~体育館の床を下地から仕上げろ!床職人奮闘記~
「ティリリリリーン」「ティリリリリーン」
「わたし」:……はいシモトリです。
「お客様」:あっ、柏のT建設なんですが、これから体育館の工事予定しているんだけどさー
鋼製床下地とかフローリングの大型積層とか仕様がいろいろあって、よく分からないんだよ。図面送るから、一度見てくれない?
「わたし」:……もし分かればでいいんですが、アリーナの床、鋼製床って表記されてますか?
置床式と組床式の2種類があって、一括りで表現するのが難しいんですよ。
どんな仕様になっているか分かれば、同じような材料も念頭に選択肢を考えますけど!
そんな流れでだったんですが、特殊な仕様はなく無事施工が決まったのでした……
ここで事例をもとに、体育館の床構造と工事流れ、注意点を解説していきます。
体育館床工事事例|鋼製床墨出し
今回のミッションは、体育館の新設に伴う床工事!
すでに床金具の基礎は打設済み! つまり、やるべきことは少なくない。
まずやるべきは…「墨出し」!
「ただの線引きでしょ?」 なんて思ったら大間違い!
この墨の正確さが、最終的な床の仕上がりを左右する!
作業の流れはこう!
基準ピッチに合わせて墨出し!
→ 支持脚を設置するためのガイドラインをしっかりマーキング!
墨に沿って支持脚を配置!
→ 通りが整うことで、大引き(おおびき)がピタッと納まり、施工スピードもUP!
下地の構成はこんな感じ!
◆支持台脚+ 調整ボルト(高さ調整)
◆緩衝材パッキン(衝撃を吸収し、耐久性UP!)
◆大引き + 根太(床を支える超重要パーツ!)
◆針葉樹合板(ここにフローリングが乗る!)
「これでバッチリ!次の工程へ進むぞ!」
墨出しと計算された下地づくりが、体育館の床を支える最初の大仕事!
この積み重ねが、選手たちが全力でプレーできる最高のアリーナを生み出すんだよね!
体育館床職人の今と昔
昔の床やさんといえば、完全な分業体制!その背景には、文教施設や体育施設の建設ラッシュがあったため
つまり、公共物件の数がそれは、多かったんです。
私たちも、1カ月の間に体育館の乗り込みが14施設あったくらいです。
だから……施工体制はというと…
「鋼製床下地の職人は鋼製床下地だけ!」
「フローリング張りはフローリング専門!」
「研磨塗装は研磨塗装だけ!」
「ライン引き?それはまた別の職人がやるよ!」
そんな体制が当たり前だった。
ところが… 今では状況が一変!
職人の数も仕事量も減少…結果、分業スタイルは激変!
今では、床一連の施工を同じ職人が行うことが主流!
この変化で何が良くなったかというと…?
工期の管理がしやすい!
→ 各工程ごとの職人待ちが減り、スケジュールを立てやすい!
内装工事との連携がスムーズ!
→ 取り合い工事の優先順位を調整しやすい!
現場での柔軟な対応が可能!
→ 「あれ?この部分、あとで調整が必要だな…」という場面でも、すぐに修正できる!
そして今回の施工でも…
鋼製床からウレタン塗装仕上げまで、同じ職人が担当!
だからこそ、鋼製床下地&捨て貼りの段階で、点検口&換気口の補強&切り込み加工まで先回り!
これぞ、オールラウンダー職人というかワンストップ職人というか……私たちの強み!
技術継承 × 多能工化?で、よりスムーズで高品質な床工事を実現する時代に…
体育館床工事事例|大引・根太
支持脚を設置したら、次は大引きの通し作業! ここからが、床の骨格を作る超重要フェーズ!
作業のポイント! 一つひとつ、しっかりと固定!
ここで高さ調整! → レベル調整時に誤差がないようにする!
精度UP&施工スピードUP!
こうして順序よく大引き&根太を組み上げていく…
でも、ここで気をつけるべきことが!
特に、床高があるフロアの場合…ちょっと怖い「慎重に、慎重に…」でも、ふとした瞬間に…
「おっとっと…!」バランスを崩して、根太の間に足がズボッ!!(※床職人あるある)
だからこそ、足元に気をつけながら、一歩一歩慎重に!
こうした職人の細かな気配りと技術が、頑丈で安定した床を生み出すのでした!
体育館床工事事例|捨て貼り
さて、いよいよ針葉樹合板を捨て貼り!
この合板がフローリングの下地になるわけです…
「ただ張っていくだけでしょ?」と思ったあなた… そんな簡単ではない!
この根太にしっかり固定するために、ビスを打ち込んでいく!
ここで問題!ビスの数、いくつになると思いますか?
1枚のコンパネに打つビスは… 約35カ所!
これが 600枚近く あるので…
35 × 600 = 21,000本!!!
そう、21,000本のビスを打ち込む作業が待っているのです…!
しかも、大引きと根太の固定にもビスを使うので、最終的にはそれ以上の数!
◆職人の手は、もはや「電動ドライバーと一体化」!
◆指先の感覚がなくなってくるレベル!
それでも、この1本1本が床の強度を決める!
たとえ「手が震えても、腕がパンパンになっても…!」最高の床を作るためにビスを打ち続けるのだ!
体育館床工事事例|フローリング張り
ついに、塗装前の床工事の最終段階、フローリング張り!
まずは、ウレタン系接着剤を塗布!「よし、この範囲を一気に張るぞ!」
次に、ステープル(フロア釘)でしっかり固定!「トントン!パシュッ!…うん、いい音だ!」
こうして、一枚、また一枚と丁寧に張り進める。
そして、張り終えたら最後の仕上げ!床研磨&塗装作業!
フローリングの表面をなめらかに整え、塗装を施して美しい仕上がりに!
「よし、完成だ!!!」
見渡せば、ピカピカに輝くフローリングが広がる!
職人の汗と技術が詰まった最高の床、ついに完成!