床の耐荷重とは?住宅や施設に求められる強度の基準をわかりやすく解説

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床の耐荷重は、建物の使用目的や構造によって大きく異なります。特に住宅やオフィス、店舗、倉庫などでは、それぞれに適した耐荷重を持つ床構造が求められます。本記事では、一般住宅における床の耐荷重基準を中心に、耐荷重の考え方や注意点、置床との関係について詳しく解説します。

一般住宅における床の耐荷重とは?

日本の建築基準法では、一般的な住宅における床の耐荷重は 1平方メートルあたり180kg(約1800N) と定められています。これは畳1枚程度のスペースに対して、大人3人が立てる程度の荷重です。

【イメージしやすい耐荷重の例】

  • 180kg/㎡(住宅):大人3人分の荷重に相当します。
  • 290kg/㎡(事務所・店舗):人の出入りが頻繁な場所に求められる強度です。
  • 540kg/㎡(車庫や通路):自動車の荷重に対応した設計です。
  • 倉庫:保管物の種類や積載量に応じて必要な耐荷重が設定されます。

耐荷重の計算と注意点

耐荷重の単位である “kg/㎡” は、床1平方メートルあたりどれだけの荷重に耐えられるかを示します。住宅の場合、180kg/㎡とは 1800N(ニュートン)≒183.6kg に相当し、目安としては 1㎡に3人立てる程度 と理解できます。

【ポイント】

  • 耐荷重を超えると、床がきしむ・沈む・抜けるなどの問題が発生します。
  • 家具や水槽、ピアノなどを設置する場合には、集中荷重(1点にかかる荷重)に注意が必要です。
  • 床全体の面積で荷重を分散させることで、強度の限界を超えないようにしましょう。

置床構造における耐荷重の目安

置床(おきゆか)構造とは、スラブの上に支持脚と床材(パーチやフローリング)を載せて二重構造にする床工法のことです。主にマンションや集合住宅で用いられています。

【置床の耐荷重の目安】

  • 面荷重:400kgf/m²程度まで耐えられる設計が多いです。
  • 集中荷重:400kgfの加重が一点に加わっても、沈み込みはありますが破損には至らない構造が一般的です。

【設計上の注意】

  • 支持脚のピッチ(間隔)が狭いほど強度が増します。
  • 特に重い家具やピアノなどを置く場合、設計段階で床補強の検討が必要です。
  • 転居前やリフォーム時には、必ず置床の耐荷重仕様を確認しましょう。

床の強度に関するよくある疑問

Q1. 古い住宅の床は180kg/㎡も耐えられる?

築年数の古い住宅では、劣化やシロアリ被害などにより床の耐荷重が低下している可能性があります。安全のためにも、床がきしむ・沈むなどの異常がある場合は点検をおすすめします。

Q2. 180kg/㎡を超えたらすぐに危険?

一時的に重量が加わる程度であれば大きな問題にはなりにくいですが、長期間荷重がかかり続けると構造材にダメージが蓄積します。特に 集中荷重 には注意が必要です。

Q3. 床の補強はできる?

可能です。構造によっては根太(ねだ)を追加したり、下地に合板を重ね張りすることで強度を高める補修工事が行えます。重量物を設置する前に、専門業者に相談しましょう。

まとめ:床の耐荷重を正しく理解して安全な暮らしを

床の耐荷重は、建物の安全性を守るうえで非常に重要なポイントです。住宅では180kg/㎡が基本となりますが、使用する家具や設備によってはその限界を超えることもあります。とくにマンションの置床構造では集中荷重や荷重分散のバランスが重要になるため、必要に応じて床の補強や耐荷重の再確認を行うことが大切です。

安全で快適な住まいを実現するためにも、耐荷重に関する知識をしっかり持っておきましょう。

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