フローリング重ね張り床材の種類と選び方|特徴・用途・注意点をわかりやすく解説

   

フローリングを張り替えるほどじゃないけど、見た目を一新したい!
そんなときは“重ね張り”がおすすめ!
「古くなった床をきれいにしたいけど、大がかりな工事は避けたい」
「できるだけ費用を抑えてリフォームしたい」
こうした悩みを持つ方に人気なのが、既存の床の上から新しい床材を重ねて施工する“重ね張り(上張り)という方法です。

この工法では、床を剥がす手間がないため工期も短く、費用も比較的安価。
しかも見た目は新品のように美しく仕上がります。
ただし、選ぶ床材の種類によって機能性・耐久性・適した場所が大きく異なるため、事前の知識が重要です。
この記事では、重ね張りで使えるフローリング材の種類と特徴、向いている場所や選び方のポイントを詳しく解説します。

重ね張りに使えるフローリング材の主な種類と特徴

フローリングの重ね張りに適した材料は、大きく分けて3つの主要タイプがあります。
それぞれの素材に応じた特徴を理解することで、お部屋の用途や生活スタイルに合った選択ができます。

主な床材の種類と比較表

種類 特徴 水回り適性 クッション性 備考
塩ビ系フローリングシート 耐水性・衝撃吸収性・遮音性に優れ、お手入れも簡単 デザイン豊富でキッチンや洗面所にも最適
MDF材系フローリング 木の温もりある見た目で天然木に近い質感だが、湿気には弱い 寝室やリビングなど乾燥した場所向き
WPB系フローリング 木粉と樹脂を合わせた素材で耐水性あり。薄型で上貼りに向いている 湿気の多い空間にも適し、施工性も良いが波打ちに注意

以下では、それぞれの素材について、より詳しく説明します。

塩ビ系フローリングシートの特徴とおすすめの使い方

塩ビ系フローリングシートは、塩化ビニル樹脂を使った柔軟で機能的な床材です。
防水性が非常に高く、デザイン性も豊かで、木目調から石目柄まで幅広いバリエーションがあります。
クッション性があるため足腰への負担が少なく、小さなお子様や高齢の方がいる家庭にも安心です。さらに、表面がコーティングされているため、日常的な掃除がとても楽です。

特に適している場所: キッチン、洗面所、トイレなどの水回り。賃貸住宅の部分的なリフォームにも多く使われています。

MDF材系フローリングの魅力と注意点

MDF材系フローリングは、木材を繊維状にして接着剤で固めた「MDF(中密度繊維板)」を基材とし、表面に樹脂フィルムや薄い天然木を貼ったタイプです。
見た目は非常にナチュラルで、高級感のあるフローリング風に仕上がるため、リビングや寝室などの居住空間に最適です。
ただし、水分に弱いため湿気が多い場所では劣化しやすいという欠点があります。
湿気で膨張したり、表面がめくれることもあるため、水回りへの使用は避けた方が無難です。

おすすめの使用場所: リビング、寝室、子ども部屋など乾燥した空間。

WPB系フローリングの特性と施工上のポイント

WPB(Wood Plastic Board)系フローリングは、木粉と樹脂を混ぜて形成された新しい複合素材です。
樹脂の成分により耐水性が高く、水回りにも使用可能なのが大きなメリットです。
さらに薄型の製品が多いため、既存床との段差が出にくく、重ね張りに適した素材として注目されています。
一方で、既存の床に波打ちがあると下地にフィットしにくいため、施工前の下地確認が必要です。

おすすめの使用場所: 洗面所・キッチン・玄関まわりなど水に強さが求められる場所。

その他の選択肢:DIY向きやデザイン重視の床材

重ね張りに使える床材は上記の3種類が主流ですが、それ以外にもいくつかの選択肢があります。

木質上貼りフローリング

表面が天然木で構成されており、自然な木の風合いを簡単に再現できるリフォーム用床材です。
薄型で、カッターやカチッとはめ込むだけで使えるタイプもあり、DIYユーザーにも人気です。

フロアタイル(塩ビタイル)

塩ビ製で、見た目の美しさとコスパのバランスが良い床材です。
シール式や接着剤不要タイプもあるため、気軽に模様替えをしたい方にもおすすめ。賃貸物件にも使用できるケースがあります。

重ね張りを成功させるための3つの注意点

重ね張りは便利な方法ですが、下地状況や周辺環境によっては施工が難しい場合もあります。
以下の点に注意して、事前に確認をしておきましょう。

1. 下地の状態確認が必須

重ね張りの大前提は、既存の床の表面が平らでしっかりしていることです。
床が沈む、波打っている、軋むといった症状がある場合は、まずその補修が必要です。
下地が不安定なまま施工すると、新しいフローリングがすぐに浮いたり剥がれたりする可能性が高くなります。

2. 床の高さが変わることで不具合が出る可能性がある

フローリングを重ねると、当然ながら床の高さが数ミリ~1cmほど上がるため、ドアの開閉や家具の設置に影響が出る場合があります。
とくにクローゼットの扉や引き戸は注意が必要です。

3. 専用の重ね張りフローリング材を使う

すべてのフローリング材が重ね張りに対応しているわけではありません。
重ね張り専用に設計された薄型・軽量・接着性の高い製品を選ぶ必要があります。
施工性や耐久性を考えると、プロに相談してから材料を選定するのが安心です。

用途に合った素材選びで、失敗しない重ね張りリフォームを

フローリングの重ね張りは、手軽に床の印象を変えられる優れたリフォーム方法です。
しかし、素材によって水への強さや見た目の質感、施工性が大きく異なるため、「どこに使うか」「どんな暮らし方か」に応じて最適な床材を選ぶことが大切です。

【重ね張りにおすすめの床材まとめ】

使用場所 最適な床材
キッチン 塩ビ系シート・WPBフローリング
リビング MDF材系フローリング・木質上貼り
洗面所・脱衣所 WPBフローリング・塩ビタイル
賃貸・DIY フロアタイル・木質上貼り

施工前に下地の状態や高さの変化も含めて確認し、信頼できる業者に相談するか、適切なDIY知識をもって行うことが成功のカギです。
適材適所の素材選びで、見た目も機能も満足できるフローリングリフォームを実現しましょう。

 

 

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