毎日の暮らしを支えるフローリング。
長年使っていると表面が剥がれたり、傷やへこみが増えたりして「そろそろリフォームが必要かな」と感じる方も多いのではないでしょうか。
反面、「できるだけ費用を抑えたい」「高すぎる見積もりで失敗したくない」と考える方もいると思います。
特に床は部屋全体に関わるため、工事範囲が広く、費用も決して安くはありません。
そこで本記事では、フローリングリフォームを行う際に費用を抑えるための具体的な方法を、専門業者の視点から分かりやすく解説します。
重ね張り工法のメリットや注意点、選ぶべき床材の種類、業者選びのコツまで、知っておくべき情報をすべてまとめました。
これを読めば、無駄な出費を避けつつ安心してリフォームに踏み切れるはずです。
費用を抑えるには「工法選び」が重要
フローリングリフォームで最も大きな費用差を生むのが工法です。
床をすべて剥がす「張り替え工法」と、既存の床の上から新しいフローリングを貼る「重ね張り工法」があります。
重ね張り工法の特徴とメリット
重ね張り工法は、既存のフローリングを剥がさず、その上から新しい床材を重ねて施工する方法です。
解体作業や廃材処分が不要なため、工期も短く、費用を抑えやすいのが最大のメリットです。
たとえば、一般的な6畳間のフローリングリフォームであれば、張り替え工法よりも数万円以上安くなることも珍しくありません。
また、生活しながら工事できるケースも多く、引っ越しや家具の大掛かりな移動を避けられるのも嬉しいポイントです。
張り替え工法との費用比較
以下の表で、張り替え工法と重ね張り工法の違いを整理してみましょう。
※コストに優れた床材を使った場合です。無垢などは高額になります。
工法 | 工事内容 | 費用目安(6畳) | メリット | デメリット |
---|---|---|---|---|
張り替え工法 | 既存床を解体・撤去し、新しい床を施工 | 12〜18万円 | 下地の確認・修繕ができる | 費用が高い、工期が長い |
重ね張り工法 | 既存床の上に新しい床材を施工 | 7〜12万円 | 費用を抑えられる、工期が短い | 床の高さが上がる、下地確認ができない |
このように、費用を抑えたいなら重ね張り工法が有効です。
ただし、下地が劣化している場合は施工できないため、必ず専門業者による確認が必要となります。
床材の選び方でさらにコストダウンできる
工法だけでなく、使用する床材の種類でも費用は大きく変わります。
複合フローリングと無垢フローリングの違い
フローリング材には「複合フローリング」と「無垢フローリング」があります。
- 複合フローリング:合板を基材にし、表面に薄い木材や化粧シートを貼ったもの。比較的安価でメンテナンスしやすい。
- 無垢フローリング:一本の木材から削り出した素材。高級感と自然素材ならではの風合いが魅力だが、価格が高くメンテナンスも必要。
費用を抑えたい場合は、デザインや性能の幅が広い複合フローリングを選ぶのがおすすめです。
最近では耐傷性や防水性に優れた製品も多く、見た目も無垢材に近い質感を再現できるものが増えています。
シート系フローリングの選択肢
さらにコストを抑えたい方には、シート系フローリングも候補になります。
木目調のプリントシートを表面に使用しており、費用は安くても見栄えは十分です。
特に賃貸物件や子ども部屋、セカンドルームなど「コスト重視」のリフォームに適しています。
相見積もりで適正価格を見極める
フローリングリフォームで失敗を防ぐために欠かせないのが「相見積もり」です。
複数業者に依頼する意味
1社だけに見積もりを取ると、その金額が高いのか安いのか判断できません。
複数の業者から見積もりを取り、工事内容と金額を比較することで、適正価格が見えてきます。
さらに、見積書の内訳を確認すれば「どの作業にどれだけ費用がかかっているのか」も把握でき、不要な出費を避けられます。
地域密着の業者を選ぶメリット
大手リフォーム会社は安心感がありますが、中間マージンが発生するため費用が割高になりがちです。
地域密着の施工業者であれば、余計なコストを省きながら柔軟に対応してもらえる可能性が高いです。
特に重ね張り工法は専門性が必要なため、経験豊富な業者を選ぶことが重要です。
重ね張り工法の注意点と確認事項
費用を抑えられる一方で、重ね張り工法には注意点もあります。
下地の状態を確認する必要性
重ね張り工法は下地が健全であることが前提です。
もし下地にカビや腐食、シロアリ被害があると、新しいフローリングを重ねてもすぐに不具合が出てしまいます。
施工前に必ず業者に確認してもらいましょう。
床の高さが変わるリスク
新しい床材を重ねることで、床の高さが数ミリ〜1センチ程度上がります。
場合によっては、ドアの開閉に支障が出たり、敷居との段差ができたりすることがあります。
生活に影響が出る可能性があるため、事前に調整方法を相談することが大切です。
床下の確認ができないデメリット
既存の床を剥がさないため、床下の状態を目視で確認できません。
シロアリや湿気による劣化が心配な場合は、張り替え工法を選択するのが安全です。
専門業者に相談することの重要性
フローリングリフォームは単なる「貼り替え作業」ではなく、住宅の構造や生活動線に大きな影響を与える工事です。
特に重ね張り工法は専門知識が求められるため、DIYや一般の大工さんでは対応できないケースが多いのが現実です。
見積もりの際には、床材の種類・厚さ・工法だけでなく、施工後に考えられるリスク(段差や扉の干渉など)についても詳しく説明してくれる業者を選びましょう。
「とにかく安くやります」という業者よりも、「なぜこの費用になるのか」を丁寧に解説してくれる業者の方が信頼できます。
まとめ:費用を抑えつつ安心できるリフォームを
フローリングリフォームの費用を抑えるには、重ね張り工法の活用や複合フローリングの選択、相見積もりの徹底が効果的です。
ただし、下地の状態や生活への影響を見落とすと、後から高額な修繕費が発生するリスクもあります。
大切なのは、「安さだけで決めない」こと。
費用を抑えながらも長く快適に使えるリフォームを実現するには、専門業者にしっかり相談し、納得できる工事を選ぶことが不可欠です。
あなたの暮らしを支える大切なフローリングだからこそ、信頼できるパートナーと一緒に後悔のないリフォームを進めていきましょう。