床職人奮闘記!無垢フローリング研磨機械4つのサンダーで生まれ変わった幼稚園

   

目次

今日の任務は、幼稚園のフローリング研磨塗装。

朝、目が覚めてからの空気が違う。少しひんやりとした、でもどこか清々しい朝だ。
車に道具を積み込みながら、ふと「この工事も、長いことやってるな」と思い返す。
今日の現場は、元気なちびっこ達が走り回る幼稚園。
現場に向かいながら思う。「さて、今日は何が出てくるかな?」って。
そう、フローリングってやつは、表面だけじゃわからない“クセ者”が多いんだ。
しかも今回は研磨塗装!子どもたちが日々歩く場所だからこそ、こちらも気合いが入るってもんだ。
現場に到着したら、さっそくおなじみのフローリングが登場。
意外ときれいだな~“反り返っていたり”“浮いていなくてよかった”どうやらクセ者ではなかった。

もうこの研磨始めてから60年近くになるな!

現場で道具を並べながら、ふと思い出す。
うちのこの仕事、始まりはなんと昭和の40年代。
今みたいに“BONA製のダストフリーサンディングマシン”なんて洒落たもんはなくて、重いドラム式サンディングマシンでガリガリと削ってた時代だ。

BONA製ドラムサンディングマシン

BONA製ドラムサンディングマシン

弊社の創業は昭和46年、そこから50年以上。
でも親父はそれより前から現場に立ってたから、通算で言えばもう60年。
寿司屋かよって思うくらいの修行をしてきたんだ。
あの頃は当然、無垢材オンリー。
「シートフローリング? なんだそれ?」って感じだった。複合が出てきたときはびっくりしたもんな!
サンドイッチかよって…

左が無垢材断面・右が複合材断面

左が無垢材断面・右が複合材断面

だけどね、そんな時代を知ってるからこそ、今の仕事が“ラク”なんじゃなく、“進化”してるって分かるんだよね。
正に伝統と革新‼
機械は変わってるのもあるけど、床と、そして木と向き合う気持ちは昔のまま。これが、うちの職人魂なんだ。

昔の床は手練りモルタルにフローリング!?ブロック張りの世界

フローリングブロックの張り替え

親父が若い頃によくやってたのが、金足の(かなあし)フローリングブロック。
これがまたクセモノでね…。
今みたいにボンドでペタッと貼るんじゃなく、まずモルタルを練るところから始まる。
モルタルっていうのは、まあ“重くてネチョッとしたセメントの生地”みたいなもんだ。


それを床に敷き詰めて、そこに金属の足がついたフローリングブロックを並べるんだが、ここで大事なのが「木の膨張を見越して、微妙に隙間を空けて張る」っていう感覚。
これがズレると、あとで浮いるのが分かる。
くっついてる床は叩けば”ゴンゴン”って重量音がするが、浮いてると”ポンポン”って軽い音がする。
まぁ、そんな時は”接着剤”を注入をするんだけど。
「ぷかぷかしてる」なんてクレームもよくあったな。
笑っちゃうけど、あれは施工要領的にどうしようもないよな。
色んな職人さん見てきたけど、どこかしらは浮いてたもん!
今思えばアナログ全開だったけど、腕一本の勝負ってやつだったんだな。

さぁ削ろう!職人の相棒たちを紹介するぜ!

準備が整ったら、いよいよ研磨スタート。
今回使うのは4台の相棒たち。
まずは、現場の主役ともいえるドラムサンディングマシン。
こいつは見た目も音も“重量”級。
動かすたびに「うおおおぉ…」と腹筋が悲鳴をあげる。
次にポリッシャー。
丸いパッドがクルクル回って床をなめらかに仕上げてくれる、
まるでお掃除ロボットの兄貴分だ。
そして角サンダー。
細かい隅っこや壁際にグイッと入って仕上げる、小柄だけど頼れるやつ。
最後はカーポリ。
これはもう、名前からして“車好きが転職したんか?”って感じだが、実は床仕上げでも繊細な磨きをする優等生。
どれも一長一短、でもこの4台を使い分けるのが“床削り職人の腕の見せどころ”ってやつだ!

フローリング研磨機械①ドラムサンディングマシンとは?

フローリング再生における主役級の機械が、このドラムサンディングマシン。
大きなドラム状のローラーにサンドペーパーを巻き付け、前後に動かしながら床全体を均一に削り取っていく。
削りの力は強く、一度で表面の古い塗膜や傷、汚れを一気に除去することができる反面、重厚で取り扱いには十分な経験と技術が求められる。
削る力が強いがゆえに、操作ミスがあると逆に段差や削りムラが生じることもあるため、正確な操作が仕上がりを左右。
まさに「床再生の土台を整える機械」といえる存在です。

フローリング研磨機械②ポリッシャーとは?

ドラム研磨機での削りが終わったあとの表面をなめらかに整えるために使うのが、ポリッシャー
円形のパッドを高速で回転させ、削り跡の段差や微細な傷を均等に整えていく。
下地仕上げだけでなく、塗装前の素地調整や、仕上げに近い最終段階での「微調整」も担う重要な工程。
表面のなだらかさは、塗料のノリや耐久性にも大きく影響するため、ポリッシャーの丁寧な操作がその後の美観と性能を左右するといっても過言ではありません。
まさに「目には見えづらいが、仕上がりの品を決める裏の立役者」です。

フローリング研磨機械③角サンダーとは?

壁際や部屋の四隅など、大型機械では届かない箇所の仕上げに欠かせないのが角サンダー(オービタルサンダー)。
小型で操作性に優れており、コンセント周辺や出隅・入隅といった複雑な部分にもアプローチが可能。
床全体がどれだけ美しく研磨されていても、隅に古い塗膜や段差が残っていては台無し。だからこそ、細部まできちんと整えるこの工程が、空間全体の仕上がりの印象を決定づける。
「見えないようで見られている」そんな細部にまで、職人の技術と道具の力が宿ります。

フローリング研磨機械④カーポリ(カー用ポリッシャー)とは?

一見すると床とは無関係に思える車磨き用のポリッシャー(通称:カーポリ)ですが、実は床研磨の最終仕上げにおいて、繊細な艶出しや手触りの調整を行うために使われる裏技的なツール。
木材は天然素材のため、一枚ごとに繊維の方向や硬さに微妙な差がある。
塗装直前や仕上げのワックスがけ前に、このカーポリを使って光沢の微調整を行うことで、より均一で美しい艶感を出すことが可能になる。
大量生産では得られない、一点もののような丁寧な手仕事を求めるお客様には特に好評な工程です。

DIYでも使える‼フローリング研磨に使える研磨機械をご紹介

三角サンダー

サンカクサンダーは、オービタルサンダーと同じ偏心運動を応用しつつ、三角形など小型のパッドを備えることで、隅、箱の内部、入り組んだ立体物といった細部まできめ細かく研磨できる仕上げ専用ツールです。
研磨速度よりも“どんな形状を研ぐか”を基準に機種を選ぶのがポイントで、鋭角な三角パッドは他のサンダーが届きにくい奥まった箇所をカバーし、ハンドルがパッドの真上に付いたバータイプは狭く深い場所でも取り回しが容易です。
また、パッドとペーパーを丸ごとつかんで操作できるため安定して力を伝えやすく、機種によっては窓枠や穴の内面を研ぐ棒状パッドも装着可能。
さらに、ミニ正方形型は一般的なオービタルサンダーを短くした形状で、ある程度広い面を効率良く研磨しながら狭所にも対応できるため、引き出しの内面など比較的平らで手の届きにくい場所の仕上げに最適です。

ランダムサンダー!曲面にも使える“高性能仕上げ機”

ランダムサンダーは、パッドが振動+回転の複合動作を行うため、研磨力と仕上げの美しさを両立した機種です。円形のパッドは、平面だけでなく、ゆるやかな曲面や曲線部分の研磨にも対応可能。
サンドペーパーを変えれば木材はもちろん、金属研磨や錆落としにも使用できる汎用性があります。
さらに、バフを装着すればワックスがけや艶出しにも対応可能なので、自動車整備や家具の再塗装など、仕上がりにこだわる作業に最適です。

ベルトサンダー!粗削りで活躍でも扱いは難しい

ベルトサンダーは、輪状のベルト状サンドペーパーを高速回転させて研磨する、高い研削力を持ったサンダーです。
広い面を一気に削るタイプ(幅広ベルト)や、細長い箇所に適したタイプ(細ベルト)など、用途に合わせたモデルが展開されています。
木材の表面整形だけでなく、金属のバリ取り、溶接後のならし、塗装のはがし作業にも活躍します。
据え置き台に固定すれば卓上グラインダーとしても使えるため、作業場での定置運用にも適したヘビーな研磨機です。

ディスクサンダー(ディスクグラインダー)切断・研削までこなす多機能タイプ

ディスクサンダー、通称ディスクグラインダーは、高速で回転する円形ディスクを使って研磨や切削を行うパワフルな電動工具です。
サンディングディスクを装着すれば木材や金属の研磨に、切断砥石に付け替えれば鉄パイプや石材の切断まで対応できるため、“研磨だけにとどまらない万能選手”として重宝されています。
ただし、強力ゆえに扱いには十分な安全対策が必要で、回転方向や火花にも注意が必要です。
プロ向け用途や、DIYでの本格的な解体・研削作業に適しています。

オービタルサンダー“削りすぎない”が魅力の万能型

オービタルサンダーは、角型のパッドが小刻みに振動(偏心運動)することで、滑らかな研磨ができるタイプです。パッドは四角い形状で、木材の平面研磨や下地調整に適しており、特に木工の仕上げ作業でよく使用されます。
パワーは控えめですが、削りすぎの心配が少なく、初心者でも扱いやすいのが特長です。
手にフィットするサイズ感で作業性も高く、市販のサンドペーパーを使えるモデルも多いため、コスト面でも優秀な1台といえるでしょう。

 

重さ100kg超!?ドラムマシンはまるで大型犬の散歩状態。

さぁスイッチオン!「ゴー」
そして削りだす「ジャァァアーー!バリバリバリ!」と地響きのような音が響く。
これがドラムマシンの咆哮だ。動かす感覚としては…そうだな、大型犬(しかもめっちゃ元気)をリードで散歩させてる感じ。
ちょっと気を抜くと横にガッと引っ張られて、よろけてしまう。
しっかりと踏ん張る。
でも、それでも床の表面が”0.3mm~1mm”と剥けていって、キレイな木肌が出てくる瞬間がたまらない。
「あぁ、俺は今、木と会話してる…」なんて思うと、腰の痛みも少しは和らぐ気がする(いや、実際は痛いけどね)。
でもそれくらい、“重いけど楽しい”のが、この研磨作業の魅力なんだ。

削り終えた床はまるで新築。木の香りがたまらん!

削り終えた床に立ってみる「これがさっきまでの、あの黒ずんだ床!?」ってなるくらいの変貌っぷり。
まさに劇的ビフォーアフター。
木の素肌が姿を現し、室内にはほのかな木の香り。
思わず深呼吸したくなる。
しかもこれが塗装前ってんだから、完成が楽しみで仕方がない。
なにより、子どもたちがこの床の上で安心して走れるって思うと、もうたまらんのよ。
あとは明日、仕上げの研磨と塗装をして“床の命”を吹き込むだけ。
削った床は、まさに第二の人生を歩き出す。”セカンドライフ”
そのスタートラインに立たせるのが、俺たちの仕事なんだ。

明日もまた、木と対話しながら研ぐ一日。さぁ準備万端!

さて、今日の作業はここまで。機材を片付けながら、すでに頭の中では“明日の段取り”がぐるぐる回っている。
塗装は乾燥時間との勝負だから、朝一番から動かないと間に合わない。
でも、その緊張感すらちょっと楽しい。
なぜなら、この作業をちゃんと終えたときの“達成感”が格別だから。
床は正直者だ。
手を抜けば仕上がりに出るし、手をかければちゃんと応えてくれる。
明日もまた、その床と“勝負”だ。
よし、風呂入ってメシ食って、道具にオイル差して、さっさと寝よう。
俺たちの現場は、まだまだ続く!

施工ビフォーアフター

Before|長年使われたフローリングの状態

  • 表面が黒ずんでいる。また、ワックスが剥がれ日焼けして濃くなっている。木の素地が所々見えている状態。

  • 踏むと「ギシッ」鳴る箇所が数箇所に。

After|削って磨いて塗装をした仕上がり

  • 削り終えたあとは、木目が美しく浮かび上がり、まるで新築のような表情に。

  • 手触りもさらさら。裸足でも安心して走り回れる仕上がり。

幼稚園など保育施設でのフローリング研磨施工ポイント

1. 安全第一の作業計画が必須

子どもたちが出入りする施設では、安全管理が最優先。
作業中に園児が誤って近づかないよう、立ち入り禁止エリアを明確に設け、ホコリや騒音対策にも万全を期す必要がある。

2. 無垢材だからこそ“削って再生”が活きる

幼稚園などでは、古くから無垢フローリングを使っているケースが多く、表面の傷みだけであれば張り替えずに蘇らせることが可能。
木のぬくもりを大切にしたい施設には、まさにピッタリのメンテナンス方法。

3. 塗装は“安全性・耐久性・防滑性”のバランス重視

幼児施設では、安全性の高い自然塗料や水性ウレタンが選ばれることが多く、滑りにくく、かつお手入れしやすい塗装が理想。

4. 工期は限られたタイミングで集中対応

春・夏・冬の長期休みに合わせて、限られた数日で作業を終える必要があるため、段取りと連携が命。
だからこそ、経験豊富な施工チームが力を発揮。

「またこの床で遊べるね」と言ってもらえる仕事を

親の世代が削った床を、今の自分たちがまた削り直し、その上でまた未来の子どもたちが元気に走り回る。
少なくはなりましたが、そんな施設もありました。
自分たちは、古い床でも新しくなった時に”ふっ”と昔の記憶が蘇る!
研磨はそんな時間をつなぐ存在だと、思う時があります。
実際に、地域の公民館を削った時、「あー新築の時を思い出したよ」なんて言ってもらえた事があります。
この仕事をしていて、何より嬉しい瞬間です。
「新しくする」ではなく、「大切に使い続ける」。
それを支えるのが、フローリング研磨という技術だと思うんです。
そんな研磨についてのご相談は私たちに!

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