【パーティクルボード施工の価格ガイド】単価内訳と変動要因を解説!高くなるケース・安くなるケース

   

リーズナブルな材料で床を仕上げたいと思ったとき、「パーティクルボードって本当に大丈夫?」と不安になりますよね。
施工見積を取ると「㎡あたりいくら?」という数字だけが並んでいて、実際に自分の現場に当てはめると合っているのか分からず、思わず頭を抱えてしまうものです。
高さや断熱材、床鳴り防止など細かい配慮が施工単価にどう影響するのかイメージできず、「予算オーバーにならないか」「長持ちする仕上がりになるか」が心配になる方も多いはず。
そこで本記事では、パーティクルボード床施工の単価相場から、施工時に押さえるべきポイント、代表的な工法までを詳しく解説します。

パーティクルボード床の魅力と注意点

パーティクルボードは、木質チップを圧縮成形した構造体で、価格が安くカットやビス止めがしやすいことから、住宅の二次下地や商業空間の仮設床などで重宝されます。
簡単な構造に見えるものの、一定の強度があります。
また、断熱材と組み合わせることで安定性と快適性を両立できます。
長期にわたり安定した床性能を維持できるのがパーティクルボードの魅力です。

必要な隙間の確保とその理由

パーティクルボードは水分を吸うと膨張し、乾燥すると収縮します。
この膨張・収縮を嫌って下地に固定すると、板同士が押し合って反りや割れの原因となります。
そのため、壁との間に5~15mm程度のクリアランスを設け、季節変動に対応できる「逃げ場」を確保します。
隙間が広すぎると見栄えが悪く、狭すぎると膨張時に床鳴りが発生するため、材料の厚さや室内環境を考慮して最適な間隔を設計することが重要です。

施工単価の基本と影響要因

パーティクルボードを用いた床施工の単価は、床高や施工面積、板厚、断熱材の有無、工法など多くの要因が絡み合って決まります。
床高が高くなるほど足元の部材や支持金物が長く強度が求められるため単価が上がり、断熱材を挟む場合は材料費と施工手間が増えるため価格に影響します。
また、面積が増えると材料の運搬や加工効率が上がり㎡単価が割安になる場合もあります。
これらを理解しておかないと、見積時に「安いと思ったら条件が違った」という失敗を招くため、自社や現場の条件と照らし合わせて判断することが大切です。

施工条件別 単価比較表

下表は代表的な施工条件ごとの単価目安です。あくまで参考値ですので、実際には地域差や作業環境で変動します。

施工条件 単価目安(税込/㎡) 備考
床高30cm程度、壁先行工法 4,800~5,300円程度/㎡ 足元の金物が短く施工しやすい標準条件
床高60cm程度、壁先行工法 6,300~6,800円程度/㎡ 高床化に伴い金物や支持部材のコスト増
板厚20mm+断熱材65mm、床高40~60mm対応 22,000円程度/㎡(税別) 高断熱仕様のため材料費と施工手間が大幅に増加

表を見れば一目瞭然ですが、標準的な床高10~20cmの条件と比較して、高床化や床厚と断熱材併用の仕様では、単価が数倍に跳ね上がるケースもあります。
特に断熱材を併用する場合は、材料搬入だけで人員が増えたり、施工工程に養生や加熱乾燥が必要になるため、十分な予算確保が必要です。

単価が変動する主な要因

床高:床高が高くなると、支持金物の長さや強度が必要となり、金物費用と施工手間が増加します。
面積:広い面積では材料の一括搬入や裁断効率が向上し、㎡単価は割安になる傾向があります。
板厚・断熱併用:厚手のパーティクルボードや断熱材挟み込みは材料費と施工時間を押し上げます。
現地環境:搬入経路の狭さや工期制限、気象条件による養生・乾燥管理状況で追加費用が発生する場合があります。

例)メーカごとの名称と説明|施工の特徴は多少違う

置床メーカーは様々ありますが、代表的な3つをご紹介します。

置床工法(万協フロア)

置床工法は、既存コンクリート床スラブの上に直接支持脚を置き、その上にパーティクルボードを敷設する手法です。
支持脚をスラブに固定せず自由に設置できるため、配管や電線のメンテナンススペースを確保しやすいのが特徴。
工期が短く、将来の改修や撤去が容易なため、商業施設やイベント会場など仮設利用にも向いています。
スラブロックというボンドで支持脚を固定します。

バリアレスフロア(桐井製作所)

乾式二重床工法は、住宅用根太工法をコンクリート住宅に応用した集合住宅向けの一般的な二重床構造です。
コンクリートスラブ上に金属製の脚(スタッド)を立ち上げ、パーティクルボードを張ります。
防振ゴムを組み込むこともでき、遮音性・防振性に優れるため、上下階の音トラブルを軽減したい集合住宅に最適な工法です。

フリーフロアEP工法(フクビ)

フリーフロアEP工法は、樹脂製のポリ塩化ビニル製支持脚を用いてパーティクルボードを支持し、床下に空間を持たせる乾式床システムです。EP(エンプラ)脚は耐薬品性や耐久性が高く、軽量ながら強度を確保できます。
防湿シートや断熱材を併用できるため、地下室や機械室、屋外仕様のウッドデッキ下地など幅広い用途に対応可能です。

最適な単価と工法の選び方

パーティクルボード床施工の単価は、床高や使用材料、断熱仕様など多くの要因によって大きく変動します。
最もコストを抑えたいなら標準的な置床工法、遮音性や防振性を重視するなら乾式二重床、耐久性や多目的利用にはフリーフロアEP工法がおすすめです。
施工前には必ず現地調査を実施し、条件を正確に把握した上で複数社に見積を依頼しましょう。
隙間確保や下地処理など、細かな配慮が仕上がり品質と長寿命化を左右します。
適切な工法と予算配分で、コストパフォーマンスに優れたパーティクルボード床を実現してください。

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