剣道――武道の中でも美しさと精神的な鍛錬を追求する競技です。この記事では、剣道の本質に迫りながら、試合場の作り方からルールや服装まで、剣道を深く理解するためのポイントを解説します。剣道への情熱を持つあなたに贈る、知識と技術を高めるためのガイドです。
はじめに
剣道試合場を設置する場合は、フローリング専門業者に依頼しましょう。
それがもっとも美しく、試合に適した状態になるからです。
その場合は、
(床を張っていなければ)床を張る→塗装→コートラインを塗料で引く
という流れになります。
基本的に、剣道場にラインテープを貼るのはなるべく避けてください。粘着剤がつき、きれいに剥げなくなります。また、剥がす際に床へのダメージになるためです。
剣道の試合場の作り方
以下では、剣道場の作り方を説明しています。
一時的もしくは簡易的な剣道場を作る場合は、参考にしてください。
剣道の試合場を設置する場合、詳細な基準と手順を守ることが重要です。
以下の点に気を付けましょう。
コートサイズ
・床は板張りが原則
・試合場の一辺は、境界を含めて9~11mの正方形または長方形
・試合場の中心位置にはバツ印(30~40cm)
・中心のバツ印から1.4m離れた位置に、左右1本ずつの開始線(50cm)
・境界線の外側は1.5mあける
・線は原則として白。テープ幅は5cmないし10cm。
剣道試合場は通常、一辺の長さが9~11m(広さ 81~121㎡)とされています。
会場の広さによって変わりますが、正式な大会ではだいたい11mです。 場合によっては長方形になることもあります。
一辺の長さは会場の大きさに応じて設定しましょう。
試合場の作り方の手順
試合場の境界線はラインテープを使用して作成します。
ラインテープは明確な境界を示すために重要です。
・メジャーを使って一辺(9~11m)を測り、白線を貼って正方形または長方形の境界線を作る
・試合場の対角線上にメジャーを交差させ、交差したところにバツ印(30~40cm)を作る
・バツ印から1.4m離れた位置に、50cmの白テープで開始線を2つ作れば完成!
・複数の試合場を作る場合は、コートの境界線から1.5m以上の間隔をあけて、新たな試合場を作る
ラインテープの貼り方・はがし方
ラインテープを貼る際、まっすぐかつ均等に貼る必要があります。
詳細な指示に従い、2人で慎重に作業しましょう。
ラインテープの詳細
直線用の白いテープまたは剣道用と記載のあるものを使いましょう。
テープ幅は5cmないし10cmと定められています。信頼性のある製品を使いましょう。
素材はビニール素材、和紙などがあります。すぐに剥がす予定の場合はマスキングテープを使うという裏技(?)もあるようです。
施工写真
剣道試合の流れ
試合開始
1.お互いに向かう
2.お互いに向かい礼をする(礼は15度)
3.3歩前に出る
4.構えながらそんきょして剣先を交える
5.そんきょの状態から主審の「はじめ」の合図で試合開始
試合終了
1.勝負がついたら、元の位置に戻る
2.そんきょして竹刀を納める
3.剣を納めたら、立ち上がる
4.後ろに下がる
5.お互いに礼をする(礼は15度)
6.退場する
礼をしている間は、相手へ敬意を払いつつも、目は絶対にそらさないようにしましょう。
※そんきょ(蹲踞)・・・互いに竹刀を合わせて座ること
剣道試合のルール
基本ルール
試合時間は5分。(試合によって、小中学生は3分、高校生・大学生は4分)
相手選手へ有効打突を入れると一本を勝ちとることができる。
2本先取で勝利。
時間内に勝負がつかない場合は、一本とっているほうが勝利。
同点の場合は、延長戦を行う。
延長の場合は、先に1本とったほうが勝利。
延長でも決着がつかない場合は、3審判による判定で勝敗を決める。
旗が多く上がった選手が勝利。
剣道の試合で使える技
基本的な技
剣道にはさまざまな技がありますが、代表的なのは「面」「小手」「胴」「突き」の4つです。
仕掛け技
相手が動く前に自分が仕掛けることで隙を作る技の事です。自分の攻撃により、相手は無理な体勢から反撃したり、構えが崩れることがあります。こういった隙を狙って打つ技を、仕掛け技といいます。
応じ技
相手の打ち込んでくる力を利用して素早く攻撃する技のことを、応じ技と呼びます。仕掛け技とは違い、相手の攻撃に対して動く、カウンターのような技です。
ポイントは、自分にとっての得意技を身につけることです。そして得意技を出す状況を作るために、どのように試合を展開していくのかを考えておかなくてはいけません。
あらゆる状況下で、そのときの最適解を導けるようになるためには、たくさん稽古をし、試合での経験を積むことです。稽古のときから工夫して考え、それを何度も繰り返しているうちに、試合全体を冷静に判断するだけの心の余裕をもてるようになります。
小さいことを積み重ねて、自分の目標を達成できるようにがんばりましょう!
有効打突とは?
試合で一本と認められる正しい打ちのこと。
相手の面や小手、胴に竹刀を打突するのですが、相手に打ち込むときは竹刀の先端部の3分の1が相手に当たらないといけません。
気剣体の一致した正しい打ちと残心(身構え・気構え)ができていることが重要です。
要件と要素を満たすと一本となります。
「要素」は揃った上で、加えて「要素」が十分かどうかで一本の判断がなされます。
そのため、ただ単に竹刀が打突部位に当たっただけでは、条件によっては一本と判断されません。
1.充実した気勢:気合、しっかり声がでているか
2.適正な姿勢をもって:打ったときに姿勢がくずれていないか
3.竹刀の打突部で:竹刀の剣先から中ゆいあたりで打っているか
4.打突部位を:面、小手、胴、突きの正しい場所を打っているか
5.刃筋正しく打突し:「竹刀を振る向き」と、「刃の向き」が同じになっているか
6.残心あるもの:打ったあと、身構え・気構えを相手に示しているか
1.間合い:相手との距離を取って、一足一刀の間合いから打っているか
2.機会:打つべきタイミングを捉えているか
3.体捌き:打つ時、打った後の足さばきができているか
4.手の内の作用:手首のスナップが使えているか
5.強さを冴え:打つ瞬間に力が入っていて、「パン!」と良い音がでているか
反則
主な反則
ガッツポーズなどを行えば、「相手への敬意を忘れた無礼な行為」として、一本の取り消しあるいは反則認定、厳しい場合にはその場で退場となります。通常のスポーツであれば何の問題もない動作ですが、剣道の場合は打ったあとも気を緩めることなく、礼節を重んじてフェアプレーを尊重するという観点から禁止とされています。
試合をしてくれる相手に対して思いやりや感謝の気持ちをもち、稽古に励みましょう。
時間空費
剣道の試合では、すでに一本もっている場合などに、自分からは打たずに時間を空費する行為が見受けられることがあります。剣道は、限られた時間の中で一本を取り合う競技です。公平に、そして正々堂々と試合をするためのルールとして、このような反則があります。剣道は「剣の修練による人間形成の道」と言われます。人間形成において、時間を空費して試合に勝つということは、この教えに反しています。試合の時間内は、どんな状況であっても正々堂々と勝負を仕掛けなければいけません。
試合場の床は何でできているのか?
剣道場の床材
設計士が決めることなので、剣道愛好家が床材を選ぶことはあまり多くないかもしれません。剣道試合場の床は、針葉樹であれば杉、桧、松などを使います。広葉樹であればカバ、オーク(ナラ)などを使います。
杉は柔らかく、足にかかる負担が少ないため剣道場にはよく使われています。桧は独特の香りでおなじみですが、強度や耐久性に優れています。松は経年変化により独特の深みがでることから、昔から多くの人に親しまれています。柔らかいため傷がつきやすいですが、その分温かみを感じられる床材です。
カバは硬すぎず柔らかすぎない程よい硬さです。傷に強い性質があります。年数を経ても色が変わりにくいのが特徴です。オーク(ナラ)は適度な硬さがあります。傷がつきにくいという特徴があります。意匠性や寸法安定性が高く、安定した人気があります。
無垢か複合か
今利用している剣道場の床が無垢であれば、それはとても貴重なフロアであるといえます。なぜならもう木が欠品していてないから。木の種類によって、例えばカバならありますが、ナラはもうないです。無垢床で稽古している方は、引き続き大切に使ってくださいね。
しかし、現在では複合の床材の方が主流になりつつあります。理由は、寸法の安定性があり、床が動かないため、ササクレになりにくいからです。目違い(ズレ)が起こりにくいという利点もあります。無垢材と比較してメンテンナンスが簡単で、メンテナンス費用を抑えることができます。複合といっても表面は無垢なので、後々のことを考えれば複合のほうがらくであることは確かです。
こまめなメンテナンスで既存の床を常にいい状態で使ってもらうのがベストです。もし剣道場の新築工事をするのであれば、複合フローリングになります。
夏も冬も素肌に心地よく、快適な肌触り
武道場は床が命!
以前は剣道は素地の無塗装の床が主流でした。ですがこれには汚れや収縮、ささくれ、木目の減少などの問題が生じ、管理者や競技者の悩みの種でした。
霜鳥では剣道場専用のオイルを塗装することにより、剣道場床の「すべる」を解決し、ささくれを防止します。このオイルは適度なすべり性能を実現されており、全国の剣道場に多数採用の実績があります。古来から木は「心が満たされる感覚」「肌で快く感じる空間」「体が癒される環境」という役割を果たしてきました。そんな木に対する優しさを追求し、木の呼吸を止めることなく、木の割れや反りの狂いの抑止効果を発揮したのがこの塗料です。
メンテナンス方法
定期的に業者に点検してもらうのがおすすめです。まず、フロア全体をくまなくチェックします。そのあと、主に汚れの除去、床材のささくれ・欠けなどの補修をします。すべりやすいなどがあれば、必要に応じて剣道場床専用のオイルの塗布をします。
ご自身でのメンテナンス方法
剣道場は素足で利用するため、体育館の床とは異なります。
1. 普段のお手入れ
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- モップやほうき、雑巾での乾拭き
- 濡れた雑巾や水は使用しない
このような床面の呼吸を妨げない清掃とお手入れを励行してください
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2. メンテナンスの目安
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- 床面に滑りが発生しだしたとき
- 色あせが現れだしたとき
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3. メンテナンス周期
すべりに応じて年に2回(乾燥時期と梅雨に入る前)
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- 初回のお手入れをできるだけ早期にする(施工後3~4か月が目安)
- 施工後3年までは、床環境の順応のために年1回は必要です。
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稽古の頻度によりオイルが木部に馴染むようになるとお手入れの周期が長くなります。頻繁に使用する箇所は、手軽なメンテナンスムースをご使用ください。
4. メンテナンス方法
霧吹きを使用(市販のスプレーを利用)
均等に膝の高さから霧状に吹き付ける。
速やかに拭き取り乾拭きして仕上げる。
剣道における服装と道具
服装
剣道着として、道着・袴を着用します。
正しく美しく道着・袴を身につけましょう。見栄えがよくなると気持ちも引き締まるだけではなく、いかにも強そうに見えますよね!
着装の前に
道着、袴を着る前に以下の項目をチェックしましょう。
・糸のほつれや、破れなどはないか
・道着は袖が肘より下にきているか
・袴はくるぶしが隠れる程度の長さか
道着の着方
道着の着方は簡単です。紐を2箇所結びます。道着の左右それぞれに紐があるので、袖を通したら内側の紐を蝶結びします。自然に右が下、左が上になります。次に外側の紐を結び、襟がしっかりと重なるように剣道着を引っ張って整えます。襟がきちんと重なるように調整します。
襟をしっかり整えることと、蝶結びが縦にならないようにすることが大切です。
袴の着方
最初に袴をはきます。同じ穴に足を2本入れないように気を付けましょう。袴の前の部分は、おへその上辺りの高さにするのがいいでしょう。紐を後ろで一度交差させて前にもってきて、前で交差させて後ろへ持っていき、後ろで蝶結びします。ここでしっかりとしばりましょう。
袴の後ろの部分(腰板)についている滑り止めを、先ほど交差させた部分に差し込みます。腰板をしっかりと背中につけた状態で、腰板からでている紐を前にもっていきます。前で2回固結びをします。余った紐は折り曲げて、袴の横部分に入れ込みます。
竹刀のサイズ
性別 | 小学生 | 中学生 | 高校生 | 大学・一般 | |
長さ | 男女 | 87~111 | 114cm以下 | 117cm以下 | 120cm以下 |
重さ | 男 | 規定なし | 440g以上 | 480g以上 | 510g以上 |
女 | 400g以上 | 420g以上 | 440g以上 | ||
竹刀サイズ | 男女 | 28~36 | 37 | 38 | 39 |
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※竹刀のサイズの数字表記は、長さを尺で表したものです。
メーカーにより多少の誤差はありますが、一尺=30.3cm、一寸=3.03cmとして計算されています。
地域などによって呼び方はいろいろです。
28(にっぱち・にはち)
30(さぶぜろ・さんぜろ)
32(さぶに・さんに
34(さぶよん・さんし)
36(さぶろく)
37(さぶなな・さんしち
38(さぶはち・さんぱち)
39(さぶく・さんく)
と覚えておけば、お店でなどで相談する際に役立ちます。
小学生以下
特に規定はありません。身長に合ったものを選んでください。
一般的には、「脇の下より長く、肩の下の長さ」が、身体に合った竹刀の長さと言われています。指導者に確認して下さい。
中学生以上
多くの公式戦で竹刀の検量が行われます。
高校生以上
さらに厳格な検量が行われます。
竹刀検量の際には規定項目だけではなく、ささくれや割れがないか、付属品(竹刀に組んである柄・ツル・中結い等)が正しく装着されているかどうかなどもチェックされます。日頃からお手入れしておきましょう。
まとめ
剣道を楽しむための基本的な要素について、解説しました。
剣道の試合場の作成は、正確なサイズと手順に従うことで円滑に行えます。試合の流れやルール、技やコツなどの理解を深めて、剣道の魅力を存分に味わいましょう。
剣道は礼儀正しさと技術の両方を高めるスポーツです。そして高齢になっても稽古を重ねて成長し続けることができます。心身とも成長するために、日々の努力を惜しまず続けていきましょう。
剣道場、武道場の設置はお気軽にご相談ください。