体育館床を全面改修せよっ!床職人奮闘記!
先日、いつも床工事をご依頼いただいているT洋建設さまからご相談があった。
T洋建設さま:「体育館の床改修工事の入札でてるんだけど、シモトリさん確か床金具まで全部できるんだっけ?」
私:「はい、お任せください! 床金具だけの工事も毎年、何十件もやってます!先日もぐらついた床金具の修理をしてきました。」
T洋建設さま:「内容は、鋼製床下地・フローリング張り・床金具・スポーツコートライン引き・ウレタン塗装 なんだよね。床の施工は1カ月くらいで、既存の床を撤去して、それからコンクリート補修してからになるんだけど……施工的にできるかね?」
私:「もちろんです。あと、分かっている範囲でいいですが詳細なスケジュールや仕様など情報をいただければ助かります。他にも安全書類とか施工要領とかもろもろの資料の準備が必要そうなら言ってくださいね」
こーして体育館床改修の話が進んでいったのでした。
体育館床改修|墨出し
いよいよ体育館の新しい床づくりがスタート!
今回の工事内容は、
✅ 鋼製床の施工(土台づくり)
✅ 捨て貼り(強度UP&安定性向上)
✅ フローリングボード貼り(最終仕上げ)
✅ 研磨作業
✅ スポーツコートライン施工
✅ ウレタン塗装
まず最初にやるべきことは…正確な「墨出し」作業!
「墨出しってそんなに重要?」と思うかもしれませんが、これがないと基準がない…!建築関係の人にとって見れば当たり前かもしれませんが、最初にやるべき最も大切なことです。
これが無いと、感覚での作業になってしまう。
そうすると、誤差が出て最終的に大きなズレになってしまうんです。
【墨出しのポイント】
✅ 支持脚の位置を正確にマーク! → ここが床の基準点になる!
✅ 大引や根太の配置も計算! → この基礎がフローリングの安定性を左右する!
ここをビシッと決めることで、次の鋼製床の施工がスムーズに進むのです。
しっかり基準を決めて、間違いのない体育館の床をつくり上げていきます!
体育館床改修|支持脚設置
さあ、体育館の床改修工事が本格的にスタート!まずは基準墨に沿って、コンクリートスラブに支持脚を固定する作業から。
「鋼製下地の支持脚ってどんなんだろう?」「見てみたい」って思ってる方もいるのではないでしょうか?
名前の通り、床をしっかり支えるための脚!
ただし、普通の住宅で使われるものとは比べものにならないレベルの“ごつさ”!
写真を見てみると…
おお、まるで頑丈な三角形の厚い鉄板!
「これ、なんか橋を支える橋脚みたいじゃないか?」と思うほどの存在感。
でも、このごつさには理由がある!
✅ 体育館は何十年も使い続ける施設 → 長期耐久性が必須!
✅ バスケ、バレー、卓球…スポーツの衝撃に耐える強度が必要!
✅ フロア全体を均等に支え、たわみを防ぐ!
つまり、この頑丈な支持脚こそが、スポーツフロアの“土台”!
「なんで体育館の床って、あんなにしっかりしてるの?」という疑問の答えがここにあるのです。
次は、この支持脚の上に鋼製床を組み上げ、フローリングへと仕上げていく工程!
さあ、完璧な床づくりに向けて、さらに進めていきます!
体育館床改修|大引き根太設置
体育館の床工事、次のステップは大引(おおびき)と根太(ねだ)の設置!
この2つがしっかり組まれることで、床全体の安定性と耐久性が決まると言っても過言ではありません!
「体育館用の大引って何?」
✅ 床下に横方向に配置する主要な梁!
✅ 床の荷重を受け止め、支える土台となる!
✅ 909mmピッチの支持脚に差し込み設置
「根太って何?」
✅ 大引に直角に設置される鋼材!
✅ 303mmピッチ(約30cm間隔)で均等に設置!
✅ 床にかかる荷重を分散させ、たわみを防ぐ!
つまり、大引×根太=ガッチリ強固な床構造!
根太を細かく配置することで、スポーツ時のジャンプの衝撃も吸収し、床全体が均等に荷重を分散できる!
この頑丈な基礎があるからこそ、選手が思いっきり走り、飛び跳ね、激しくプレーしても安心な床が完成するんです!
体育館床改修|針葉樹合板捨て貼り
さて、次の工程は合板の捨て貼り!
この作業をすることで、床の強度と安定性が格段にアップ!
そして、ここで登場するのが…ビス穴とビス揉み、ダボ打ちの試練!!
「ビスの本数ってどれくらい?」
合板1枚につき、5×6=30本のビス!もし、1000㎡の体育館だったら…?
計算してみると…
✅ 合板1枚=1.65㎡
✅ 1000㎡ ÷ 1.65㎡ = 606枚(だいたい600枚以上!)
✅ 606枚 × 30本 = 18,181本のビス!!
「えっ…1万8000本超え!? そりゃ疲れるわけだ…!」
毎回、現場で「ビス打ち大変だなぁ」と思っていたけど、
こうやって数字で見るととんでもない量を打ち込んでいることに気づく。
でも、この膨大なビスが、体育館の床をしっかり支えているのも事実。
1本1本の積み重ねが、選手たちが思い切りプレーできる環境を作っているんです!
体育館床改修|スポーツ用フローリング張り
さあ、いよいよスポーツフローリングの施工!
ここからが、体育館らしい仕上がりへと変わっていく工程です。
今回の体育館で使ったスポーツ用フローリングってどんなもの?
✅ 積層材(丈夫でしなやか、衝撃吸収性◎)
✅ ウレタン系接着剤を全面塗布!(昔の白ボンドは使わない!)
「なぜウレタン系?」と思うかもしれませんが、
昔の白ボンドは乾燥後に痩せて床鳴りの原因に…💦
そのため、今では粘りのあるウレタン系が主流!でも、ここで職人泣かせのポイントがひとつ…
「ウレタン系接着剤、めちゃくちゃ滑らない!!」
フローリングをスッと寄せて張るなんて、簡単にできるわけがない。
だからこそ、ゴムハンマーで一枚一枚、トントン…トントン…と寄せながら慎重に張っていく!
これが寄らな~いんです!まるで昔のうちの猫のようです😢
さらに、サネ(板の継ぎ目)を奥までしっかり打ち込む!これが地味〜にキツイ作業…。
でも、この積み重ねが、最高のスポーツフロアを作る!
さて、ここからは地道な繰り返し作業!一枚ずつ、ゴムハンマーで寄せて、サネを奥まで打ち込む…
この積み重ねで、体育館のフロアがどんどん形になっていく!
今のフローリングは“大型積層材”!
✅ 1枚あたりのサイズが大きく、一気に進められる!
でも、昔の無垢フローリングは違った…。
幅72mm〜90mmとかの細かい板を延々と張り続ける作業!
「張っても張っても、終わらない…!」と、泣きたくなるほど時間がかかったものです💦
写真じゃ小さく見えるかもしれないけど…
実際には、幅も長さもガッツリ大きいんです!
「えっ、こんなにデカいんだ!」と現場で実物を見たら驚くはず。
こうして、時代とともに進化したフローリング材が、今の施工を効率的にしてくれているんですね!さあ、もうひと踏ん張り!
右手にハンマー、左手にステープル…
(左利きの人はどうしてるんだろう…)
「トントン、パンッパンッ、トントン、パンッパンッ」
このリズムが現場に響くと、まるで体育館全体が巨大な楽器のよう。
みんな、同じ動き、同じテンポで進めていく…でも、ここで思わぬ敵が…
「隣の人、めっちゃ早くない!?」
「うわっ、やばっ…!」
でも、焦ってズレると、仕上がりに影響が出るから、冷静さも必要。
職人たちはまるでリズムゲームの達人みたいに、トントン、パンッパンッと淡々と進めていく。
最初はバラバラだったスピードも、いつの間にかみんな同じリズムになり、一つのチームに!
こうして、”職人たちの“シンクロ作業”で、体育館の床が美しく仕上がっていくのです!
最後に
「体育館の床工事、いかがでしたか?」
ここまでご覧いただき、体育館の床工事の流れを少しでもイメージしていただけたでしょうか?
◆ 支持脚の設置から、鋼製床・根太・捨て貼り・フローリング施工まで!
◆ 職人たちのリズムよく進む作業と、細部にこだわる職人技!
◆ 実はとんでもない数のビスを打ち込んでいること…
「体育館の床って、こんなに緻密な工程でできてるんだ!」
そんな驚きがあったなら、嬉しい限りです!
体育館の床工事・メンテナンスの疑問やご相談、お気軽にどうぞ!
「張り替えを考えているけど、どんな仕様がいい?」
「メンテナンスってどれくらいの頻度が必要?」
「部分補修ってできる?」
そんなお悩みも、まずはご相談ください!
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