体育館の床下地には鋼製床が使われていることが多いです。ただ、一概に鋼製下地といっても置床式と組床式があります。
どちらも特徴があるのですが、そもそも目的とする性能が違います。今回の施工は組床式の鋼製下地です。どんな流れで施工されていくのでしょうか?それではご覧ください。
体育館床工事事例|鋼製床割付け墨出し
体育館の新設に伴う床工事です。
既に床金具のための基礎は打設されています。全て設置されているため墨の立ち上げも行う必要があります。
まずは支持脚を設置する基準のピッチに合わせて墨出しを行っていきます。出した墨に支持脚を置いていくことで通りが良くなり大引きが設置しやすくなります。尚、下地は支持台と調整ナット、調整ボルト、緩衝材、大引き、根太、針葉樹合板で構成されます。
床職人の今と昔
実は、床の施工を行う際に古くは分業化されていることが一般的でした。鋼製床下地の職人は鋼製床下地だけ、フローリング張りの職人はフローリングだけ、床金具の職人は床金具だけ、床研磨塗装の職人は研磨塗装だけ、ラインだけ別なんてこともありました。
ただ、今では仕事量も職人も少なくなってきたので床一連の施工を同じ職人で行うことも多くなりました。そのため工期についても考えやすく、他の内装工事との取り合いから優先すべき工事に対応することも容易にできるようになりました。今回もウレタン塗装仕上げまで、同じ職人で行っていくため鋼製床下地と捨て貼りの段階で点検口と換気口の補強と切り込み加工をしておきます。
鋼製床下地組み|大引き及び根太設置
支持脚を設置後、大引を通していきます。一つひとつしっかりと固定していきます。
ここである程度高さ調整を行い、レベル調整時には大きな動きがないようにします。こうすることで施工の精度と速さに繋がります。
この大引きや根太は順序よく施工していきます。また、床高があるフロアになればなるほど、ちょっと恐いです。バランスを崩して根太の間に足が滑り落ちてしまうと・・・
だから慎重に施工していきます。
写真で見ても分かるように広いです。支持脚→大引き→根太→コンパネ→フローリング→床研磨塗装と床をつくるために足腰にずっと負担が掛かるんです。また、建材が一つひとつ、いちいち重いんです。この移動だけでも一仕事です。
体育館床工事事例|フローリング下地捨て貼り
針葉樹合板を捨て貼りしていきます。これがフローリング下地になります。
根太には、ビズで固定されています。必要数ビズをもんでいくのですが、その数はコンパネ1枚で35カ所、これが600枚近くあるんです。
もし600枚であれば、35×600で21000個のビスを揉むことになります。他にも大引きと根太もビスで固定していくので、もの凄い数ですよね!
体育館床工事事例|フローリング張り
最後にフローリングを張っていきます。
ウレタン系接着剤の塗布しステープルで留めていきます。
この後、床研磨塗装を行って施工完了になります。