンス、手すり、カーテンボックスなども、耐久性とデザイン性で選ばれています。
三洋工業株式会社は、創業以来、技術革新に注力し、環境に優しい建材の開発にも力を入れてきました。
これからも、同社は建築業界のニーズに合わせた高品質な製品を提供し続けることでしょう。
- 創業年1948年
- 売上282億8,300万円
- 純利益16億2,100万円
置床製品(ホームベースシリーズ) | |
三洋工業のホームベースシリーズは、20年以上にわたり多くの家庭で愛用されてきた信頼の証です。このシリーズは、革新的なアイデアと徹底した試行錯誤を経て生まれました。特に、材質と形状を吟味し尽くすことで、優れた遮音性能を実現しています。また、施工のしやすさも大きな特徴で、設置時の手間を大幅に削減。さらに、一貫した品質管理により、製品の安定性を保ちつつ、コストパフォーマンスの高さも追求しています。このような多面的なアプローチが、三洋工業のホームベースシリーズを、長年にわたり多くの人々から支持される理由です。 |
公式サイト:三洋工業
商品:ホームベースシリーズ
大建工業
大建工業株式会社は、第二次世界大戦が終わった直後の1945年に創業した企業で、主に住宅や商業施設向けの建材、特に床材や壁材の製造および販売を手掛けています。
この会社の製品は、環境への配慮と高い機能性を兼ね備えている点が大きな特長です。
そのため、一般の家庭はもちろん、政府機関や商業施設、教育・医療機関など、幅広い建築プロジェクトで選ばれています。日本国内においては、北から南まで、北海道から九州にかけて、多くの支店や生産施設を展開。さらに国境を越え、中国やシンガポール、インドネシアといったアジア各国はもとより、アメリカ合衆国やカナダにも営業拠点や生産設備を持つなど、グローバルに事業を展開しています。
このように、大建工業株式会社は、創業以来、持続可能な社会の実現に貢献する製品を提供し続け、国内外でその価値を高く評価されている企業です。
- 創業年1945年
- 売上2,288億2,600万円
- 純利益103億2,500万円
置床製品(DADスペースSシリーズ/LSシリーズ) | |
公式サイト:DAIKEN
商品:DADスペースSシリーズ/LSシリーズ
淡路技研
淡路技研は、1984年に設立された企業。置床メーカーとしては後発組。
主力製品である「プレフロアーシリーズ」は、生活騒音の伝播を大幅に抑えることができるだけでなく、地震などの際に建物にかかる負荷を軽減する耐震性、さらには転倒時の衝突を和らげる安全性も兼ね備えています。
た、木造建築に特化した「WOODY二層二重床」も提供しており、こちらは特に木の温もりを感じられる住空間を提供しながら、高い遮音性能を実現しています。
置床製品(プレフロアーシリーズ) |
淡路技研が提供するプレフロアーシリーズは、特にRC造の建物に最適化された内装床下地材です。このシリーズは、快適な歩行感や優れた遮音性能、さらには転倒時の衝突を和らげる安全性を持ちます。施工性にも優れており、作業の効率化を図ることができます。また、集合住宅だけでなく、様々な施設や異なる床高さの要件にも柔軟に対応可能です。淡路技研のこのシリーズは、住宅から公共施設まで、幅広い用途での利用を可能にしています。 |
公式サイト:淡路技建株式会社
商品:プレフロアーシリーズ
竹村工業
竹村工業株式会社は長野県下伊那郡松川町に本社を構える、木毛セメント板の製造と販売を主軸に展開している企業で1935年に創業。
木毛セメントは耐久性や耐火性に優れていることから、建築業界で高い評価を受けています。
さらに、屋根下地材、内装材、乾式二重床、壁下地材など、幅広い建築材料が販売されており、建築現場の様々なニーズに対応しています。大型公共建築物や住宅建築における耐火野地板や打ち込み型枠材として全国的に利用されています。
置床製品(ジャストフロアー) |
竹村工業が提供する「ジャストフロアー」は、独自開発の強化高圧木毛セメント板(スラボー)は床下地材として使われています。 製品の床先行工法では、縦455mm横455mmの等間隔で支持脚が設置され、受け材も長尺型を使用している為床面強度のばらつきが小さく、間仕切り壁の直下でも補強脚が不必要。 音を伝えやすい補強脚を使用しないので、遮音性能を悪くすることがありません。 |
トップ工業
1980年に設立、中部建設株式会社のグループ企業。
住宅の快適性を高めるフローリングと二重床を製造しています。「トップシステムフロアー」は、二連支持脚を用いた乾式遮音二重床であり、PAT(特許取得済み)としてその革新性を認められています。施工のしやすさ、耐久性、そして優れた遮音性能を併せ持ち、住宅だけでなく、オフィスや公共施設など幅広い建築物に適用可能です。。
置床製品(TOPシステムフロア) |
トップシステムフロアが提供する置床製品は、床先行工法に対して特長があります。 二連支持脚を用いた互組工法は間仕切りの直下に補強脚を設置する必要がないため、施工の手間が省け、作業の効率化が図れます 一般的な単脚支持脚を使用した一点支持工法と比較すると、トップシステムフロアは強度面で大きなアドバンテージを持ちます。 |
公式サイト:トップ工業
商品:TOPシステムフロア
置床・乾式二重床の材料を選ぶ際のポイント
置床・乾式二重床は、集合住宅や公共施設など、さまざまな施設で使われている床下地です。
このシステムは、パネルと支持脚で構成されています。
様々な製品が存在し、施設の用途や機能性に応じた下地が施工できます。
今では、支持脚はホームセンターで手に入れることができますが、ただ単に手軽に入手できるからといって、目的に合わないものを選ぶワケにはいきません。
正確な仕様や機能を理解し、床の要件に合ったものを選択する必要があります。
下記に5つの選び方を記載しました。
- 図面通りに選ぶ
- 職人さんが求める施工性で選ぶ
- 機能性で選ぶ
- 支持脚で選ぶ
- 施設の使用用途で選ぶ
それぞれの選び方を、以下で詳しく解説していきます。
図面通りに選ぶ
設計図面は、建物の最終形態を想定し、必要な工事の内容や使用材料が明確になっています。
例を挙げると、ユニットバスやトイレの配置計画では、給排水管や電源の事前準備が必須となります。さらに、ピアノのような重い物を収容する部屋では、床の補強が欠かせません。
設計図面は、建物が完成する姿を基に、どのような準備や手順が必要かを逆算する重要なツールです。建築に関わる全員が共通の理解を持ち、計画通りに進めるための基盤となります。
置床や乾式二重床について、設計図面や仕様書に描かれている場合には、記載通りの材料を選ぶ必要があります。前述した通り、事前に必要な荷重や高さなどが決められているからです。
これにより、床の品質と機能性を保証することができます。
職人さんが求める施工性で選ぶ
置床や乾式二重床を選択する際、施工性は早く進めるためにも。
メーカーごとに施工方法や必要な道具が異なるため、選択には慎重さが求められます。
たとえば、水平調整に特別な工具が必要な製品もあれば、そうでないものもあります。
職人さんたちは通常、作業の速さと精度を重視するため、慣れ親しんだ材料を好む傾向にあります。
基本的に建物の床において、必要な性能要件を満たしている限り、図面に乾式二重床とだけ記載されているケースがあります。
この場合、職人さんが扱いやすいと感じる材料を選ぶことで、作業効率を高めることができます。
材料の承認を得ることができれば、どのメーカーの製品を使用しても問題はありません。
職人が慣れている材料を選ぶことは、作業のストレスを軽減し、施工の質とスピードを向上させるために非常に有効です。
このように、施工性を重視することで、工程管理にも寄与することが可能です。
機能性で選ぶ
置床の選定にあたっては、その機能性が重要な判断基準となります。
特に、「耐久性」「安全性」「歩行感」「遮音性」「断熱性」「メンテナンス性」といった性能は、空間の用途に応じて適した選択をするために重要です。
耐久性に関しては、長期間にわたってその性能を維持できるかの目安です。
安全性では、クッション性や衝撃吸収性が考慮されます。
また、歩行感は日常的な快適さに直結し、違和感なく歩けるかどうかが評価されます。これは、ほどんどの置床材では大丈夫といえますが、直床の遮音フローリングではぷかぷかとします。
遮音性は、特に集合住宅などで重要です。
音の伝わりにくさを⊿値で示し、生活音の影響を最小限に抑えることが求められます。
断熱性は、置床の場合、直床と比べて優れているといえます。ただ、断熱材を使用するとなると床下に設置できるだけのスペースが必要になります。
このスペースが限られている場合は、断熱材の選択肢が限られること、若しくは入れられないことがあります。
メンテナンス性は、リノベーションや空間の用途変更時に、いかに容易に対応できるかになります。
これらの機能性を踏まえ、使用目的に応じた置床材や支持脚を選択することが賢明です。
このように、置床を選ぶ際には、それぞれの機能性を総合的に判断し、空間の用途や個々のニーズに最適なものを選びましょう。
適切な置床を選ぶことで、快適で機能的な空間を実現できるでしょう。
支持脚で選ぶ
置床は、その高さ調整機能によって、多様な建築ニーズに応えることができる床下地システムです。
建物に応じて、必要な高さを選択することができるため、特にリノベーションの建設プロジェクトではその価値が高まります。
扉や既存の構造との取り合いが制限される場合、特定の支持脚を選ぶことで、問題なく設置が可能になります。
低床用途では、最小40mmから50mmの高さ調整が可能で、高床用途では最大1200mmまでの調整が可能です。
このように、置床システムは40mmから1200mmの範囲で、細かな高さ調整が可能となっており、これにより、ほぼあらゆる建築ニーズに対応することができます。
この柔軟性は、建物の特性やデザイン要求に応じて、適切な支持脚を選択し、理想的な空間を創出する一助になります。
施設の使用用途で選ぶ
置床工法は、高層マンション、テナントビル、商業施設、病院など、様々な場所で見られるようになっています。
しかし、一つの置床仕様があらゆる建物に適しているわけではありません。
施設の用途や特性に応じて、適切な床材を選択することが重要です。
例を挙げると、マンションなどの住宅では遮音性能が求められるため、標準的な仕様の置床が望ましいです。
一方で、店舗や医療施設、福祉施設、公共施設など、人の往来が多い場所では、耐荷重性能を考慮した仕様の床が必要になります。
このように、施設の使用目的に合わせて適切な置床を選ぶ必要があります。
安全性や快適性を確保する上で非常に重要です。
導入事例とその仕上がり
事例1:集合住宅・マンション床への活用
マンションや集合住宅における置床工事の活用事例です。
床の下地を整え、コンクリートスラブの不均一性を解消し、最終的には水平な仕上がりを実現します。
驚くほどシンプルな構造で、パーティクルボードとパネルにより、施工性の高さが実現できます。
また、調整作業はドライバー一つで完了し、これにより水平性を確保します。
1.フロアレベルの確認(現場による)
まず、現場調査を行い、床の仕上がり高さを測定して、必要な支持脚の高さを決定します。
現場によって、床が先か壁が先か違います。補強が必要かどうかを検討し、支持脚の数や種類を決めます。
2.際根太の設置
次に、際根太を壁際に設置します。
際根太(キワネダ)とは、床の隅が沈まないように、全体の安定性を高めるために使われる材料です。
3.支持脚とパーティクルボード敷き込み
支持脚とパーティクルボードを設置し、床下の断熱を行います。今回は断熱性の高い裏打ち断熱工法で行っていきました。
これにより、冬場の寒さの侵入を防ぎ、暖房の熱が逃げるのを防ぎます。
4.点検口開口
床下収納やその他の設備のための穴あけ加工を行い、フローリングを敷設します。
この際、フローリングが傷つかないように、あて木を使用して釘打ちします。
5.フローリング張り
最終的に、全てのフローリングが設置されたら、工事は完了です。
これにより、美しく、機能的な床面が実現されます。
この工法は、その施工の速さと効率性で知られており、1日あたり20㎡から50㎡の範囲で施工が可能です。使用される主な材料には、際根太、支持脚、パーティクルボードなどがあります。寮、商業施設、文教施設、集合住宅など、さまざまな建物の床工事にこの乾式二重床工法が適用されます。床下地の施工や材料選び、仕上げについてのご相談があれば、いつでも専門スタッフが対応いたします。
事例2:コンビニエンス床への活用
コンビニエンスストアの改装における置床・乾式二重床工事の活用事例です。
建設会社様からのご依頼です。
乾式二重床システムは、その施工性と遮音性に優れており、配線管理が重要なコンビニエンスストアも適しています。
コンビニ内には冷蔵庫、ATM、コーヒーメーカーなど、多くの設備があり、それぞれが電源を必要とします。
一般的な壁コンセントだけでは対応が難しいため、フロアコンセントの設置も行います。
1.際根太施工
まずは、壁際に、際根太という支持部材を設置します。これにより、際への強度補強とレベル調整が可能になります。
2.置床施工
配線計画に基づき、必要な場所にフロアコンセントを設置。
その後、12㎜の捨て張りを含む置床を施工しました。設備が設置される場所は除外し、壁際と同様の処理を行いました。
また、店舗の快適性を考慮し、裏打ち断熱材を使用。
これにより、夏は涼しく、冬は暖かい店内環境を実現しました。
3. 完成
写真にはありませんが、この後タイル仕上げをタイルやさんの手で行われました。
配線はすべて床下に隠れ、店内がすっきりと整理されました。お客さまにとってもフラットで快適な床が提供されることになります。
この建設プロジェクトでは、配線の問題を解決するだけでなく、遮音性と断熱性も向上しました。建設会社さまとの協力によって、効率的かつ機能的なコンビニエンスストアの床を実現することができました。
事例3:配管設備の多い床への活用
医療センターの改装工事における二重床システムの導入事例です。
この工事は、床下の配管や配線を容易にアクセスできるようにするとともに、空間のバリアフリー化を目指したものです。
1. 床レベルの測定、支持脚とパーティクルボードの配置
まずは、在来際根太を壁面に固定。これにより壁際をしっかりと支えます。
レーザー測定器を使用して現場の床レベルを把握しながら支持脚とパーティクルボードを配置していきます。
これらはアジャスターボルトと受け皿で構成され、プラスドライバーで微調整が可能です。
2. 床の高さ調整、仕上げ
アジャスターボルトを使って、床の高さを調整し、以前に比べて段差のないフラットな床面を実現しました。
バリアフリー対応の空間を実現、車椅子ユーザーも含めた全ての人が利用しやすい環境を作り出すことができました。
この工事は、特に医療センターのように配管や配線のメンテナンスが頻繁に必要とされる施設において、大きなメリットをもたらします。
置床は、このように、さまざまな建築ニーズに対応可能です。
この事例から、二重床システムの導入がいかに施設の機能性とアクセシビリティを高めるかが見て取れるでしょう。
事例4:水廻り床への活用
ホテルの新築における水廻りの床工事です。
特に置床・乾式二重床の施工が重要な役割を果たします。トイレやバスルームなどの水廻りでのみで置床が使用されることも少なくありません。
配管や配線を床下に隠すためのスペースをつくるためです。以下に、その工程を説明します。
1. 施工前
施工開始前です。右上の写真では、水廻りエリアの床がリビングエリアよりも一段低く設計されています。
これは、水回りの配管や配線を収納するためのスペースを作るためです。この段階で、床の下地となるコンクリート面が準備され、施工の準備が整います。
2. 際根太の設置・パーティクルボードの設置
コンクリート面には、まず際根太が設置されます。
これは床の四隅が安定し、沈まないようにするためのものです。
この時点で水平調整が行われますが、さらに精度を高めるために調整束が使用されます。 次に、際根太と調整束を利用して、パーティクルボードが設置されます。
パーティクルボードは二重床構造の主要な部分であり、上に仕上げ材が来ることになります。
この段階で、水廻りとパーティクルボードの納まりが確認されます。
3.ラワンベニヤの捨て貼り
パーティクルボードの上に、さらにラワンベニヤを捨て貼りします。
これが、最終的なフローリング材や塩ビタイルの下地になります。
この工程により、床の仕上げ材が直接パーティクルボードに触れることなく、より滑らかな仕上がりが実現できます。
この工事では、万協フロアー製の置床・乾式二重床が使用しました。
選定理由は、施工性の良さと機能性の高さにあります。また、施工性と性能のバランスが求められる中で、環境に配慮した製品の選定も重要なポイントとなりました。
事例5:段差が複数必要な床への活用
乾式二重床システムを利用した工法は、空間デザインにおいて大きな可能性を秘めています。
今回は、音楽室の改装を例に、段差を設けた床への置床工法の活用事例をご紹介します。
音楽室を吹奏楽部の練習場所として使用します。
1.材料の準備
20ミリ厚のパーティクルボードと、ラワン合板、450ピッチで設置する支持脚を準備。
特定の高さ調整が必要な場合は、特注で支持脚を注文しました。
2. 支持脚の設置
基本的に100mmから1200mmまでの高さ調整が可能な支持脚を用いて、床下地の構築を開始。
ボルトとナットで構成された支持脚は、ドライバーによる微調整が可能です。
また、段差を考慮しながら、パーティクルボードを順次設置。
同時に、蹴込み部も組み立てました。これらは弊社の倉庫で事前に加工され、現場に運びました。
3. レベル調整
パーティクルボードの設置と並行して、水平レベルの調整を行います。
際根太とのビス留め作業では、支持脚のゴムが傾かないよう注意が必要です。
4. 強度の確保
特定のエリアでは、支持脚のピッチを狭めることで床の強度を高めました。
1㎡あたり4.5本の支持脚を基準に、必要に応じて数を増やしていきます。
5. 複数の段差の設置
最終的に、音楽室内には9段の段差が設けられました。これにより、吹奏楽部の演奏に適した環境が整いました。
6. 調整と完成
スラブ面の不陸や支持脚の調整幅を考慮しながら、細かな高さ調整を行いました。
様々な切り込み加工に工夫が必要でしたが、これらの課題も乗り越え、置床工事を完了させました。
この事例では、乾式二重床システムの高さへの柔軟性と効率の良さが際立ちます。
特に、段差のある床を生み出す際には、この工法だからこその強みが生かされました。
音楽室だけでなく、映画館や他の多目的スペースにも応用可能であり、私たちの技術と経験がさまざまな空間創造に貢献しています。
最期に
いかがだったでしょうか?
置床・乾式二重床のメーカーや材料選び、そして工事事例などお分かりいただけましたでしょうか?
前述したように、メーカー選びの際には、実績や評判などをしっかりと確認することが大切です。
また、施工後のアフターサポートや保証内容も重要です。
信頼できるメーカーの材料を選ぶことで、快適な住環境を実現することができるでしょう。
置床に対してこんなお悩みありませんか?弊社では置床工事に信頼の実績!
置床に対してゼネコンさまや工務店さまから様々なご質問を受けてきました。
例えば・・
「どの置床メーカーを選んでいいのかわからない…」
「置床の支持脚ってどんな特徴があるの?高さはあるの?」
「これから建築予定の現場で使う置床はどんなものが適しているんだろう?」
「置床の納まりや施工方法がよくわからない…」
「専門家の意見が聞きたい。」
などです。
私たちも、多くの置床現場に携わってきました。
その中で、【これは不便だなぁ~】とか、【このピッチで支持脚大丈夫かなぁ~】とか、【配管が太いけど、どうやって強度を担保するかなぁ~】など想定しないケースでのトラブルにも対応してきました。
だからこそ、床下地職人として、置床の難しさを知っています。
また、多くの悩みを仲間と共有し乗り越えてきました。
はじめまして、代表の霜鳥です。
床工事のプロであり、フローリング一級技能士として、建築現場の皆様のお役に立ちたいと考えています。
私の想いは、ゼネコンさんや建築業者の皆様に、置床のメリットや性能を知っていただき、よりよい活用につなげてほしいことにあります。
事実、価格だけで床材を選ぶと、品質や性能が犠牲になる可能性があります。
また、情報不足によって、安易な選択をしてしまうことがあります。
置床は、正しく使えば耐久性や施工効率、コストパフォーマンスなど、あらゆる面で優れた選択肢といえるでしょう。
私たちの置床工事は、お客さまからも高い評価をいただいています。
ぜひ建築現場での床工事において、信頼性と効率性を兼ね備えた置床・乾式二重床工事を選んでいただければと思います。
『置床工事って、どこに頼んだらいいいんだろう?』そんなお悩みがありましたら、まずはお問い合わせください。
最期に、ぜひ、このページを参考にしていただき、施設に適した置床選びにつなげていただければ幸いです。