ある日、Kさまからのご相談。「フローリングのリフォームをしたいんだけど…冷蔵庫が大きすぎて出せないし、業者に頼むと時間も費用もかかるし…何とかなりませんか?」と切実なお声。
現場で拝見すると、そこに鎮座するのはまるで冷蔵庫界の横綱。
キッチンの隅で仁王立ち、微動だにしない巨体は、確かに一筋縄では動かせそうにない。
リフォームはやりたい、でもこの巨人が行く手を阻む…さて、職人の知恵の出番だ。
運べないなら、どうする?
もちろん弊社でも冷蔵庫や家具の移動は対応するが、問題はサイズと重量。
特にビルトインに近い形で設置されていたり、狭い通路を通さなければならない場合は、一人や二人の力では無理だ。
お客様の「これ、やっぱり出せませんよね…」という不安そうな表情に、「正直、障害になりますね」と率直にお伝えする。
だが同時に、“動かせないなら動かさずにやる方法”を探し始めるのが、私たちの仕事でもある。
プロにはプロの仲間がいる
そんな時に頼りになるのが、荷揚げ専門の職人たち。
弊社では、こうしたスペシャリストの確保や、物を動かさずに施工できるリフォーム方法の提案も行っている。
お客様が「え、そんな方法?また来ることになるけど大丈夫ですか?」と言われることもあるが、手間をおしまいな事で叶えられることもある。
住みながらでもリフォームはできる!
実は弊社のフローリングリフォームは、基本的に住みながら施工可能。
家具を少しずつ移動しながら進めるので、仮住まいの必要がない。
ただし、工事の内容や間取りによっては、一時的に他の部屋に避難する必要があったり、騒音やホコリが生活に入り込むことは避けられない。
Kさまにも説明したが、この“住みながら工事”は意外と人気だ。
生活を大きく変えずに工事できるメリットは大きい。
住みながら工事のメリット
住みながらの工事最大のメリットは、引越し不要で費用と手間を抑えられること。
さらに、現場で工事の進み具合をリアルタイムで見られるため、「この色味で進めて大丈夫?」とその場で確認や変更が可能。
生活のリズムを大きく崩さず、普段通りの生活を続けられるのも魅力だ。
Kさまのように仕事や家事が忙しい方にとって、これは大きな安心材料になる。
でも、やっぱりデメリットも…
もちろん良いことばかりではない。工事中は、どうしても騒音とホコリが発生する。
生活スペースが制限され、一部の部屋が使えなくなる日もある。
さらに、住みながらの工事は作業スピードが落ちるため、予定より長引くこともある。
その分、工期延長による費用増の可能性もゼロではない。ここを事前に理解してもらうのが、トラブル防止の第一歩だ。
住みながらリフォーム成功の5つの秘訣
① 信頼できる業者選び:経験豊富で、柔軟に対応してくれるところを。
② 事前相談:工事内容・期間・費用をしっかり確認し、不安を解消。
③ 生活スペース確保:家具移動や一時的な荷物置き場を準備。
④ 騒音・ホコリ対策:養生シートや空気清浄機の活用。
⑤ 近隣への配慮:事前挨拶で理解を得る。
この5つを押さえれば、住みながらでもストレスを最小限にできる。
冷蔵庫を動かさずに貼る作戦
話が少し脱線したが、Kさまの本題はやはり冷蔵庫だ。
結論から言えば、張り方向を工夫することで冷蔵庫を動かさずに施工することが可能。
そうすれば、見栄えが悪くならないよう納めることができる。
次回冷蔵庫を買い替えるタイミングで残りを貼れるよう準備しておく。
これは“先を読んだ布石”のようなもので、お客様に「よかった」と言われる瞬間は、職人冥利に尽きる。
お客様の“やりたい”を叶える知恵
結局のところ、リフォームはお客様の「こうしたい」をどう叶えるかの勝負。
時間・予算・条件…いくつもの制約の中で、最適解を導き出すために、私たちは解決策を考えている。
Kさまの笑顔を見て、「今日もまた一つ、お客様のやりたいを叶えられたかな」と心の中でガッツポーズをした。