床が抜けた場合の修理費用と直し方の違い|早めの対処でコストと被害を抑えるポイント

床が急に沈んだり、歩いたときに抜け落ちそうな感覚があった場合、それは「床が抜ける」一歩手前の状態か、すでに構造材が破損している可能性があります。放置しておくと、大規模な工事や費用負担につながることもあるため、早急な対応が重要です。

この記事では、床が抜けた場合の修理費用、主な工法の違い、症状別の対応方法、業者に依頼する際の注意点などを、具体例を交えて詳しく解説します。

床が抜ける主な原因と見極め方

床が抜ける原因には複数のパターンがありますが、代表的なのは以下の通りです。

根太(ねだ)や大引(おおびき)の劣化

床を支える構造材が経年劣化や湿気、シロアリの被害などにより弱くなっていると、体重がかかったときに床が沈み込み、最悪の場合は抜け落ちることもあります。

床板の腐食や損傷

台所や洗面所など水回りでは、フローリングが水分を吸って膨張・変形しやすく、長期間放置されると床材が破れて穴が開いてしまうケースもあります。

シロアリ被害

目に見えない床下部分でシロアリが構造材を食い荒らすと、見た目には問題がないように見えても、ある日突然床が抜けてしまうリスクがあります。

床修理の工法と費用相場を比較

床が抜けた際の修理にはいくつかの工法があり、それぞれに特徴と費用相場があります。

重ね張り工法

  • 既存の床材を剥がさず、その上に新しいフローリングを施工する工法
  • 【費用相場】:15万円〜25万円程度(6畳間換算)
  • 【適しているケース】:床板の劣化が軽度で、床下構造に問題がない場合

※ 下地が不安定なままだと、新しい床材も沈み込むリスクがあるため、簡易な補修目的で使うことが多いです。

新規張り工法(張り替え工法)

  • 床板をすべて剥がし、新しい材料に張り替える方法
  • 根太や大引の点検・補修も同時に行う
  • 【費用相場】:20万円〜30万円程度(6畳間換算)
  • 【適しているケース】:床下に構造的な問題がある、もしくは全面的な張り替えが必要な場合

修理費用が変動する要因とは?

床修理の費用は一律ではなく、いくつかの要因で増減します。以下はその主な要素です。

使用する床材のグレード

  • 無垢フローリングなど高級材を使用する場合、費用が高くなります。
  • 一方、クッションフロアや複合フローリングなら比較的安価。

補修範囲と規模

  • 被害が一部であれば数万円で済むことも。
  • ただし、床下全体に広がっている場合は補修箇所が増え、費用も大きくなります。

シロアリ駆除費用

  • シロアリが原因の場合、別途「シロアリ駆除+防蟻処理」の費用が必要になります。
  • 【相場】:1坪あたり約8,000円〜1万円程度

床の沈みに早く気づくためのチェックポイント

修理費用を抑えるためには、「初期症状」を見逃さないことが重要です。以下の点を日常的にチェックしましょう。

  • 歩いたときに床がへこむ感覚がある
  • きしむ音がする箇所が増えた
  • 床材がたわんで見える
  • 台所や洗面所の床がフカフカする
  • 床下収納のふた周辺が傾いている

これらのサインが出ていたら、すぐに専門業者に相談することをおすすめします。

修理は誰に依頼する?信頼できる業者の見極め方

床修理を依頼する際は、以下のような業者を選びましょう。

リフォーム業者または地元の工務店

  • 床の修理に実績のある業者が安心
  • 実際の床下状況を確認し、適切な工法と費用提案をしてくれるかがポイント

シロアリ専門業者(被害が疑われる場合)

  • 床下点検から駆除・補強までワンストップで対応可能
  • 床下の写真や動画で状態を報告してくれる業者が信頼性高

注意点

  • 相見積もりを2〜3社から取り、施工内容と費用のバランスを確認しましょう
  • 極端に安い業者には要注意。必要な補修を省略されるリスクがあります

まとめ|床が抜ける前に、早めの対応で安全とコストを守ろう

床が抜けるような状態は、放置すればするほど被害が拡大し、修理費用も高額になります。ふわふわ・きしみ・沈み込みといった前兆に気づいた時点で、早めに専門業者に点検を依頼することで、最低限の修繕で済ませられることも少なくありません。

床板の重ね張りで済むのか、新規張り替えが必要なのかを判断するには、現地調査が不可欠です。家の安全性と快適性を保つためにも、「床の異変」に気づいたら、まずは相談してみましょう。

    関連記事

    1. 小中統合学校新築工事、置床・乾式二重床工事

      小中統合学校の置床・乾式二重床工事事例|フローリングとタイルカーペットの下地となる針葉樹合板の捨て貼り

    2. エントランス及び通路、鋼製床下地、部分改修施工

      【スポーツ施設】エントランス及び通路、鋼製床下地、部分改修施工

    3. 居酒屋店舗内装床工事置床・乾式二重床

      居酒屋の置床施工事例|テーブルとのバランスが考えられた座りやすい掘りごたつとは?居心地を左右する高さの目安について

    4. NODAの9mmフローリング「カナエル」シリーズの特徴と選び方ガイド

    5. 新潟市の体育館床工事は何が行われてる?床材・張替え・研磨・ライン引きまで徹底解説

    6. フローリングの遮音等級LL40とLL45の違いとは?選び方と快適性の目安を徹底解説

    7. 剣道の試合場の作り方

      剣道の試合場の作り方を床のプロフェッショナルが解説

    8. 複合フローリングの種類

    9. 商業施設ショッピングモール床下地コンパネ捨て貼り工事

      空間を広く見せる仕切り方の手法|1つのスペースに壁を設けず段差と床材だけで区分けを行った事例

    1. 熱海市でヘリンボーン張りを頼むならどこ?費用相場…

    2. フローリングが冷たいときの効果的な対策|足元から…

    3. マンションの床がうるさい原因と静かに暮らすための…

    4. 伊勢市で叶えるヘリンボーン張りの空間。費用相場と…

    5. 白山市でヘリンボーン張りを取り入れるならどこ?費…

    1. 日数は、どの位かかるのフローリング工事!?

    2. 無垢フローリングと単層フローリングの違いとは

    3. 階下などに響く音

      推定L等級LL45と現場実測LL45では誤解を生む!床衝撃…

    4. 日本工業規格 JIS A 6519 : 2004 (概要)

    5. 衝撃吸収床材化粧シートフロア『衝撃吸収フロア ネク…

    1. 医院新築に伴う置床・乾式二重床、フローリング根太張り及びOAフロア工事

      ニチアスのOAフロア【オメガフロア】を施工したらど…

    2. ゲストハウス新築工事、置床・乾式二重床、ダミー合板、捨て貼り、フローリング根太張り工事

      小下がりが和の雰囲気をつくる|置床で空間デザイン…

    3. 高等学校新築工事、置床・乾式二重床及びOAフロア施工

      一つの空間にいくつもの段差をつくった施工事例|フ…

    4. 体育館床改修工事、組床式鋼製床下地及びスポーツフロア工事

      体育館床改修で使われる鋼製床下地の施工の流れとは…

    5. エントランス床フロア研磨再生

      【床再生技術】フロアサンディング&コーティングで…