床研磨ポリッシャーでフローリングを磨く方法とは?DIY向け研磨&塗装ガイド

フローリングを見るたびに小さな傷や汚れが目について「どうにかしたいな…」と感じること、ありますよね。
DIYで、自分の手で、床をリフレッシュしたい!と思うのではないでしょうか?
ただ「自分でできるかな?」と不安な方も多いはず。
そこでこのガイドでは、国内の一般的な床材に合わせた床研磨ポリッシャーの使い方や仕上げ塗装の方法を解説します。

床材の種類と研磨・塗装の可否

国内住宅で多い床材には、大きく分けて「無垢フローリング」「複合フローリング(挽板・突板)」「シートフローリング」があります。
無垢フローリングは厚みのある天然木の一枚板なので、表面を削っても木がなくなる心配が少なく、研磨・塗装が可能です。複合フローリングは木材やシートを貼り合わせたもので、表面が厚めの挽板であれば1mm程度まで研磨できますが、薄い突板やシートは研磨できません。
塗装についても、無垢・厚板ならオイルやウレタン仕上げができますが、シートフローリングには基本的に上から塗装をのせるのは難しいです。
以下の表で床材ごとの特徴と研磨・塗装可否をまとめました。

床材特徴研磨塗装
無垢フローリング天然木の一枚板で厚みがある可能オイル塗装・ウレタン塗装が可能
複合フローリング木材や木目シートを貼り合わせた板(挽板・突板)厚板なら△(表層を少し)※厚み要注意、薄板は✕製品により変わる(厚板なら可)
シートフローリング木目などをプリントした化粧シート貼り(合板等)不可基本不可(防水コートのみ)
  • 無垢フローリング:天然木なので研磨・再塗装ができる。適切な塗料を使えば風合い良く仕上がる。
  • 複合フローリング(挽板/突板):挽板は表層が5mm程度と厚いものがあり、軽い研磨は可能。薄い突板は研磨できない。塗装は建材メーカー推奨の塗料で行う。
  • シートフローリング:表面が樹脂シートなので研磨できない。既に表面がコーティングされているので、DIYの塗装は基本的にできないと考えましょう。

ポリッシャーの種類と適した場面

ポリッシャーは床面を効率よく磨く機械で、大きく分けて業務用大型と小型ハンディタイプがあります。
業務用床ポリッシャーは商業施設などで使われる大型機で、直径30cm以上の大きなブラシパッドがつき、高速で回転して広い床を短時間に磨けます。
一方ハンディポリッシャー(カーポリッシャー)は車のボディ研磨用のような小型で、手で持って使えます。
DIY向けには、1~2万円台で買える充電式やAC100V式のハンディタイプが一般的です。
注意点として、ポリッシャーは「床の洗浄・ワックス剥離・磨き」に使うもので、ワックス掛け用ではありません。
カーポリッシャーは本来自動車用ですが、木床にも応用できます。
ただ、木床には回転数やパッドの硬さに気をつけましょう。
回転が早すぎると床を傷めるので、床用は低速・広範囲磨き向き、車用は多少回転が速いので狭い範囲の傷取り向きと使い分けます。

床用ポリッシャーの代表メーカーと価格帯

床用ポリッシャーでは、マキタ(Makita)とHiKOKI(旧日立工機)が代表的なメーカーです。
マキタの製品は性能と信頼性が高く、バッテリー工具の互換性にも優れているため、多くのDIYユーザーにも人気です。
例えばマキタのAC100V電子ポリッシャー(モデルPV7001C)はパッド径180mmで、税込約3万円前後。
HiKOKIの同クラス機(SP13V)はパッド径125mmで税込約3.3万円です。
いずれも市販店や通販で購入でき、コード式・充電式の両タイプがあります。
リョービやEARTH MANなど他社製品もありますが、まずはメジャーな上記メーカーで探すと選びやすいでしょう。

パフ(研磨パッド)の種類と選び方

ポリッシャーに取り付けるパフには、主にウールパフスポンジ(ウレタン)パフの2種類があります。
ウールパフ(ハード・ソフトタイプ)は羊毛を使ったもので研磨力が強く、頑固な傷や汚れの粗磨きに向きます。
初めての場合はまずソフトウールで試すとよいでしょう。
一方、スポンジパフは目の粗さ(中目・細目・極細など)が選べ、ウールほど研磨力はありませんが仕上げ磨きに適しています。スポンジパフは柔らかいので、コーティング剤やワックス塗布の際にもよく使われます。選び方のコツは、「粗いパフで研磨したら、徐々に細かいパフで仕上げる」ことです。たとえば、ウールや中目パフで傷を取り、最後に超微粒子のスポンジパフで艶出しするとキレイに仕上がります。

ポリッシャーの基本的な使い方と注意点

ポリッシャーを使う前に、まず床の掃除を徹底しましょう。
大きなゴミや釘などを取り除き、掃除機やほうきでホコリを除去しておきます。
ポリッシャーを回す際に、ごみがあると、それがきっかけとなり傷がついてしまうなど床トラブルの原因になるからです。
まずは、パッドを正しく装着して、両手でハンドルをしっかり握ります。
機械を床に平行に置き、電源を入れてから回転が安定するまで待ちます。
その後、低速から床に軽く当て、少しずつ前後に動かして磨いていきます。
このとき、一点に止まらずに往復させながら少しずつ位置をずらし、ゆっくり進むように注意します。
作業中は常に同じ力で維持し、無理に強く押し当てないことがポイントです。
また、安全のために電源コードは右手側にまとめておき、足元に引っかからないようにしましょう。
作業中は眼鏡やマスクを着用し、ホコリを吸い込まないよう注意してください。
終わったらパッドを外し、毛羽立ちや削りカスを取り除いておくと次回も快適に使えます。
※注意点として業務用のポリッシャーは非常に取り扱いが難しいです。初めて使う方にはお勧めできかねます。
なぜなら、力加減を間違えると床を壊したり、ケガする恐れもあるからです。
やはり手間や時間を掛けていいのであればカーポリなどがいいでしょう。

塗装方法(オイル塗装・ウレタン塗装)の手順

ポリッシャーで研磨した後は、床面を保護するために仕上げ塗装を行います。
ここではオイル塗装ウレタン塗装の手順をご紹介します。

オイル塗装の手順

オイル塗装は、木に浸透して自然な風合いに仕上げる方法です。
代表的なのはリネン(亜麻仁)オイルやエゴマオイルなどの植物性オイルで、塗膜ではなく内部まで染み込むのが特徴です。手順は以下の通りです:

  1. 掃除・下地調整:床にホコリや汚れがないように掃除機・雑巾で拭き、ワックスが残っていれば剥がしておきます。傷や凹みがあれば軽くペーパーで平らにします。
  2. 塗布:布や刷毛にオイルを少量取って木目に沿って薄く塗り広げます。オイルを染み込ませた布を使い、手早く塗りつけるのがコツです。
  3. 拭き取り・乾燥:数分待って余分なオイルを乾いた布で拭き取り、均一に広げます。その後24時間程度放置して乾燥させます。
  4. 重ね塗り(必要に応じて):仕上がりを見て物足りない場合は、同様の手順で2度塗りします。オイル塗装は日光や乾燥で表面がカサついてきたら再施工が必要なサインです。

オイル仕上げは木の質感が生き、触り心地がしっとりしますが、耐水性はウレタンほど高くありません。家具の脚にフェルトを貼るなどして傷つきにくくする工夫も併せて行いましょう。

ウレタン塗装の手順

ウレタン塗装は木の表面に硬い塗膜を作る方法で、耐久性・耐水性に優れます。一般に「ウレタン塗料」と表示される合成樹脂塗料を使い、2~3回重ね塗りします。手順は以下の通りです:

  1. 掃除・養生:オイル塗装と同様に床を掃除し、隅や壁際はマスキングテープで養生します。換気をよくし、塗料が飛び散らないよう注意します。
  2. 塗布:ローラーか刷毛で塗料をとり、木目に沿って薄く均一に塗ります。部屋の奥から入口に向かって塗ると塗り残しが減ります。最初は軽く全体をひと塗りします。
  3. 乾燥:塗料の指示通り十分に乾燥させます(通常1~2時間程度)。
  4. 研磨(軽く):乾いたら#400程度のサンドペーパーで軽く研磨して毛羽立ちを整え、ホコリを拭き取ります。
  5. 重ね塗り:さらに2回ほど同じ方法で塗り重ね、合計で2~3回塗ります。十分に乾燥させれば透明な塗膜で光沢が出て美しくなります。

ウレタン塗装は汚れに強くメンテが楽ですが、塗膜で木の質感はやや失われます。
また、傷がついた場合の補修は難しいので(プロの研磨・再塗装が必要)、慎重に塗り重ねましょう。

難しいと感じたらプロに依頼する選択肢

研磨や塗装が大がかりに感じる場合は、無理せず専門業者に依頼するのも有効な選択です。
プロの手による研磨塗装は、DIYでは難しい精度で床を新品同様に磨き上げ、長持ちする仕上がりを実現します。
ただし、業者施工には材料費や作業費がかかります。
複数の業者から見積もりを取り、施工内容や口コミなどを比較して信頼できる業者を選びましょう。

定期的なメンテナンスの重要性

仕上げた後も、床は日々のお手入れが大切です。普段は乾いたモップや掃除機でホコリを除去し、汚れは固く絞った雑巾でこまめに拭きましょう。
オイル仕上げの場合は、表面が乾いてザラつき出したら再度オイルを塗って保護します。
一般には1~2年に一度、市販のメンテナンスクリーナーやワックスで磨いておくと良いでしょう。
ウレタン仕上げの床は日常の水拭きだけでも美しさが維持できますが、やはり専用クリーナーやワックスを塗っておくと更に長持ちします。
家具の脚にはフェルトを貼り、重いものを直置きしないなど、床を傷めない工夫も忘れないでください。

以上が、無垢・複合・シートフローリングそれぞれに適した床研磨ポリッシャーの使い方と塗装・メンテのコツです。
慣れないうちは手間に感じるかもしれませんが、丁寧に行えば古い床も見違えるようにキレイになります。
安全に配慮しつつ、ぜひチャレンジしてみてください!

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