「足元がスースーして眠れない…」
「暖房を入れてもなかなか暖まらない」
古民家を購入された方からの、ご相談も少なくありません?
築年数の経った古民家では、床下からの冷気やすきま風、断熱不足が原因で“底冷え”が発生しやすくなっています。
でも大掛かりなリフォームをしなくても、工夫次第で寒さを大きく軽減することができるんです。
この記事では、古民家で床が寒い原因とその具体的な対策を、予算別にわかりやすくご紹介します!
古民家の床が寒い主な原因とは?
断熱材が入っていない、または劣化している
昔の家では、床下に断熱材が入っていないことが多く、入っていても経年劣化によって断熱効果が薄れているケースがほとんどです。
そのため床下からの冷気が直接床板に伝わり、足元が冷えます。
フローリングの隙間風とコールドドラフト現象
床板の間にわずかな隙間があるだけでも、冷たい空気が侵入してきます。
また、窓際などで起こる「コールドドラフト現象(冷気が床面を這うように流れる現象)」も底冷えの原因になります。
建具や窓の気密性が低い
古民家に多い単板ガラスや木製建具は、現代のサッシに比べて断熱・気密性が低く、外気の冷たさが室内にダイレクトに伝わります。
古民家の床を暖かくするための断熱対策まとめ
対策方法と内容一覧
対策方法 | 特徴・効果 | 費用目安 |
---|---|---|
床下に断熱材を施工 (床下に入れることが条件) |
根本からの断熱改善。リフォームで最も効果大 | 約5〜15万円/6畳 |
床暖房を設置 | 快適性が高く、室内全体を暖かく保てる | 約15〜50万円/3畳 |
ラグ・カーペットを敷く | 手軽な方法。冷気の遮断や保温効果あり | 数千円〜 |
カーペット下にアルミシートを敷く | 冷気を反射する効果がある。既存の床材を活かしながら対策可能 | 約2,000〜5,000円 |
コルクマットを敷く | 弾力性・断熱性があり、部分使いにも便利 | 約5,000〜1万円 |
床の隙間を埋める | 抜け節や隙間からの冷気をシャットアウト | 数百円〜1万円 |
二重サッシや断熱カーテンを導入 | コールドドラフト対策。窓からの冷気をカット | 約3〜10万円 |
サーキュレーターを併用 | 空気を循環させて暖気を床面に送る | 約3,000円〜 |
予算別!おすすめ断熱対策
少ない予算でもできる対策(〜1万円)
- ジョイントマットを敷く(部分的でも効果あり)
- ホットカーペットを導入(電気代に注意)
- カーペットの下にアルミシートを敷く
- すきまテープで床板の隙間をふさぐ
※工事不要で取り入れやすく、即効性があります。
中〜高予算でしっかり対策(3万〜50万円)
- 床下に断熱材やスタイロフォームを施工
- 床暖房の設置(電気式・温水式)
- 二重サッシ、内窓の取り付け
- リフォーム時に床材ごと交換し断熱補強
※床全体の快適性が大きく向上し、冷暖房の効率もアップします。
実例に学ぶ!古民家床の断熱リフォーム事例
事例①:築80年の古民家で床下断熱+カーペットを併用
このケースでは、畳なので凄く寒いわけではなかったが、手入れも含めて古民家の床を改修した。
- 6畳和室の床下にスタイロフォームを敷き込み、畳からフローリングに変更。
- さらにお客様、ご自身でカーペットを購入して寒さを軽減。
- 費用:約25万円、工期:約3日間
事例②:古民家のキッチンに床暖房を導入
- 台所に温水式床暖房を設置し、冬の足元の冷えを解消。
- あわせて窓に内窓(二重サッシ)を取り付け、断熱性を強化。また腰壁も取り付けた。
- 費用:約70万円、工期:約5日間
リフォーム時に検討したい補足ポイント
床材の種類も見直そう
断熱効果を重視するなら、無垢材よりも複合フローリング(断熱材付き)やコルクタイルなども採用がおすすめです。
床材自体の冷たさが軽減されることで、体感温度が大きく変わります。
換気とのバランスも大切
断熱強化だけに集中すると、湿気がこもってカビや結露の原因になることも。
床下換気口や調湿材の併用など、通気性の確保にも注意しましょう。
まとめ:古民家の床の寒さは「断熱+気密+工夫」で快適に!
古民家の寒さ対策は、一発解決ではなく「重ね技」が基本です。
- まずはすき間や床下など“冷気の入口”をふさぐこと
- 次に“熱を逃がさない”断熱材や暖房を導入すること
- 最後に“居住空間の使い方”を工夫して快適性を高めること
予算に応じた方法を組み合わせて、冬でも快適に過ごせる古民家ライフを実現しましょう。