コンクリートスラブにフローリング直貼りの仕様の時には、その部分は床下地の施工がありません。ただ、水回りなどだけに置床下地を設ける事があります。そんな水回りだけの置床工事事例です。
床・乾式二重床を水廻りの床下地に使った事例
今回、ご依頼いただいた置床工事はホテルの新築に伴う床工事です。
そして、置床の施工は部屋全体ではなく水まわりなどの部分的な場所になります。
ホテルのつくりは、どちらかというと直貼工法で行う集合住宅と似ています。
トイレや風呂など水まわりで必要な配管を床下に設置するためのスペースを設けます。
そのため、床仕上げについては、コンクリートスラブ面に直貼りフローリング、水廻りについては塩ビタイルになります。
右上の写真をご覧いただければ分かりますが、ユニットバスの前の床がリビングの床より下がっています。ここに水回り関係の配管や配線がされるので、それをかわす為に二重床にする必要があるんです。そのため仕上がり天端は材が違ってもリビングの床と同じか、もしくは多少違うくらいになります。
施工は、1段下がったコンクリートに際根太を設置していくのがスタート。
四隅が下がらないように際根太を設置していきます。この時点で水平は調整していますが、さらに調整束を3本パーティクルボードに固定して水平を調整します。この時、両隅は既に調整されているので真ん中がその高さと合うようにします。
二重床のパーティクルボードとコンクリートの納まりについて
キッチンやトイレ、バスやユニットバスなどの水廻りと置床・乾式二重床との構造は相性がいいようです。確かに施工性やメンテナンス性、コストや管理面で、どれもメリットがあると思います。
今回使った置床は、万協フロアーでした。この床は置床・乾式二重床では一般的といって良いほど使われているメーカーです。施工性も良く機能性にも優れるからです。
意外と、置床メーカー側と施工側の思うポイントって違って、環境を考えた製品もあるんですが、施工してみると使い勝手が悪く施工が大変だったりするんです。そんな時には性能と施工性を両立させた開発は難しいんだなぁとシミジミ感じます。
置床を施工後、さらにラワンベニヤを捨て貼りしていきます。これは仕上げのフロアのための下地になります。
置床工事後、ラワンベニヤ捨て貼り
釘を打ち込んで完了となります。
ありがとうございました。