無垢床の深い傷が!自分でできる直し方と失敗しないコツを解説

   

天然木の温もりが感じられる無垢フローリングは、足触りも良く、経年変化で美しさを増す魅力的な床材です。
しかし、家具の脚や落下物によって「えぐれたような傷」や「深いへこみ」ができてしまうと、せっかくの風合いが台無しになってしまうこともあります。
「これって自分で直せるの?」「どうやって補修すれば目立たなくなる?」そんな疑問を持つ方のために、この記事では、無垢床にできた深い傷を自分で補修する方法や注意点、必要な道具や選び方のポイントまで、わかりやすく解説します。

無垢フローリングが深く傷つく主な原因とは?

まずは「なぜ無垢床に深い傷がついてしまうのか」を理解しておくと、今後の予防にもつながります。
以下のようなシーンが、深いキズの原因になりやすいです。

  • 重い家具や家電の脚が一点に集中して沈み込んだ
  • 硬いもの(工具、陶器、子どものおもちゃなど)を落とした
  • ペットの爪や椅子のキャスターによる擦り傷
  • 踏み板として使った時の圧力や踏み抜き

無垢材は水分を吸収・放出しやすく、柔らかい樹種だと表面も傷つきやすいため、表面加工がされていないタイプでは特に注意が必要です。

深い傷の直し方①|水とアイロンで木の繊維を膨張させて修復

無垢材は天然木であるため、水分を含むことで膨張する性質を持っています。
この性質を利用して、木の繊維が潰れたへこみや傷を膨らませて戻す方法が、比較的手軽で効果的です。

手順とポイント:

  1. 傷部分に水をたらし、30分ほどしっかり浸透させる
  2. 濡らしたタオルを傷の上にかぶせ、スチーム機能付きのアイロンで5〜10秒ずつ押し当てる
  3. 熱と水分で木が膨らみ、へこみが徐々に元に戻る
  4. 完全に乾いたら、サンドペーパーで軽く表面を整える

この方法は、塗装が施されていない無垢フローリングに向いていますが、ウレタンなどの塗装仕上げがされている場合は、表面が白濁したり剥がれる可能性があるため注意が必要です。

深い傷の直し方②|サンドペーパーで削り、表面を整える方法

水分での膨張だけでは修復しきれない場合や、傷の深さが中程度で表面がざらついている場合には、サンドペーパーによる研磨補修が効果的です。

使用するサンドペーパーの目安:

傷の程度 推奨番手 備考
中程度の傷 #240~400 木目に沿って研磨する
仕上げ・最終調整 #600~1000 オイルやワックス前の整えに最適

補修手順:

  1. 傷の部分を木目に沿って慎重に研磨
  2. 粉を拭き取り、同系色のオイルや自然塗料で色調を整える
  3. 最後にワックスで保護し、全体の仕上がりをなじませる

塗料は、ルビオモノコート、セラリカナチュラルワックスなど無垢専用の製品が人気で、木の自然な色を引き立てながら補修跡をなじませることができます。

深い傷の直し方③|木工用パテやハードステックで穴埋めする方法

傷が木の中まで達しているような深いえぐれの場合、木を膨らませたり削ったりするだけでは補修ができません。
そんなときに役立つのが、木工用パテやハードステック(硬質補修材)を使った埋め込み式の補修です。

パテ・ハードステックの使い方:

  1. 傷部分のホコリ・ゴミを取り除く
  2. パテまたはハードステックを傷に少し盛るように充填(※少量ずつがポイント)
  3. 固まったら、サンドペーパーで平らに研磨
  4. 色合わせが必要な場合は、補修用着色剤やクレヨンで調整
  5. 最後にオイルやワックスで保護仕上げ

パテとハードステックの違い:

種類 特徴 向いている傷
木工用パテ 柔らかく乾燥しやすい/安価 小〜中程度のえぐれや欠け
ハードステック 熱で溶かして埋める固形ワックス 広めの割れ/色合わせが必要な場所

市販品でも簡単に購入できますが、色の選択肢が多い商品を選ぶことで補修跡が目立ちにくくなります

その他の補修手段と注意点|DIYとプロの使い分け

補修ペン・クレヨンの活用

目立たせたくない浅い線キズや補修箇所の色調整には、市販の補修ペンやクレヨンが便利です。
あくまで簡易的な方法ですが、最終仕上げの“化粧直し”として効果的です。

DIYで対応できないと感じたら、迷わず専門業者へ

「傷が深すぎて平らにならない」「広範囲にわたって傷んでいる」「どうやっても色が合わない」といった場合は、無理せず専門業者へ相談するのが得策です。プロであれば、フローリング単体の部分張替えや本格的な再塗装(リコート)にも対応できます。

無垢フローリングの傷を防ぐために|普段からできる予防策

無垢床は傷つきやすい素材だからこそ、日常のちょっとした工夫が傷の予防になります。

  • 家具の脚にはフェルトパッドやゴムキャップを装着
  • 物を落としやすいキッチンや廊下にはラグやマットを敷く
  • 定期的にオイルやワックスを塗って保護膜をつくる
  • キャスター付きの椅子にはマット敷きで傷を予防

こうした工夫で、傷の発生をグッと減らすことができます

無垢床の深い傷も正しい知識と道具で“育てながら補修”ができる

無垢フローリングの深い傷は、目立ちやすく気になるものですが、木の性質を活かした正しい方法を用いれば、目立たなくすることは可能です。
水分・熱・削り・充填といった工程を傷の深さに応じて使い分けることで、自宅でもしっかりと補修できます。
大切なのは、無垢材は「完全無傷を保つ」床材ではなく、「変化とともに育てていく」床材であるという理解。
丁寧に付き合いながら、愛着のある住まいを長く保っていきましょう。
深い傷に気づいたら、慌てず・焦らず・丁寧に対応。無垢フローリングの魅力をこれからも楽しみ続けてください。

 

 

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