フローリング重ね張り材の厚み9mmはどんなシーンに向いている?メリット・デメリットとは?

   

足元の段差や冷え、施工の手間を気にしながらリフォームを検討していると、「どの厚みを選べば失敗しないのだろう」と悩むことが多いものです。
リフォーム後につまずいたり、フローリングのたわみが気になったりすると、せっかくの新しい床にも愛着が湧きにくくなってしまいますよね。
特に既存の床に重ね貼りを検討する場合、厚みを間違えるとドアや敷居との干渉が発生したり、バリアフリー性が損なわれたりするため不安が尽きません。
この記事では、フローリングの厚み「9mm」を使いたいシーンをプロ目線で解説、どんなメリット・デメリットがあるのかを具体的に解説します。
表を交えながら比較しつつ、あなたの暮らしやすさを最優先にした最適な厚み選びのポイントをお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。

 フローリングの厚みが暮らしにもたらす影響

フローリングの板厚は床の強度だけでなく、断熱性や遮音性、さらには施工後の段差やドア開閉のしやすさにも大きく影響します。
厚いほど荷重分散性や断熱性能は向上しますが、そのぶん重ね貼り時の段差が大きくなり、敷居や扉に干渉しやすくなるというデメリットが生じます。
逆に薄いフローリングは段差を小さく抑えつつ施工が簡単でコストも比較的低く抑えられる反面、薄さゆえのたわみやすさと遮音性・断熱性の低下といった課題があります。
ただし、床暖房が入っている場合には、9mmより1.5mmや3mmの方が熱の伝わり方が優れていると言えます。
こうした特性を踏まえ、既存の床材や下地の状態、ライフスタイルに合わせた厚みを選ぶことが、快適な住環境を実現する第一歩です。

 標準的な12mm・15mmと9mm厚の比較

国内で最も一般的に使われる12mmや15mm厚のフローリングは、新築マンションや一戸建ての全面張替えに適した標準仕様です。
どちらかというと新規に張る時に使う厚みです。
これらは施工性とコストのバランスに優れ、たわみや床鳴りを抑えつつ十分な断熱・遮音性能を確保します。
一方、リフォームで重ね貼りを行う際に選ばれる9mm厚は、段差を小さく抑えられる薄型設計が最大の特徴です。
ドアや敷居との干渉を防ぎながらも、板自体の剛性をある程度確保することで、重ね貼り特有のたわみ過ぎや歩行感の不安を軽減します。
床暖房対応の製品も登場しており、既存の温水式パネルと組み合わせても熱効率を損なわない仕様が増えています。

 フローリング厚み別比較表

下表は代表的な厚みごとの用途・特徴をまとめたものです。選ぶ際の目安としてご活用ください。

厚み(mm) 用途 特徴
6 重ね貼りリフォーム 段差最小化、軽量で施工が早いが強度は最低限
8 重ね貼りリフォーム 6mmより剛性向上、段差少なめ、やや遮音性能アップ
9 重ね貼りリフォーム/床暖房対応可 段差抑制と剛性のバランス重視、床暖房製品も選択肢に
12 新規張替え・床暖房対応 標準仕様、コストと性能のバランス良好
15 新規張替え 強度・断熱性高め、重い家具の載荷や大空間向け

 9mm厚のフローリングが適するリフォームシーン

既存のフローリングやクッションフロアを剥がさず、短期間でお部屋をリニューアルしたい場合9mm厚が最もバランスのよい選択肢になります。
段差を小さく抑えることで、バリアフリー性を維持しつつ施工時間は1~2日程度で完了しやすく、住みながらの工事でもストレスが少ないのが大きなメリットです。
ドアの調整や敷居のモール加工費用も抑えられるため、追加費用を最小限にしたいケースにもおすすめです。

 9mm厚を選ぶ際の注意点

薄型フローリングはたわみやすさや遮音性の低さというデメリットも抱えています。
とくに子どもや高齢者がいるご家庭では、強い荷重がかかる箇所に床補強を施さないと、歩行時の微かなたわみが不安材料になることがあります。
また、上下階への音漏れが気になる場合には、遮音マットや下地用の防音シートを併用する必要があるでしょう。
工事前の現地調査で下地の劣化状況や高さをしっかり測定し、必要に応じて下地補修や遮音対策を追加するプランを業者とすり合わせることが大切です。

 選び方のポイント:段差・強度・遮音性の比較

9mm厚選択時は段差を最小化できる一方で、下地補強や遮音対策の要否を見極めなければなりません。
ドアや敷居と床との隙間は数mm以内が理想とされ、この条件をクリアできるかの確認が第一。
さらに、重い家具を設置する場所や通行頻度の高い動線部分には、フローリング専用の補強パネルや遮音シートを併用することで、たわみや音漏れを防止できます。
施工前に「段差」「下地補修あり」「遮音マット併用」といった要件を業者と共有し、見積もりに明記してもらうことで、完成後のトラブルを回避できます。

結論

リフォーム用の9mm厚フローリングは、既存床との段差を最小化し、短工期でバリアフリー性を確保できる優れた選択肢です。
しかし薄型ゆえの強度不足や遮音性の課題を補うには、適切な下地補修や防音対策を組み合わせる必要があります。
段差、強度、遮音性の3点をバランスよくクリアするために、現地調査での下地状態の確認と要件共有が成功の鍵となります。
最適なプランを立てるには、床材メーカーや専門業者としっかり相談し、施工要件を明確にしたうえで進めることをおすすめします。
快適で安全な住まいづくりに、9mm厚素材を上手に活用してみてください。

 

 

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