新築やリフォームで床材選びに悩むとき、「どのメーカーが自分のニーズに合うのだろう」「実際に使ってみて後悔しないだろうか」と考える方は少なくないはずです。
そーだよなぁと頷きたくなるその不安は、市場に多くのブランドがひしめいているからこそ生まれます。
各社が得意とする素材や機能、デザイン、価格帯はさまざまで、知らずに選んでしまうと「想像と違った」「手入れが大変だった」といった声も耳にします。
本記事では、用途や重視したいポイント別に国内の主要床材メーカーを比較し、どのブランドを選べば失敗しにくいかをわかりやすく解説します。
床材選びで押さえておきたいポイント
床材メーカーを比較検討する前に、自分が本当に何を重視したいのかを整理することが肝心です。
まずは床材の素材(無垢材、複合フローリング、クッションフロアなど)を理解し、それぞれのメリット・デメリットを把握しましょう。
次に求める機能性、たとえば防音性や耐水性、耐傷性といった性能を明確にします。
デザイン面では木目や色合い、空間全体のコーディネートとの相性をイメージし、カタログだけでなくショールームで実物を確かめることも忘れずに。
さらに、材料費や施工費、将来的なメンテナンス費用を含むトータルコストをイメージし、最終的に予算とのバランスを取ることで、満足度の高い床材選びが可能になります。
無垢材の温かみを重視する場合のおすすめメーカー
天然木そのもののぬくもりや経年変化を楽しみたいなら、無垢材を得意とするメーカーが向いています。
まずWOODONEは、自社製材工場による一貫生産で、オークやメープルといった銘木を使った無垢材フローリングを豊富に取り揃えています。
厚みがある天然木は足裏への柔らかな感触と湿度調整効果をもたらし、冬場でもひんやりしにくいのが魅力です。
同じくikuta(イクタ)も長い歴史を誇る老舗で、厳選した国産材の無垢フローリングを展開。
無垢ならではの収縮や反りを抑えるための含水率管理や、自然な節や木目を活かしたデザインが支持されています。
無垢材は定期的なオイルメンテナンスが必要ですが、数年ごとに塗り直すことで新品のような質感に蘇る点も無垢ならではの楽しみ方です。
高機能・デザイン性を求める場合のおすすめメーカー
耐傷性や防水性、抗菌・抗ウイルスなど機能性と、洗練されたデザイン性を両立したいなら、Panasonic(パナソニック)や永大産業(EIDAI)が候補に挙がります。
パナソニックのベリティスシリーズは、精密な化粧シートとUV硬化塗装で傷に強く、最新のセルフロック工法により施工性も抜群。
豊富なカラーバリエーションと木目パターンは、モダンから北欧テイストまで幅広い空間にマッチします。
永大産業のコンカーボシリーズは複合フローリングを中心に、高耐久シートを採用しながらも木質感を大切にしたデザインを追求。
床暖房対応や薄型モデルまでラインナップが充実し、機能性を放棄せずにインテリア性を高めたい方に適しています。
コストパフォーマンスを重視する場合のおすすめメーカー
予算を抑えつつも品質をある程度担保したい場合は、LIXIL(リクシル)や東洋テックスがおすすめです。
LIXILのラシッサシリーズは、DIY向けのクリック式フローリングから床暖房対応モデルまで幅広く揃い、抗菌・抗ウイルス機能や低ホルムアルデヒド仕様など安全性にも配慮しています。
価格帯は10~15万円程度(6畳材料費の目安)で、ショールームや通販で手軽にサンプルを取り寄せられるのもメリットです。
東洋テックスは、合板基材に化粧シートを貼った複合フローリングを中心に、流通量が多いためモデルチェンジ品やアウトレット品を狙うことでさらにコストダウンが可能です。
防音性を重視する場合のおすすめメーカー
集合住宅や子ども部屋、テレワークスペースなど音の問題が気になる場合、DAIKEN(大建工業)やNODA(ノダ)の製品が頼りになります。
大建工業は国内シェアNo.1を誇り、WPC加工による高い耐傷性と、遮音等級LL-45相当の防音性能を両立させたトリニティシリーズが代表的です。
無垢や挽き板フローリングよりも寸法安定性が高く、防音下地との相性も良いため、マンションの上階からの足音を抑えたいケースに適しています。
ノダのカナエルリフォームフロアも薄型設計で重ね貼りが可能なうえ、防音性能を備えたモデルがあり、既存下地を活かしたリフォーム工事と防音対策を同時に叶えられます。
銘木突板の高級感を求める場合のおすすめメーカー
無垢材よりも手軽に銘木の風合いを楽しみたいなら、WOODTEC(ウッドテック)の突板フローリングが候補です。
銘木を挽き板ではなく突板に用いることで、0.6~0.9ミリの薄い天然木を貼り合わせ、厚板と見紛う高級感を演出。
表面塗装には高耐久UVコートを採用し、日常の傷や汚れから銘木の美しさを守ります。
突板は挽き板より薄いため再研磨回数は限られますが、天然木特有の木目や節の表情を活かした製品ラインナップが充実しており、ホテルやショールーム、上質な住まいを目指す方から支持されています。
主要床材メーカー比較表
メーカー | 得意分野 | 代表シリーズ・製品例 | 6畳材料費目安 |
---|---|---|---|
WOODONE | 無垢材の温かみ | ピノアースシリーズ | 約18~24万円 |
ikuta | 無垢材の質感 | 無垢フロア プレミアム | 約16~22万円 |
Panasonic | 高機能・デザイン性 | ベリティスシリーズ | 約12~18万円 |
永大産業(EIDAI) | 高機能・デザイン性 | コンカーボシリーズ | 約13~17万円 |
LIXIL | コストパフォーマンス | ラシッサシリーズ | 約10~15万円 |
東洋テックス | コストパフォーマンス | クラフトフロア | 約9~14万円 |
DAIKEN | 防音性・耐傷性 | トリニティシリーズ | 約13~17万円 |
NODA | 防音性 | カナエルリフォームフロア | 約9~13万円 |
WOODTEC | 銘木突板の高級感 | ライブナチュラルプレミアム(突板モデル) | 約15~20万円 |
施工性とショールーム活用のポイント
自分でDIY施工を検討する場合は、クリック式ジョイントや薄型モデルを選ぶと手間が省けます。
ただし含水率管理や下地補強が不十分だと反りや隙間の原因になるため、説明書や施工マニュアルをよく確認してください。
業者に依頼するなら、見積もり段階で挙げたメーカー・製品名を伝え、下地処理や養生方法についても打ち合わせを重ねることで、仕上がりの品質を保てます。
またショールームでは、実際に足を乗せて木目や塗装の肌触り、色味の微妙な違いを確認し、昼夜や自然光・照明下での見え方を比較しましょう。
寸法や部屋の写真を持参すると、スタッフから的確なアドバイスが受けられます。
ニーズに合ったメーカー選びで失敗を防ぐ
床材メーカーを比較するときには、まず自分が重視したいポイントを明確にすることが最重要です。
無垢材ならではの温かみを追求するならWOODONEやikuta、高機能とデザイン性を両立させたいならPanasonicや永大産業。
コストを抑えつつも品質を保ちたいならLIXILや東洋テックス、防音性重視ならDAIKENやNODA、銘木突板で高級感を演出したいならWOODTECというように、用途やライフスタイル別に最適なメーカーが見えてきます。
表で比較した価格帯と強みを参考にしつつ、必ずショールームで実物を確かめ、サンプルで色や質感を比較してから最終判断してください。
自分に合った床材を選ぶことで、住まいの快適さと満足感は格段に向上します。