体育館の床に欠けやささくれ、剥がれなどを見つけると、「そろそろ直さないと危ないよね」と思うでしょう。
部活動の最後の追い込みや地域サークルの定例練習で、予約した体育館に足を踏み入れた瞬間、床の滑りやすさや不陸のある床になってしまっていると不満足さを感じてしまいます。
つくば市内には高山中学校体育館の建て替え、大穂体育館の空調・バスケットゴール改修、筑波大学体育館の屋根・床改修など、各施設で様々な改修計画が進行中です。
本記事では、床工事の全体像をわかりやすく解説し、床材選定のポイント、施工手順、メンテナンス計画、代替利用策、最新情報の入手方法までを網羅します。
これを読めば、床工事プロジェクトを安心して進め、市民や学生が安全・快適にスポーツを楽しめる環境を実現できるはずです。
なぜ体育館床工事が必要なのか
体育館の床はバスケットボールやバレーボールの激しい着地衝撃、体操やダンスのジャンプ動作、大人数の往来による摩耗、さらには水分や砂埃の付着など多様な負荷にさらされ続けます。
長年放置すると床材の剥離、合板継ぎ目の欠け、ささくれ、床下地のたわみ、摩耗などでグリップ力が低下して滑倒事故を招きやすくなります。
また、床の凹凸はボールの跳ね返りムラを生み、競技パフォーマンスを悪化させる要因にもなります。
つくば市では、高山中学校体育館の建て替えに伴う新設床の導入や、大穂体育館のバスケットゴール改修と連動した床性能改善、筑波大学体育館の屋根・床同時改修など、施設ごとの状況に応じた包括的な床改修を計画しています。
つくば市内の主な改修プロジェクト
高山中学校体育館の建て替えに伴う新設床工事
高山中学校では体育館をS造平屋約1,500㎡で全面建て替え中で、床材には木製フローリングを採用予定です。
新設に際しては、鋼製束式の下地構造、クッションパッドで衝撃吸収性を確保。
表面には高耐摩耗カバザクラフローリングを敷設し、バスケット3面分の広さで均一なバウンドを実現します。
大穂体育館の空調改修・バスケットゴール連動工事
大穂体育館は2026年2月完成見込みで、空調設備更新と同時にバスケットゴール金具の補強・交換が行われる予定です。
床面は既存のウレタン塗り床をリコートし、ゴール設置時の共振を抑えるように局所的に下地補強を施します。
これにより、長時間のエアコン稼働による温湿度変動でも塗膜劣化を抑制し、季節を問わず快適な床面環境を維持します。
筑波大学体育館 屋根・床一体改修
筑波大学では体育館の屋根防水工事と同時に床の全面改修を計画中。
下地の防湿層更新から合板張り替え、木質フローリング敷設へと移行し、学内外の大会開催にも耐えうる競技性能をクリアします。
施工中は仮設床を設置し、学内利用への影響を最小限に抑える工夫が取り入れられています。
床材の種類と選び方
つくば市内の体育館床工事では、以下の3種類が主に検討対象となります。
用途やメンテナンス性、予算を考慮して選定しましょう。
木製フローリングはバウンドの均一性とグリップ力が高く、バスケットやバレーボール競技に最適。
耐用年数20~30年と長い反面、2~5年1回の再塗装が必要です。
長尺シート(塩ビシート)は防水性・耐汚染性に優れ、多目的なジャンルに対応。
耐用年数10~20年で、摩耗が進むと15年~の張替えが必要です
床材比較一覧
床材種類 | 耐用年数 | 衝撃吸収性 | グリップ性 | メンテナンス |
---|---|---|---|---|
木製フローリング | 20~30年 | 高 | 高 | 年1回研磨・再塗装+定期ワックス塗布 |
長尺シート(塩ビ) | 10~20年 | 中 | 中 | 年次清掃+10年ごと張替え |
施工手順とスケジュール例
全面張り替え工事の一般的な流れを示します。規模や既存状態により前後します。
劣化診断・プラン決定(1日)
既存床材撤去(5~7日)
下地設置(5~7日)
合板張り(2~3日)
新規床材敷設(7~10日)
研磨(2~3日)
下塗り・中塗り・上塗り(3~5日)
コートライン再描画(2日~)
完了検査・性能試験(1日)
合計で約4~8週間を見込みます。
学校長期休暇やオフシーズンを活用すると利用者への影響を抑えられます。
定期メンテナンス計画
木製床:2~5年に1回再塗装
長尺シート:年次点検+15年ごと張替え
床金具(支柱用):1~2年ごと点検・交換
定期点検で早期の部分補修を行えば、全面改修のタイミングを延長でき、コストを抑制できます。
業者選定のポイント
公共施設・学校体育館での施工実績
複数床材・仕様の提案力
見積り透明性と工期管理能力
品質保証・アフターサービス
地元対応力(緊急時対応可否)
株式会社霜鳥・コートラインプロなど、茨城県内・近隣で多数の実績を持つ専門業者に現地調査を依頼し、複数プランを比較検討しましょう。
工事期間中の代替利用策
近隣市町村の公共体育館(ひたちなか市、水戸市など)
学校体育館夜間・休日開放枠
民間レンタル体育館
代替施設の利用条件や床材感覚を事前に確認し、仮予約を済ませておくことで練習計画を継続できます。
最新情報の入手方法
つくば市公式ウェブサイト「施設休館・工事情報」
つくば市役所都市整備部都市計画課 施設担当窓口
各体育館管理事務所への問い合わせ
茨城県建設業協同組合・入札情報サイト
改修計画や休館予定は随時更新されますので、定期的にチェックしましょう。
まとめ
つくば市体育館の床工事は、安全性・快適性・競技性能を両立させるための総合プロジェクトです。
高山中学校体育館の新設、大穂体育館の機能改修、筑波大学体育館の一体改修など、施設ごとに最適な工法を選択し、床材選定から下地構造、施工手順、性能試験、定期メンテナンス、代替利用策までを計画的に進めることで、市民や学生が安心してスポーツに没頭できる環境を整備できます。
新たな床面で思いきりプレーをお楽しみください。