フローリングのトレンド
様々な色や性能などのバリエーションが増える中、トレンドもあります。
デザインの面から見れば、板幅が幅広(溝間隔の広いもの)のフローリングが人気で、材質では比較的木目の目立ちにくいバーチ(カバ)やメープル(かえで)などが人気です。
ここで知ってほしいことがあります。
それは、人気だからといってデザイン面ばかりを重要視して選んでしまうと、後に後悔することになりかねないということです。
ペットと住むなら傷がつきにくいものが良いですし、椅子を使うよな場所では強度の高いフローリングが良いからです。
デザイン性も良く機能性にも優れるフローリングがあります。
ライフスタイルも考慮して検討しましょう。
実際の性能面を見れば、お手入れの簡単なものを選ぶ人が増えています。
フローリングの使われ方として、和室などでは将来のメンテナンス配慮から、板の間感覚でフローリングにした“和モダン”な設えで取り入れるケースも見られます。
空間イメージを印象づける色は明るいものが好まれ、ナチュラルカラーは根強い人気です。
新築マンションなどでは、白に近いオークベージュや黒に近いダークブラウンなど二極化しているようです。
フローリングの選び方でどこまで快適になるのか
生活スタイルや快適性をどこに求めるかによって選び方も変わってきます。空間イメージに大きく関わる色やデザインに加えて、考えたいのが性能です。
使う場所にどんな性能が必要かを考えて場所に合ったタイプを選ぶことが大切です。
床材によって木の味わいやデザインも異なります。よく耳にする天然木突き板は、合板などの基材の表面に天然木を薄くスライスした単板を貼ったものです。
天然木の味わいを残しつつ、熱に対する強さなどムク材にはない性能を併せもつ床材です。
床材(フローリング)のカタログなどでは、性能が分かりやすく表示されていますので、用途に応じた性能の床材が選びやすくなっています。
質感や色は現物を見るのが一番です。ぜひ、ショウルームなどで現物のサンプルを確認することをおすすめします。
フローリング性能の種類
美しさが長持ちするフローリング
☑ ワックス不要
☑ 鏡面仕上げ
☑ 耐クラック
☑ 耐汚染
☑ 耐擦り傷
☑ 耐へこみキズ
☑ 耐キャスター
☑ 耐摩耗
特殊な用途に対応するフローリング
☑ 床暖房対応
☑ 耐アンモニア
☑ 車いす対応
☑防音
健康に配慮されているフローリング
☑ 低ホルムアルデヒド
☑ 低VOC対策
☑ 抗菌塗装
キズやクラックしにくいフローリングとは
最近のフローリングでは、以前のものに比べキズがつきにくく、クラックしにくいものになっています。
キズになりにくい表面塗装や、表面素材と基材の工夫によりクラックを起こしにくくなっています。
フローリングを熱から守るために、床暖房の場合は、必ず対応した性能のものを選ぶ必要があります。
フローリングに組み込まれた床暖房もありますので、工程やコストも含めて検討されるとよいでしょう。
●キズの対処法
フロア面の保護は、椅子の脚底にフェルトを貼ったりゴムキャップをしたり、キャスター付きの椅子の下にはカーペットを敷くのも効果的です。
●クラックの対処法
クラックの原因となる熱さや乾燥を防ぐために、例えば、電気カーペットとフローリングの間に断熱シートや毛布などを1枚挟むと効果的です。
また、乾燥しないように加湿器などで湿度調節するとよいでしょう。
床の衝撃音や防音などはどこまで防げるのか
快適な住環境に深い関わりのある音。音は開口部(窓やトビラ)から室内に入ったり、床・壁などから伝わってきます。
防音性能の高いフローリングやトビラ、建材などを併せて使うことで騒音を軽くすることが可能です。
設備以外でも音を小さくするポイントは、(1)防音性能のフローリングを選ぶ、(2)戸建て住宅の場合は、上下階の間取りで工夫する、
(3)カーペットなどで衝撃音を吸収させるなどの方法があります。
(2)の間取りの工夫では、子どもが跳び回ったりして衝撃音の出やすい子ども部屋を2階にゾーニングする場合は、
1階の寝室や人の集まる客間やリビングなどの上には配置しないようにして防ぐことができます。
フローリングのお手入れはどのくらい必要か?
最近のフローリングは、表面塗装がよくなっていますので、普段のお手入れは乾いた雑巾やモップの空拭きで十分きれいになります。
落ちにくいひどい汚れは固く絞った雑巾での水拭きや、中性洗剤を使用するとよいでしょう。
光沢がなくなってきたら専用のワックス剤でワックスがけをします。
半年に一度くらいが目安ですが、よく歩く場所は、気になったときにワックスがけをするとよいでしょう。
汚れたらすぐに拭く、汚れを落とすなど、普段の小まめなお手入れが美しいフローリングを保つ秘けつです。
よりお手入れを軽減したい場合は、ワックスがけが不要なタイプも出ていますので、ショウルームなどで確認されるとよいでしょう。
ペットのひっかき傷や凹みなどのメンテナンス方法は?
ついてしまったキズは、フローリング専用の補修剤などである程度まで目立たなくさせることができます。
補修剤はホームセンターなどで売っています。
フローリングを選ぶ時に、硬い基材のものや、キズのつきにくい塗装をしたものを選ぶのもポイントです。
ペットが原因のキズやシミを考えたフローリングもあります。
ムク材(天然木)と集成材の特徴と選ぶ時の注意点
木質のフローリングは大きく分けると、(1)複合(複層)フローリング、(2)単層フローリング(ムク材)があります。
複合フローリングは、基材の合板に薄い天然木の単板や突き板を貼り合わせ、表面に塗装をしたもの。
単層フローリングは、1枚の板を切り出したムク材とブロック状の板を並べたもの(ムク集成材)です。
選ぶポイントとしては、本来、木材が持つ質感を大切にするなら単層フローリングを。
耐久性など機能面を重視するなら複合フローリングを考えられるとよいと思います。
選ぶ時には、色味や深み、光に当たったときの雰囲気など、ショウルームなどで実物を見て確かめることをおすすめします。
部屋が広く感じるフローリング選びのポイント
広がり感のあるのは、明るい色目のものです。明るい色は膨張色、暗い色は縮小色と言われるように、明るい色は広く感じます。
また、明るい色は光が当たると反射しやすく、さらに広く見える視覚的な効果があります。
色目のほかには、溝間隔(板幅)でも感じ方が変わってきます。溝間隔が多過ぎるとうるさい感じになりますが、
広幅タイプならフラットな印象で広く見えます。