置床とは?その基本構造をおさらい
置床(おきゆか)とは、鉄筋コンクリートのスラブ(床構造)とは別に、支持脚と床材(パーティクルボードなど)を組み合わせて構築される床構造です。
主にマンション、商業施設、オフィスビルで採用されており、防音性や配線・配管の自由度を高めるために使われます。
通称「乾式二重床」とも呼ばれています。
置床に使われる主な部材の寸法一覧
パーティクルボードの寸法と特徴
置床に使われるパーティクルボードの中でも、標準的な製品として知られるのが「M18タイプ」。
その寸法は以下の通りです。
- 厚さ:20mm
- 幅(短手):600mm
- 長さ(長手):1820mm
このサイズは、住宅用や軽量施設向けの標準で、施工のしやすさや取り回しの良さが特徴です。
パーティクルボードは木材の端材などを圧縮成形しており、強度と価格のバランスに優れています。
支持脚の寸法と種類の例
支持脚は床高の調整を可能にする重要な部材で、以下は一例です。
- SD-6(高遮音タイプ):88mm × 88mm × 高さ50mm
- 調整タイプ:高さ38mm〜200mmまで対応可能な製品もあり
支持脚の選定は、床仕上げ後の高さ、配管スペース、防振性能などを加味して行います。
低床タイプを選ぶことで、天井高さをできるだけ確保したいケースにも対応できます。
置床の施工方法と寸法管理の重要性
置床の施工では、寸法の正確な管理が求められます。以下に基本的な施工手順を示します。
置床施工の基本手順
- スラブ上に墨出し(位置出し):支持脚の正確な配置位置を記録
- 支持脚の設置:等間隔(一般的に455mmピッチ)で床下地を支えるように配置
- 高さ調整:レーザーレベル等を用いて、支持脚の高さを均一にしながら揃える、仮調整
- パーティクルボードを配置:目地が連続しないようにずらしながら設置
- 接着剤の塗布:レベルをしっかりと調整し、ボンドを流し込む
- 捨て貼り:下地が必要であれば、設計仕様に従い下地を貼っていく
- 床材仕上げ(フローリング等):最後に仕上げ材を張って完成
この施工方法において、各部材の寸法を事前に把握しておくことは精度の高い仕上がりにつながります。
施工時の注意点と隙間寸法の確保
置床の施工では、材料の寸法だけでなく、その使い方にも細かな配慮が必要です。
壁との間に設ける隙間(クリアランス)
施工の際、壁との間に5mm〜15mm程度の隙間を確保します。
これは以下の理由によります。
- 木材の膨張・収縮に対応するため
- 床鳴り(キシミ音)を防止するため
- 振動が壁に伝わるのを防ぐため
隙間は後で巾木(はばき)でカバーされ、見た目にはわかりません。
配管や構造材への配慮
- 支持脚やビスが配管を突き破らないように注意
- 施工時に集中荷重をかけないようにする(例:工具や建材を一箇所に積まない)
誤って構造材を損傷させると、補修費用や工期遅れにつながるため注意が必要です。
まとめ:置床の寸法理解が施工の質を左右する
置床工法では、パーティクルボードや支持脚の正確な寸法理解と、施工時の細やかな配慮が求められます。特に、施工現場ごとに条件が異なるため、寸法の汎用性と柔軟性を把握しておくことが重要です。
快適で長持ちする床を作るために、正しい知識と丁寧な施工を心がけましょう。