朝日が昇る前、まだ街が静まり返る中、車を走らせていた。
今日の現場は、新庁舎のOAフロア工事。
普段の現場より遠く、片道1時間半以上の道のり。
まだ眠気が残るが、そんなことは言ってられない。
朝礼に遅れるわけにはいかないのだ。
途中、コンビニで缶コーヒーを手に取り、一口飲むと、少しずつ頭が冴えてきた。
車内では「今日はどんな現場だろうな」「新庁舎ってことは、やっぱり豪華なのか?」なんて話しながら、期待と少しの緊張を胸に、アクセルを踏み込んだ。長い道のりを経て、ようやく現場に到着。
車を停めると、すでに多くの職人たちが集まり始めている。駐車スペースが開いていてよかった!
段取りに必要な道具だけ持って、現場へと向かう。
今日の工事の流れ、安全確認、注意点…朝礼では一日の動きが決まる。
朝礼では、他職方と仕事が被っているか確認し、作業の流れを頭の中で整理する。
ヘルメットよし、安全帯よし、顎紐よし。
いつものチェックを済ませると、仲間たちと視線を交わし、「ご安全にー!」の掛け声が現場に響き渡る。この一言でスイッチが入る。大きな現場ほど危険も多い。気を引き締め、しっかりと作業を進めていくことが大事だ。「よし、やるか!」と気合を入れつつ、現場へと向かう。
「今日はOAフロアの荷揚げもあるらしい。」
そんな情報が耳に入った瞬間、仲間と顔を見合わせる。
「マジか…これ、一体何枚あるんだ?」
目の前に並んだOAフロアのパネルは、ずっしり重く、数も多い。
自分たちだけで運んでいたら、それだけで丸一日潰れてしまう。
本来ならこういうときこそ、プロの手を借りるのが正解だ。
だから急遽「荷揚げ屋さんを探し」依頼しる。
施工に集中するためだ。
床工事の基本は、まず清掃から始まる。
ホコリやゴミが残っていると、仕上がりに影響を与える。
特にOAフロアは、精密な高さ調整が必要だから、少しのゴミでもズレの原因になる。
広い現場を丁寧に掃き、拭き掃除までして準備を整える。
手間のかかる作業だが、ここを疎かにすると後々苦労する。何事も基礎が大事だ。
レーザーレベルを使い、床の高さをミリ単位で調整する。
支持脚を一本ずつ確認し、均等に配置していく。
地道な作業だが、ここをしっかりやらないと、後でOAフロアがガタついたり、沈み込んだりしてしまう。慎重に測りながら、確実に進めていく。
途中、仲間と「ここ、ちょっと!」と声を掛け合いながら、確認を重ねていく。
いよいよOAフロアのパネルを敷設していく。
広い場所はスムーズに進むが、問題は壁際や柱周り。
ここは寸法をしっかり測って、合うように加工しなければならない。
特殊な工具を使い、慎重にカット。確認しながら、一枚ずつ丁寧にカットしていく。
この作業、地味に神経を使うが、ピタッと納まった瞬間の気持ちよさは格別だ。
一枚一枚、確実にOAフロアを張り進めていく。
単調な作業に見えるかもしれないが、細かいチェックが欠かせない。
継ぎ目の隙間、パネルのズレ、浮き…どれも放置すれば、完成後の使い勝手に影響が出る。
仲間と声を掛け合いながら、テンポよく進める。
「よし、あともう少しだ!」と気合を入れ、最後まで気を抜かずに作業を続ける。
長い作業を終え、ついにOAフロアが完成した。
広々とした空間に、均一に敷かれたパネルがどっしりと安定している。
施工前の状態と比べると、まるで別の場所のようだ。
やり遂げた達成感で心が満たされ、「やったな!」と思いながら眺める。
何度経験しても、この瞬間はたまらない。
ふと周囲を見渡すと、新庁舎のこだわりが目に入る。
壁や柱、天井まで、ふんだんに使われた地場産の木材。
その温もりが、この空間に独特の雰囲気を与えている。
ただのオフィスビルではなく、木の息遣いが感じられる建物。
このこだわりに俺たちの仕事が加わり、より完成度の高い空間になったことを実感する。
「いい仕事したな…!」と、改めて誇らしい気持ちになる。