~体育館の床をつくれっ!床職人奮闘記~
体育館の新築の床工事です。鋼製床下地の組床です。戸建て住宅の木床組みが鋼製になったような感じです。支持脚(床束)と大引き、根太、コンパネで下地が構成されています。その後、耐久性の高いフローリングで仕上げます。
フローリングは木材がサンドイッチのように加工され貼り付けられた3層の複合材です。裏材、基材、表層仕上げ材を接着剤などで加工されています。
施工は支持脚→大引き→根太→コンパネ→フローリングの順で進んでいきます。
体育館床施工当日
体育館の扉が開いた瞬間、俺たちは思った。「で、でかい……!」
最近は、体育館の床施工も少なくなったのだが、昭和、平成に掛けて多く作られたのが第2体育館!
その時は、本当にバシバシ体育館が建たっていた!まさに体育館の建設ラッシュ。
その頃には毎週のように乗り込みがあったもんだ。
しかし、最近はめっきり少なくなったもんだ、だから半年ぶりに対峙する。
果てしなく広がるフロア。その広さに心が折れかけたが、職人魂に火がついた。
「やってやろうじゃねぇか!」
「……いや、長すぎん?」相変わらず、大引も根太も長すぎるんだよー
これっ、真っすぐ運ばなきゃいけんから、回転もできないんだ!だから障害物が多い場所ではソロリーソローリと歩く。次から次へトラックから下ろされていく下地材は、まるで巨大な蛇。何本も、何本も、永遠に続くかのようだった。
「もうこれで最後か?」 → 「いや、まだあるぞ」 → 「ウソだろ……?」
体育館の端から端まで運ぶたびに、腕がパンパンになっていく。
ここから下地を設置していく。実は、この施工、それぞれで工夫している職人さんがいて、何チームか入るとまとまりがつかないんです・・・
結局、施工要領のポイントが守られ、かつ仕上がりに影響がなきゃいいんですけど。
現場では、こんな事もある・・
「俺はこのやり方でやる!」
「こっちの方が早いでしょ!」
職人たちがそれぞれの流儀を押し付け合う。お互い早く、丁寧に終わらせたいとの思いは同じだが、その様は、まるで口喧嘩だ!
ただ、どんなやり方でも共通するのは「とにかくガッチリ固定!」「きれいに仕上げ」
少しのズレも許されない世界、ここで適当な仕事をすると、後々泣くことになる。
大引と根太の設置が終わった。
続いて、ビスで止めていく。
「ギッー」「ギッー」「ギュルギュル」「ガッガッ」
「ガッガッ」「鉄が硬い?こっちの腕っぷしの方が硬いわ!!」
根太を細かいピッチで並べていくが、鉄にビスを揉む時に大切なのが工具とのリズム合わせ。揉むのと同時に体重を掛ける!
これが、合わないとなかなかビスが入らない、電動ドライバーを握る手もしびれてくる。
「これ、あと何本あるんだ……?」
先を見れば、果てしない列。後ろを見れば、ほんの少しの進捗。絶望が俺たちを包む……。
この後に続くのが合板を張っていく作業だ
広い体育館に、一枚一枚合板を置いていく。
「ちゃんと根太の上にビスを打てよ!浮いてたらやり直しだぞ!」
合板はただ張ればいいわけじゃない。力を受け止めるように、間隔を見極めながら、丁寧に張る。
「まるでパズルだな……」
だが、ピースは数百枚。数千枚…
終わりは見えない。
捨て貼りが終わる!
「おおっ、床っぽくなってきたぞ!」
続いて、捨て貼りの上に、スポーツ仕様のフローリングを張っていく。
体育館らしさが出てきて、テンションが上がる。
「これでバスケやバレーができるんだな……!」俺はできないけど
だが、まだ終わりではない。
この後に行うのが体育館にとって、命ともなるコートライン引き
「このラインをミスったら終わりだぞ……!」
バスケ、バレー、バドミントン……いろんなスポーツができるように、ラインを引いていく。
ミリ単位の精密な作業をしていく、職人の腕の見せどころ。
「真っ直ぐ……真っ直ぐ……はみ出すな……!」
緊張の一瞬を経て、完璧なラインが仕上がった。最後に仕上げ塗装を行う。
「これを塗ったら……終わる……!」塗ったそばから、体育館の床が輝き始める。
「めっちゃ綺麗になった!」
ピカピカの床を見て、全員が思う。
「……やっと終わった。」
◆何よりも嬉しい時、仕上がりの達成感◆
広すぎる体育館、果てしない作業、それを乗り越えた職人たち。
「……長かったな」
「だが、その分、いい仕事ができた!」
綺麗に仕上がったフロアを見つめながら、全員が笑った。
今日もまた、最高の体育館が完成した。
◆その他の場所も「やってくれと」応援要請◆
「……え、まだあんの?」
体育館本体が終わったと思いきや、まだ残る校舎の教室。
「ここまで来たら、最後までやるしかねぇ!!」
気力を振り絞り、最後の仕上げを終える。