素材でこんなに違う!16畳フローリング張り替え費用の相場と選び方

   

「リビングとつながったダイニングまでまとめて張り替えたいんだけど、16畳っていくらかかるの?」
「ネットで調べても“1㎡○円”ばかりで、総額がピンとこないんだよね…」
「業者さんに聞く前にザックリ相場を知って、ムダな見積もりは避けたい!」こんな悩みはありませんか?
本記事では専門用語をなるべく使わずに、16畳(約26.4㎡)のフローリング張り替え費用を“パッと見でわかる”よう解説します。
工法別・材質別の具体的な金額
追加工事やゴミ処分など“うっかり見落としがち”な費用
プロがこっそり教える費用ダウンのコツ5選
読み終わるころには、自宅の床が生まれ変わるイメージがくっきり描けるはずです。

目次

16畳はどれくらいの広さ?金額シミュレーションの前提をそろえよう

「畳数」と「㎡(平米)」の早見換算

16畳は一般的なリビング+ダイニングの広さ。1畳を約1.65㎡で計算すると、

16畳 × 1.65㎡ ≒ 26.4㎡

見積書には㎡単価が記載されることが多いので、まずはこの数字を覚えておきましょう。

工法別の費用相場「重ね張り・張り替え・畳からフローリング」

相場比較表(材料+施工費の税込めやす)

工法 内容 16畳の総額目安 特徴・注意点
重ね張り 既存床の上に新しい床材を直貼り 16万~40万円(@7,800~10,700円/㎡) ゴミが少なく工期が短い/段差・ドア調整が必要
張り替え 旧フローリング撤去し新設 45万~75万円(@15,400~32,000円/㎡) 見た目&床鳴りを一新/廃材処分費が発生
畳からフローリング 畳撤去+下地調整+新設 50万~85万円 下地合板の追加で断熱UP/畳処分費が高め

重ね張り工法について

重ね張り工法(上張り)は、既存の床材を撤去せず、そのまま上から新しい床材を張るリフォーム方法です。
工事の手間が少ないため、費用は16万~40万円円程度(1㎡あたり7,800~10,700円)とリーズナブルで、工期も短く済むのが魅力です。
床暖房対応など、材料によって価格がかなり変わってきます。
解体作業が不要なためゴミもほとんど出ず、音や振動も控えめでマンションにもおすすめです。
ただし、床の高さが上がるため、ドアの下端を削る調整や段差の解消などが必要になる場合があります。

張り替え工法について

張り替え工法は、既存のフローリングをすべて撤去して新しい床材を張る、本格的なリフォーム方法です。費用は30万〜45万円程度(1㎡あたり15,400~32,000円)とやや高めですが、下地の点検や補強もできるため、床鳴りや沈みなどの構造的な不具合までしっかり解消できます。こちらも、無垢材を使うか合板を使うかで全く価格が変わってきます。
仕上がりの美しさも際立ち、床の高さも変わらないため、建具の調整が不要なことが多いです。
費用は高くなりますが、長く住み続ける予定がある場合には特におすすめの方法です。

畳からフローリングに

畳からフローリングへの張り替えは、和室を洋室に変えたい方に多く選ばれる工法です。
費用は50万〜85万円程度で、畳を撤去し、下地を整えた上でフローリングを張ります。
下地合板を追加することで断熱性が高まり、冬でも足元が冷たくなりにくい快適な空間になります。
注意点としては、畳の処分費用が割高であること、また段差を解消するために根太(床を支える木材)の補強が必要になるケースがあることです。小さなお子さまやペットのいるご家庭では、お掃除のしやすさや安全性の面からも支持されています。

ポイント
重ね張りは手軽ですが、「ドアがこすれる」「敷居と段差が生じる」など調整工賃が追加されるケースも。必ず“総額”で比べましょう。

材質別の費用相場

フローリング3タイプをやさしく比較

材質 16畳の材料+施工費 向いている人 メリット デメリット
複合フローリング 40万~60万円 コスパ重視 キズ・汚れに強い/色柄豊富 自然木の温もりは控えめ
クッションフロア(CF) 18万~25万円 水回り・ペット家庭 柔らかく滑りにくい/掃除が楽 高級感は低い/ヘコみ跡が残りやすい
天然木フローリング 50万~75万円 本物志向 経年美化/調湿性◎ 価格高・水に弱い/定期オイルが必要

複合フローリング

複合フローリング(40万~60万円)は、コストパフォーマンスを重視したい方に人気の床材です。
表面に硬質な化粧材を使用しているため、キズや汚れに強く、色柄のバリエーションも豊富でインテリアに合わせやすいのが魅力です。
掃除やお手入れもラクで、賃貸から分譲マンションまで幅広く使われています。
ただし、天然木のような温もりや質感はやや控えめで、足元の冷たさを感じることもあります。

クッションフロア

クッションフロア(18万~25万円)は、水回りの床やペットのいるご家庭に特におすすめの床材です。
表面は柔らかく滑りにくいため、転倒リスクを減らし、安全性が高いのが特長です。
水や汚れにも強く、日々の掃除がとても簡単に済みます。
一方で、素材が柔らかいため重い家具を置いた部分にはヘコみ跡が残りやすく、見た目もややチープに感じられる場合があります。

無垢フローリング

天然木フローリング(50万~75万円)は、本物の木の風合いや質感を大切にしたいという方に最適な選択肢です。
無垢材ならではの経年変化による美しさや、自然素材ならではの調湿性によって、一年を通して快適な住環境を保ちやすいのが魅力です。
ただし、価格はやや高めで、水分にも弱いため、キッチンや洗面所での使用は注意が必要です。
定期的なオイル塗装など、メンテナンスの手間も考慮しておきましょう。

豆知識
天然木でも「挽き板(厚さ2~3㎜)」を表層に貼った高級複合なら、無垢の質感と安定性を両取りできます。

“意外と効く”その他コスト要因

形がいびつ?L字・柱型が多いと手間賃UP

L字・出窓下・キッチンカウンターなど、カット数が増える=職人の手間が増えるため、1~2万円上乗せになることも。
図面と写真を添えて見積もりを依頼すると誤差が激減します。

撤去・搬入・処分「作業費」の内訳をチェック

撤去費

古い床材や畳を剥がすための作業費
張り替え工法を採用する場合、まず必要になるのが既存の床を撤去する工程です。
フローリング材や畳を丁寧に剥がして下地を露出させるため、1㎡あたりおよそ800円〜1,500円が相場です。
たとえば6畳間(約10㎡)なら8,000円〜15,000円が目安となります。
床材が接着施工されている場合や、劣化による破損で作業が難しい場合には、さらに費用が上がる可能性があります。

搬入費

床材や資材を現場に運び込む費用
特にマンションなどの集合住宅では、エレベーターの大きさや共用部の制約が搬入作業に影響します。
エレベーターに資材が入らない場合、職人が階段を使って手運びする必要があり、その際には5,000円〜10,000円程度の追加料金が発生します。また、長尺物や重量のある建材を使う場合は、搬入スタッフを増やすこともあるため、事前確認が重要です。

処分費

撤去した床材や梱包材の廃棄処理費
作業で出た古い床材や梱包ゴミなどは、一般的に産業廃棄物として処分されます。
この「処分費」には、収集・運搬・処分の費用が含まれ、全体で15,000円〜25,000円程度が目安です。
畳のようなかさばる廃材や、劣化して粉状になった床材がある場合は、容量や重量によって処分費が高くなるケースもあります。

下地補修・防音シートなど追加工事

合板の張り増し:床鳴りやたわみを防ぐための下地補強工事
床の張り替えや重ね張りを行う際、下地の合板が弱っていたり、きしみ音(床鳴り)がする場合には「合板の増し張り」が必要になります。
1㎡あたり2,000円前後が相場で、たとえば10㎡の部屋なら約20,000円程度が目安です。
フローリングの表面が美しく仕上がっても、下地が不安定だと施工不良や早期の劣化につながるため、長く快適に使いたい場合には見逃せない工程です。

マンションの管理規約に対応するための静音対策

集合住宅では「LL-45」や「LL-40」など、遮音等級の基準を満たすことが求められるケースがあります。
そのため、フローリングの下に防音シートを敷く追加工事が必要になる場合があります。
一般的に、1㎡あたり3,500円前後が目安です。たとえば20㎡のリビングなら約70,000円程度の追加コストになります。
歩行音や物の落下音を和らげ、ご近所トラブルを防ぐためにも、防音対策はしっかりと検討しましょう。

床暖房パネルの設置

冬場に素足で過ごしたい方や、ヒーターに頼らず快適に過ごしたい方には、床暖房の導入もおすすめです。
部分設置でも1畳あたり60,000円~が目安となり、例えば6畳のスペースであれば400,000円~の追加費用が発生します。
電気式・温水式などの方式によって価格差があるため、施工前にしっかりと仕様とコストを確認しておくことが大切です。

費用を抑えるコツ5選“賢い選択”

重ね張りで“時短&費用ダウン”を狙う

現在の床に大きな傷みがなく、表面がフラットな状態であれば「重ね張り」工法が非常に効果的です。
この方法なら、既存の床を剥がす手間と廃材の処分費が不要になるため、工期も短縮でき、工事中のほこりや騒音も抑えられます。
張替えより費用が2~3割安くなることもあり、特に居住中リフォームには最適です。

複合フローリングは質感重視の表面材を選ぶ

床材を選ぶとき、無垢材にこだわりすぎるとコストが跳ね上がってしまうこともあります。
そこでおすすめなのが、複合フローリングにエンボス加工などのリアルな質感を持ったシートを組み合わせたタイプ。
実際に触れても木の風合いがしっかり感じられ、デザイン性とコストのバランスが良好です。
素材の“名前”よりも、“質感と見た目”で選ぶのが失敗しにくいポイントです。

平日工事&一括搬入で“人件費の割増”を防ぐ

土日祝や夜間の施工は、職人の確保が難しいため料金が1〜2割ほど高くなることも。
一方で、平日の日中に工事日を設定できれば、通常料金内でスムーズに進みます。
さらに、建材や資材を一括で搬入することで運搬コストや時間も短縮。日程に融通が利く方には、積極的に取り入れてほしい方法です。

3社以上から“総額見積もり”を取得して比較

費用を抑えたいなら、見積もりは1社ではなく最低でも3社以上から取りましょう。
その際、材料費・施工費・諸経費が個別に記載された明細形式の見積書を依頼することで、単価の違いやサービス内容が比較しやすくなります。
たとえ金額が近くても、保証の有無やアフターサービスが含まれているかで“お得さ”が大きく変わるため、価格と中身の両方をチェックする姿勢が大切です。

DIYは“養生”や“巾木の塗装”だけでも効果あり

全面的な床張り替えをDIYで行うのは難易度が高く危険も伴いますが、周辺作業だけでも自分で行うことでコストカットが可能です。
例えば、家具の移動や養生作業、巾木の塗装や補修などはDIYで対応できる範囲。
これだけでも職人の作業時間が減り、その分人件費を抑えられます。
特に予算に限りがある場合は、部分的DIYの併用がとても有効な手段です。

見積もりチェックリスト“追加請求”を防ぐ7項目

以下に「見積もりチェックリスト ――“あとから追加請求”を防ぐ7項目」を、番号順に文章ベースで具体的に解説いたします。
床リフォーム工事を検討する際、こうした項目を事前に確認しておくことで、予想外の出費やトラブルを防ぐことができます。

1.㎡数と畳数が一致しているか確認する

見積書の最初に確認すべきは、施工面積(㎡)の数値が実際の畳数と整合しているかどうかです。
例えば「6畳」と言っても部屋の形状や押し入れ、出入口の関係で実際には7〜8㎡を超える場合もあります。
計算根拠が曖昧な場合は、内訳を業者に確認しましょう。

2.工法(重ね張りか張り替えか)が明記されているか

重ね張り工法と張り替え工法では、工事内容も費用も大きく異なります。
どちらの工法が採用されているのか、見積書に具体的な記載があるかを確認してください。
とくに「張り替え」の場合は、撤去費や下地補修が含まれているかもセットでチェックが必要です。

3.材質のグレード名や品番が記載されているか

使用するフローリング材について、単に“複合フローリング”とだけ書かれている場合は要注意です。
製品名・メーカー・グレード・色番号などが明記されていれば、事前にカタログで質感や性能を確認でき、トラブルの防止にもなります。
不明な場合は「どの製品を使うのか」を必ず確認しましょう。

4.下地補修の有無とその単価が示されているか

古いフローリングの下には、たいてい何らかの段差やゆるみ、湿気による劣化などがある場合があります。
そのため、下地補修の項目があるかどうか、あれば1㎡あたりの単価がいくらかを確認しましょう。
「現場を見ないと分からない」と言われた場合は、別途費用になる可能性があることを理解しておくことが大切です。

5.産業廃棄物の処分費が見積もりに含まれているか

張り替え工法を選ぶ場合、古い床材の撤去によって廃材が大量に発生します。
その廃材を処分する費用(産廃処分費)が見積書に含まれていないと、工事後に別途請求されるリスクがあります。
項目として「処分費」や「廃材処理費」が明記されているか、しっかり確認しましょう。

6.養生費・清掃費が別途扱いになっていないか

施工中に室内を汚さないための養生シートの敷設や、工事後の清掃作業が「別途費用」となっているケースもあります。
見積もり金額が安いと思ったら“養生費・清掃費が後で加算される”こともあるため注意が必要です。
できるだけ「一式に含まれているか」を明確にしてもらいましょう。

7.支払いのタイミング(着手金や完工後の支払い)が記載されているか

最後に、支払い条件についても要確認です。
「着手金として半金を先払い」「完工後1週間以内に残金振込」など、支払いのタイミングと金額がきちんと書かれているかが重要です。
トラブルを避けるためにも、口頭だけでなく文書化された明細を残すことをおすすめします。

ワンポイント
契約前に“追加費用が発生するとしたら何が原因?最大いくら?”と必ず確認しましょう。

費用シミュレーション事例|わが家はどのタイプ?

ケース1.築15年戸建て/重ね張りの複合フロア

  • 条件:傷少なめ・段差調整なし
  • 総額:15.9万円(税・諸経費込)
  • 内訳:材料7.9万+施工6.6万+諸経費1.4万

ケース2.築25年マンション/張り替えで防音シートをプラス

  • 条件:床鳴り・規約LL-45
  • 総額:41.2万円
  • 内訳:撤去5.3万+材料14.8万+施工15.6万+防音4.2万+廃材1.3万

ケース3.和室2間を洋室へ/畳を撤去し天然木に

  • 条件:下地合板2重貼り
  • 総額:52.7万円
  • 内訳:畳処分6.4万+材料27.5万+施工14.1万+下地補修4.7万

16畳リフォーム成功のカギ

16畳のフローリング張り替え費用は、18万~75万円と幅があります。
◆工法を選ぶことで廃材・工期・段差が変わり
◆材質を選ぶことで見た目・メンテ・耐久が変わり
◆追加工事を把握することで“想定外の出費”を防げます。

最後に…
見積もりは遠慮せずに“総額”と“含まれる作業”を必ず確認。分からない言葉は「具体的に教えてください」でOK。3社比較すれば適正価格の相場観が身につき、ムダな出費をしっかりガードできます。

あなたの16畳空間が、足ざわりも見映えもアップして“毎朝歩くのが楽しみ”になるリフォームを、ぜひ叶えてください!

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