OAフロア工事費用の相場と費用を左右する6つのポイント

「オフィスを新設したいけどOAフロア工事っていくらかかるの?」
見積書には「坪単価○万円」だけが並び、実際に自社オフィスの面積を当てはめると、どこに何円かかっているのか分からず頭を抱える方も少なくありません。
「配線まで含めると追加費用ばかり増える…」「居抜きオフィスとスケルトン工事ではどれくらい差があるの?」といった悩みも多いようです。本記事では、OAフロア工事の費用相場を詳しく解説するとともに、費用を左右するポイントやコストを抑えるコツまでをご紹介します!

OAフロア(フリーアクセスフロア)とは?基本の仕組みとメリット

OAフロアは「フリーアクセスフロア」「二重床」とも呼ばれ、床を二重構造にして床下に配線スペースを確保する工法です。
電話線・LANケーブル・電源などを床下に収納し、露出する配線をゼロにできるため、見た目がすっきりし、将来の配線追加やレイアウト変更も容易になります。

フリーアクセスフロアの構造概要

床スラブ(コンクリート):建物の基本構造
支持脚(スタンド):高さ調整可能な金属製支柱で、上部にパネルを載せる
床パネル:合板やパーティクルボード、樹脂パネルなど。パネル同士の目地にケーブルを通す
仕上げ材:カーペットタイルやフローリング、タイルカーペットなどをパネル上に貼り付け

補足:支持脚の高さは30mm~200mm程度で設定可能。配線量に応じて選ぶことで、床下空間を最適化できます。

OAフロア導入のメリット

配線の美観:床下にまとめることで、壁面や天井に露出しないクリーンなオフィス空間に
メンテナンス性:床パネルを外すだけで配線アクセスが可能。配線追加・交換工事が簡便に
レイアウト変更の柔軟性:デスクや会議室レイアウトを変える際も、配線を自在に引き回せる
遮音・防振効果:支持脚に防振ゴムを入れたり、パネル材質を工夫することで、足音や機械振動を低減

OAフロア工事費用の相場

OAフロア工事費用は、坪単価2万円~5万円程度 が目安です。
ただし、工事面積やOAフロアの種類、下地処理、配線工事の有無などによって大きく変動します。

基本工事費用の内訳

OAフロア本体工事:坪単価2万~5万円
支柱タイプや置敷タイプ、パネル材質などで差が出る
配線工事費用:必要配線数・部材数に応じて変動
LAN配線、電源コンセント増設、電話線配線などを含む
既存床撤去・廃棄費用:居抜きオフィスの場合、既存OAフロアや床材を撤去・廃棄する費用

配線工事費用の目安

LAN配線:1本あたり3,000~6,000円
電源コンセント増設:1箇所あたり5,000~10,000円
通線工事:1mあたり500~1,000円

補足:配線経路の長さや途中でのボックス追加、天井貫通工事が加わるとコストはさらに上がります。

OAフロアの工法別単価比較表

工法1㎡あたり費用目安特徴
置敷タイプ約5,000円ボルト固定不要で施工が簡便。撤去も楽。
支柱タイプ約8,000円耐荷重・遮音性に優れ、支持脚調整で水平出しが容易。

補足:支柱タイプは支持脚の素材や防振ゴムの有無で+1,000~2,000円/㎡程度の追加が発生する場合があります。

OAフロア工事費用を左右する6大要因

以下の6つのポイントが工事費用を大きく変動させる要因となります。

物件の種類(居抜き vs スケルトン)

居抜き:既存OAフロアや床材の撤去・廃棄費が発生。配線移設も必要な場合あり
スケルトン:下地露出状態のため撤去作業が不要。その分コストダウンが見込める

OAフロアパネルの種類

合板パネル:コスト重視なら合板製。防湿処理が必要になる場合あり
樹脂パネル:耐水性・耐薬品性に優れ、クリーンルームや実験室での採用例多し
アルミ複合パネル:高耐荷重・高耐久、OAリフトによる頻繁な脱着に向く

仕上げ床材の選択

カーペットタイル:施工費は低めだが、ランニングコストでタイル交換分が発生
フローリング:高級感があるが、貼り合わせと床暖対応で+1,000~2,000円/㎡
ビニル床:耐水性を要する給湯室や厨房で多用。㎡単価+500円程度

スロープや段差解消の要否

スロープ:搬入用の段差解消スロープ設置で+5万~15万円
見切り材:高さ調整型巾木や見切り用造作材が+500~1,000円/m

オフィスの広さと施工面積

小規模(~10坪):㎡単価はやや高めになりがち。搬入経路確保も課題
中・大規模(10~50坪以上):一括施工効果で㎡単価ダウン交渉が可能

下地処理の有無

平滑下地:そのままOAフロアを設置可能
下地補修必要:クラック補修・パテ埋め・レベリング工事で+1,000~3,000円/㎡

コストを抑える3つの実践テクニック

施工面積をまとめて依頼

複数フロアや隣接する部屋を一括で施工すると、搬入・養生・施工管理コストを削減できます。

パネル材質と仕上げ材の組み合わせ最適化

合板パネル+カーペットタイルはコスト重視、樹脂パネル+ビニル床は水回り重視など、使用箇所ごとに素材を振り分けると無駄がありません。

居抜き物件の活用

既存OAフロアや配線ラックを再利用することで、撤去・廃棄費を大幅にカット。
オフィス移転・拡張時のコストダウン策として有効です。

OAフロア施工の流れと工期目安

現地調査とお見積もり

現地で下地状態や配線ルート、搬入経路を確認。
ヒアリングを通じて必要機能(防振・防塵・耐荷重など)を明確化した上で見積書を作成します。

養生・既存床撤去(居抜きのみ)

養生シートでオフィス家具を保護し、既存OAフロアや床材を撤去。
廃棄物を分別収集し、産廃処理場へ搬出します。

下地処理・レベリング

クラック補修やパテ埋め、モルタルレベリングで床を平滑化。
施工精度を上げるために重要な工程です。

支持脚設置・床パネル敷設

支柱タイプはピッチ300~600mmで支持脚を固定し、パネルを設置。
置敷タイプは支柱なしでパネルを並べるだけ。

配線・配線ボックス設置

床下に電話・LAN・電源を配線し、指定位置にコンセントボックスや配線ダクトを取り付けます。

仕上げ材施工と最終検査

カーペットタイルやフローリング、ビニル床などを仕上げ、段差・目地間隔をチェック。
最終クリーニングを行い、施主確認で完了となります。

工期目安:事前調査~完了まで約3~7営業日(施工面積20坪、居抜き・下地大規模補修なしの場合)。

まとめ:明確な内訳で安心のOAフロア工事を

OAフロア工事費用は「坪単価2万~5万円」が基本ですが、配線工事、下地処理、パネル工法、仕上げ材選定、スロープ設置など多くの要因で変動します。施工前には必ず詳細見積もりを取り、以下をチェックしてください。

◆工事面積と適用工法(置敷 vs 支柱)
◆パネル材質と仕上げ材の組合せ
◆配線本数・コンセント設置箇所の明細
◆下地補修の必要性と費用内訳
◆スケルトン/居抜きの撤去費用
これらを踏まえた上で、コストを抑えつつ快適なオフィス環境を実現するOAフロア工事を計画しましょう!

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