「せっかく床を張り替えるなら、普通じゃないデザインにしたい」「金沢の町並みに合う、上品で温かみのある雰囲気をつくりたい」
そんな方に今、注目されているのがヘリンボーン張りです。
床材を魚の骨のようにV字型に組み合わせるこの手法は、クラシックでありながらもモダン。
見る角度や光の当たり方によって表情を変える、まるで“生きている床”です。
金沢市のように、伝統と現代が溶け合う街だからこそ、ヘリンボーン張りの魅力はより際立ちます。
古民家リノベーションにも、新築のデザイン住宅にも、しっくりと馴染みながら空間を引き立ててくれるのです。
この記事では、「ヘリンボーン張りとは何か」「どんな魅力があるのか」「金沢で取り入れるにはどこに相談すればいいのか」を、わかりやすく・熱量を込めて解説します。
ヘリンボーン張りとは?“ニシンの骨”のように美しい床模様
ヘリンボーン張りとは、長方形の床材をV字型に組み合わせて貼る寄木張りの一種です。
「Herringbone(ヘリンボーン)」という名前は、英語の“herring=ニシン”と“bone=骨”から来ています。
つまり、“ニシンの骨模様”のように見えることが由来です。
日本では「杉綾(すぎあや)模様」とも呼ばれ、着物や織物の柄にも取り入れられています。
そのため、和の感性とも自然に調和するデザインとして、金沢の町家や旅館にも好相性なのです。
もともとは中世ヨーロッパで生まれ、貴族の邸宅や宮殿の床に採用されてきた伝統的な張り方。
時を経ても色褪せない上品さと、職人の手仕事が生む繊細な模様が魅力です。
ヘリンボーン張りの特徴と魅力
1. V字の模様がつくり出す立体的な美しさ
短い板を直角に組み合わせて貼っていくことで、V字が連続した模様になります。
このパターンは光を複雑に反射し、床面にリズムを与えます。
朝日が差し込む時間帯は明るく軽やかに、夜の照明の下では陰影が強調され、しっとりと落ち着いた雰囲気に変化。
時間帯によって違う表情を見せる床こそ、ヘリンボーンの魅力です。
2. デザイン性と高級感を両立
一般的な平行張りのフローリングに比べ、ヘリンボーン張りは明らかに“デザインで魅せる床”です。
まるで美術館や高級ホテルのような仕上がりになり、空間全体に“上質さ”と“洗練”をプラスします。
また、無垢材を使用すれば木の質感が際立ち、シックな家具や金沢らしい和モダンなインテリアにも自然に馴染みます。
3. 空間のアクセントとしての存在感
床の模様を変えるだけで、部屋の印象は驚くほど変わります。
ヘリンボーン張りはその代表格で、空間の主役になれる床です。
金沢市では、古い町家をリノベーションしてカフェやギャラリーにするケースも増えていますが、その中で“床をデザインの軸にする”選択が人気です。
壁や天井をシンプルにまとめ、床にヘリンボーンを取り入れるだけで、まるでヨーロッパのアトリエのような雰囲気を演出できます。
4. 多様なスタイルに対応できる
ヘリンボーン張りは素材や色、張り方によって「レトロ」「ナチュラル」「モダン」「北欧風」など、幅広いテイストに変化します。
| 張り方 | 特徴 | 向いている空間 |
|---|---|---|
| ヘリンボーン | 基本形。規則的なV字が続くデザイン | 住宅・店舗・オフィス |
| フレンチヘリンボーン | 板の端を斜めにカットして接合。よりシャープ | モダン・ラグジュアリー |
| シェブロン張り | 板を45度にカットしてV字を連続 | クラシック・ホテルライク |
金沢の伝統家屋にも、新築モダン住宅にも合うのは、まさに“スタイルを選ばない万能性”ゆえ。
素材の表情や照明次第で、全く違う印象を生み出します。
歴史的背景と文化的な価値
ヘリンボーン張りのルーツは中世ヨーロッパ。
当初はローマ時代の石畳に使われ、その後、ヴェルサイユ宮殿や貴族の館で「優雅さの象徴」として広まりました。
木を組み合わせて模様を描く「寄木細工」の技術が、やがて建築の世界にも応用されたのです。
日本でも明治期以降、西洋建築の導入とともに普及し、現在では和の空間にも取り入れられるようになりました。
金沢市は、伝統と文化の街。
茶室や町家のように「美しい木目を活かす文化」が根づいているため、ヘリンボーン張りはその美意識と非常に相性が良いのです。
ヘリンボーン張りのメリットとデメリット
| 項目 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| デザイン性 | 高級感・存在感・独自性がある | 家具の配置に少し工夫が必要 |
| 空間演出 | 光と影の変化で奥行きを演出 | 強い模様で狭く感じる場合も |
| 施工 | 職人の技で美しく仕上がる | 通常の張り方より施工時間が長い |
| 費用 | 質感とデザインに見合う価値 | コストが高め(1.2〜1.5倍) |
なぜコストが高くなるのか?
それは、一枚一枚の角度を合わせながら丁寧に貼る必要があるためです。
職人の経験と精度が求められ、わずかなズレでも模様が崩れてしまいます。
しかし、完成したときの感動は格別。
「やっぱりやってよかった」と感じる人が多い理由もここにあります。
ヘリンボーン張りに向いている素材と仕上げ方
| 素材 | 特徴 | 向いているテイスト |
|---|---|---|
| オーク(ナラ) | 木目がはっきりして上品。耐久性も高い | 北欧・ナチュラル |
| ウォールナット | 深い色味と高級感。経年変化が美しい | モダン・クラシック |
| メープル | 明るく滑らか。空間を広く見せる | シンプル・子育て世代 |
| アッシュ | やや硬めで木目がくっきり | カフェ風・モダン |
| パイン | 柔らかく温もりがある | カントリー・ナチュラル |
仕上げには「オイル塗装」と「ウレタン塗装」があり、オイル仕上げは自然な艶と手触り、ウレタン仕上げはメンテナンス性の高さが特徴です。
金沢の湿度の高い気候を考慮すると、オイル仕上げ+定期メンテナンスが特におすすめです。
金沢市でヘリンボーン張りを取り入れるならどこ?
金沢市には、古民家再生・デザイン住宅・リノベーションなど、木を扱う技術に長けた工務店や設計事務所が多く存在します。
こうした地域密着の施工店は、湿度の高い北陸気候や、冬場の冷え込みを理解しており、床下断熱・調湿・無垢材の動きまで考えた施工が可能です。
また、ショールームやモデルハウスでヘリンボーン張りの床を体感できるところもあります。
実際に見ると、写真よりもずっと立体的で美しいことがわかるでしょう。
ヘリンボーン張りが金沢の暮らしに合う理由
金沢は、伝統とモダンが共存する街。
加賀友禅、九谷焼、金箔工芸、茶の湯──どれも“手間を惜しまない美しさ”が根底にあります。
ヘリンボーン張りも同じ。
一枚ずつ丁寧に組み合わせ、模様を整える手仕事です。
「作り手の心」が宿るデザインは、金沢の風土と調和します。
また、冬が長く室内で過ごす時間が多いこの地域では、床が心地よいことが暮らしの満足度を大きく左右します。
木の温もりとリズムある模様が、毎日の生活を豊かに彩ります。
ヘリンボーン張りで“物語のある床”をつくる
ヘリンボーン張りは、単なるデザインではなく、空間に“物語”を与える工法です。
金沢の街のように、古くて新しい、美しさと落ち着きを併せ持つ。
そんな空間づくりにぴったりの床です。
木の一枚一枚が織りなす模様は、あなたの暮らしの記憶とともに深みを増していくでしょう。
もし「自分の家にも取り入れたい」「どんなデザインが合うか相談したい」と思ったら、地元で実績のあるリフォーム・内装業者にぜひご相談ください。
丁寧な設計と確かな技術で、あなたの金沢の家に“世界に一つの床”を。



























