実家の床がブカブカしていたり、きしむ音がする、家具が沈んでいるように見える——そんな状態に心当たりはありませんか? それは床が抜けそうなサインかもしれません。放っておくと、踏み抜いて怪我をしたり、家全体の安全性にも関わるリスクがあります。
この記事では、実家の床が抜けそうなときにチェックすべき前兆や原因、修理方法、相談先、費用の相場についてわかりやすく解説します。
床が抜けそうな前兆とは?日常の中で気づけるサイン
床が抜ける前には、いくつかの特徴的なサインが現れます。以下のような症状があれば、早急な対応が必要です。
床が抜ける前兆には、次のようなものがあります。
- 上を歩くと床が軋む:床板や下地材に歪みや緩みが生じている証拠。無視すると破断するリスクがあります。
- 床がブカブカと浮いている:接着剤の劣化、または下地材が傷んで空間ができている状態。特に水回りでは要注意です。
- 上に置いてある家具などが沈んでいる:床の一部がへこんでいるサイン。重さがかかった部分に集中することで、穴が開く恐れも。
- 床材の接着剤が剥がれてきている:表面の床材が浮き始めている状態で、足元が不安定になります。
- 床の下地の腐食・劣化:見えない部分の構造材が湿気などで弱っている可能性があります。
- 柱からのひび割れ:床だけでなく、構造そのものにダメージが及んでいる場合もあるため注意が必要です。
実家の床が抜けそうな原因とその背景
実家のような築年数の長い住宅では、以下のような複合的な要因によって床が劣化していきます。
・床材の接着剤の劣化
昭和〜平成初期の住宅では、接着剤の耐用年数が過ぎることで床材が剥離し、ブカブカします。
・下地(根太・大引き)の老朽化
床板を支える木材が湿気や経年によって腐食・変形することで、床の沈みや強度不足が起こります。
・シロアリによる食害
床下の構造材をシロアリに食べられてしまうと、目に見えない場所で深刻なダメージが蓄積しています。
・湿気や結露による腐食
断熱材が不十分だったり、床下の通気が悪い場合、木材が腐りやすくなります。
床の抜けを防ぐ修理・補修の方法とその費用
床の症状と原因に応じて、修理方法が異なります。それぞれの工法と費用の目安は以下の通りです。
1. 重ね張り工法
既存の床の上に新しい床材を貼る方法。比較的手軽で、費用も抑えやすいです。
- 費用相場:6畳で約15万〜25万円
- 適したケース:床下構造に問題がない軽度な劣化
2. 床材張り替え(根太は既存)
床材を全て撤去し、新しく張り直す方法。床の安定性が増します。
- 費用相場:6畳で約20万〜30万円
- 適したケース:床材が全体的に劣化している
3. 根太や大引きなど下地の補強・交換
構造材が傷んでいる場合、木材を交換したり補強を加える必要があります。
- 費用相場:1カ所数千円〜10万円以上(状況による)
- 適したケース:床が大きく沈む・踏み抜いた
4. シロアリ駆除・防蟻処理
- 費用相場:1坪あたり8,000〜12,000円程度
- 適したケース:床下にシロアリ被害が見られる
床の抜けを未然に防ぐ!対策と補強ポイント
床の劣化を防ぐには、日頃からの点検と予防が不可欠です。
・床下点検を定期的に行う
5〜10年ごとに点検すれば、構造材の劣化やシロアリ被害を早期発見できます。
・湿気対策を講じる
床下の換気口の確保、防湿シートの設置などで湿気による腐食を抑えることができます。
・床下に断熱材を入れる
結露を防ぐだけでなく、冬場の寒さ対策にもなり、床の快適性が向上します。
専門家に相談するタイミングと相談先の選び方
実家の床が抜けそうなとき、「自分でDIY修理するのは危険」です。以下のような業者に相談しましょう。
・リフォーム会社や工務店
床の修理経験が豊富な業者を選びましょう。建物診断をしてくれるところが理想です。
・シロアリ専門業者
床下被害が疑われる場合は、シロアリ点検を無料で行う業者も多く、相談しやすいです。
・自治体の耐震診断窓口
一定の築年数が経った住宅では、自治体による無料・格安の建物診断を受けられる制度もあります。
まとめ:実家の床が抜けそうと感じたら、すぐに相談を!
実家の床の異常は、放っておいても自然に回復することはありません。むしろ放置することで、床の抜け・怪我・修繕費用の増加といった二次被害が起きてしまいます。
床のブカブカや沈み込みに気づいた段階で、できるだけ早く信頼できる業者に相談し、現地調査と見積もりを受けましょう。リフォームは大きな決断ですが、実家を快適かつ安全な空間として維持するための重要な一歩です。