オフィスを新設・移転・改装する際に必ずといっていいほど問題になるのが「配線の整理」です。
床の上にLANケーブルや電源コードが散乱していると、見た目が雑然とするだけでなく、つまずき事故や断線のリスクも増加します。
その解決策として多くの企業が導入しているのが「フリーアクセスフロア(OAフロア)」です。
しかし実際に導入を検討すると「施工単価はいくらなのか」「どんな種類を選べばいいのか」「見積もりをどう比較すればよいのか」といった疑問に直面します。
この記事では、フリーアクセスフロアの施工単価を種類や条件ごとに整理し、相場感を分かりやすく解説します。
費用を正しく理解し、無駄のない選択ができるように、具体的な数字や事例も交えて説明していきます。
フリーアクセスフロアの施工単価の基本相場
フリーアクセスフロアの施工単価は、仕上げ材なしで1㎡あたり約4,000円〜13,000円程度が目安です。
タイルカーペットや帯電防止タイルなどの仕上げ材込みになると、6,000円台〜16,000円程度まで幅が広がります。
この差は「設置方法の種類」「仕上げ材のグレード」「工事の内容」「施工面積」などによって大きく変動します。
例えば小規模オフィスで簡易的な置敷式を導入する場合、仕上げ材を含めても比較的安価に抑えられます。
一方で、サーバールームや大規模なオフィスで支柱式を導入し、高さを確保して大量の配線を収納する場合は、工事費用が高くなる傾向があります。
フリーアクセスフロアの種類別単価
フリーアクセスフロアの施工単価は、その種類によって大きく異なります。
特に代表的な「置敷タイプ」と「支柱タイプ」の違いを理解することが、費用の見積もりを比較するうえで重要です。
フリーアクセスフロアの種類 | 施工単価の目安(仕上げ材なし) | 特徴 |
---|---|---|
置敷タイプ | 1㎡あたり約2,700円〜 | 施工が簡単でコストを抑えやすい。小規模オフィスやリフォーム向け。 |
支柱タイプ | 1㎡あたり約5,700円〜 | 高さ調整が可能で大量配線に対応。サーバールームや大規模オフィス向け。 |
置敷タイプは既存の床に直接パネルを敷く方式で、工期が短く安価なのがメリットです。
一方、支柱タイプは床下に広い空間を作れるため配線が多い環境に最適ですが、施工費用が高くなる傾向があります。
施工単価に影響を与える主な要素
フロアの種類
床下にどの程度の配線スペースを確保するかによって、必要なフロアの種類が変わります。
大量の配線や高さ調整が必要な場合は支柱式が選ばれることが多く、コストは高めになります。
逆に、配線量が少なくシンプルな施工で済む場合は置敷式が経済的です。
仕上げ材
仕上げ材によって施工単価は大きく変動します。
タイルカーペット、帯電防止タイル、耐薬品性タイルなど、機能やデザインに応じて選ぶことで、コストに差が出ます。
例えば一般オフィスであればタイルカーペット仕上げが多いですが、研究施設や実験室では耐薬品性の高い素材が必要になり、その分費用も上がります。
工事内容
単純にフロアを設置するだけでなく、配線工事、スロープの設置、既存床材の撤去などが加わると追加費用が発生します。
特に既存オフィスの改装工事では、下地処理や撤去作業の有無が施工単価に大きく影響します。
面積
施工面積が広ければ広いほど、1㎡あたりの単価は下がる傾向にあります。
これは運搬費や工事人件費が面積全体で割られるためです。
小規模工事では割高になり、大規模工事では割安になるのが一般的です。
物件の種類
スケルトン物件(内装がない状態)と居抜き物件(既存内装が残っている状態)でも施工内容が異なります。
スケルトン物件は新設しやすい反面、床仕上げまで一から工事する必要があり費用が高めになることがあります。
居抜き物件では既存床の撤去や修繕の有無が施工単価を左右します。
業者の違い
同じ条件で見積もりを依頼しても、業者によって施工単価には差が出ます。
実績が豊富で信頼できる業者を選ぶことはもちろん、複数社から見積もりを取り比較検討することで、費用を抑えながら安心できる施工を依頼できます。
施工単価の目安と仕上げ材込みの費用感
一般的な施工単価の目安は以下の通りです。
- 仕上げ材なし:1㎡あたり約4,000円〜13,000円
- タイルカーペット仕上げ込み:1㎡あたり約6,000円〜16,000円
例えば100㎡のオフィスでタイルカーペット仕上げを選ぶ場合、総額は約60万円〜160万円程度が目安となります。
支柱式で床下に広い空間を確保したり、特殊な仕上げ材を使用したりする場合はさらに高額になりますが、長期的な利便性や安全性を考えると適切な投資といえます。
見積もりを依頼する際の具体的な進め方
業者への問い合わせ
OAフロアの種類(置敷式・支柱式)、必要な床高、仕上げ材、施工面積などを整理し、条件を明確にしたうえで見積もりを依頼します。
一括見積もりの活用
複数の業者に同じ条件で見積もりを依頼することで、価格や作業内容の比較がしやすくなります。
特に初めて導入する場合は一括見積もりサービスを活用するのも効果的です。
詳細の確認
見積もりには、OAフロア本体、仕上げ材、施工費、運搬費、諸経費が明記されているかを確認します。
内訳が不明確な見積もりは避け、後から追加費用が発生しないように注意することが重要です。
フリーアクセスフロア施工単価は条件次第で大きく変わる
フリーアクセスフロアの施工単価は、種類・仕上げ材・工事内容・施工面積などの条件によって大きく変動します。
置敷タイプなら低コストで導入でき、支柱タイプなら大量配線や将来の拡張に対応可能です。
重要なのは、自社の用途や環境に合った種類を選び、複数業者の見積もりを比較することです。
私たちは、豊富な施工実績をもとに最適なフリーアクセスフロアをご提案しています。
施工単価の目安を正しく理解し、コストと機能性のバランスを取りながら、快適で安全なオフィス環境を整えましょう。