適用範囲
この規格は、体育館(1)に使用する鋼製床下地構成材(2)(以下構成材という。)について規定する。
※注
(1) ここでいう体育館とは、一般体育館、柔道場、剣道場及び柔剣道場をいう。また、この体育館の床には[過大な荷重が負荷する床(多目的床など)]は、含まないものとする。
(2) 鋼製床下地構成材とは、支持脚・大引・根太・床パネルなどの主要部材で構成されたものをいう。なお支持脚とは、支持台、調整ボルト・ナット・支持板・緩衝材などのいずれかで構成されたものをいう。
区分及び記号
使用目的による区分及び記号は、表1による。
区分 | 記号 | 備考 |
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一般体育館用 | G | 通常の体育館の床の構成材として使用するもの。 |
柔道場用 | R | 柔道場の床の構成材として使用するもの。 |
剣道場用 | K | 剣道場の床の構成材として使用するもの。 |
柔剣道場用 | R・K | 柔道場及び剣道場に兼用される床の構成材として使用するもの。 |
品質
構成材の品質は次による。
a) 組み立てられた構成材は、使用上支障のある、ねじれ及び変形があってはならない。
b) 調整ボルトは、接する床基盤の不陸高さの調整ができるものでなければならない。
c) 構成材の鋼材の呼び厚さは、大引にあっては1.6mm以上、根太にあっては1.2mm以上、床パネルにあっては、合板、パーティクルボード、サンドウィッチ合板などを用い、その厚さは、支持板を含め20mm以上とする。
d) 緩衝材は、防振ゴム、金属製スプリング、ダンパーなどで、十分な耐久性をもつものとする。
e) 構成材は、規格とおり試験を行い、表2に適合しなければならない。
床の用途 | 一般 体育館 |
剣道場 | 柔剣道場 | 柔道場 | 備考 | 適用 試験 箇条 |
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性能項目 | 剣道用 | 柔道用 | ||||||
鉛直載荷たわみ | 14.7kN/㎡載荷時、 各点の最大たわみ量は 20mm以下。 各点の最大残留たわみ量は 1.5mm以下。 |
14.7kN/㎡ 載荷時、 床に耐力上 異状があっては ならない。 各点の最大残留 たわみ量は 1.5mm以下。 |
柔道場の試験は、 合板(900×1,800 ×15mm)を 設置して行う。 |
鉛直 載荷 試験 |
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繰返し衝撃性 | 使用上有害な破壊・緩み・外れがあってはならない。 | 柔道場の試験は、 緩衝体(H1)を 設置して行う。 |
繰返し 衝撃 試験 |
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弾 力 性 |
弾力性値(Y) | 最高値が1.378~0.0 最低値が1.378~-0.2 |
– | 床の 弾力性 試験 |
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緩衝効果値(U) | 15~40 | |||||||
振動の減衰 時間(TVD) |
0.45秒 以下 |
0.6秒 以下 |
–(2) | |||||
緩 衝 性 |
緩衝性値(Uj) | – | – | – | 変形エネルギーN・cm 熟達者3,920~7,350 初心者5,635~7,350 |
緩衝体 (H1・H2・H3) を設置して行う。 |
床の 緩衝性 試験 |
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硬さ(Gs) | B点で100G以下。 | B点で65G以下。 | 柔道場の試験は、 緩衝体(H1)を 設置して行う。 |
床の 硬さ 試験 |
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耐 久 性 |
塩水噴霧 | さび・塗膜の浮き・はがれがあってはならない。 | – | 塩水 噴霧 試験 |
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亜鉛の付 着量(1) |
Z12以上(JIS G 33023) AZ90以上(JIS G 3321) |
– | 亜鉛の 付着量 試験 |
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ボルト・ナット などに用いる 合成樹脂の強度 |
引張強さ 7.35kN/c㎡以上 引張破断伸び 50%以上 曲げ強さ 9.80kN/c㎡以上 圧縮強さ 7.35kN/c㎡以上 |
– | ボルト、 ナット などに 用いる 合成 樹脂の 強度 試験 |
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大引 及び 根太 の 形状 安定 性 |
横曲がり mm |
2l/1000以下 | – | 大引・ 根太・ 床パネル の形状 安定性 試験 |
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反り mm |
2l/1000以下 | – | ||||||
パネルの反り mm |
2l/1000以下 | – |
部材の形状・寸法及び許容差
部材の形状・寸法及び許容差は、次による。
a) 構成材の大引、根太及び床パネルのモデュール呼び寸法は、表3による。
b) 構成材の製品寸法は、組床式にあっては、表3に示すモデュール呼び寸法に対し±100mmの範囲とする。
c) 構成材の製作寸法の公差はJIS A 0003の規定に従う。
d) 構成材の高さは、床基盤から根太上端又は置き床パネルの上端までの寸法とし、これを300、600、900及び1200mmとする。その調整しろは、±150mmとする。
部材 | 長さ |
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大引 | 1800、2700、3600、4500、5400、6000 |
根太 | 1800、2700、3600、4500、5400 |
材料
構成材に使用する材料は、次による。
a) 主な部分に使用する材料は、表4又はこれと同等以上の品質をもつものとする。
主要部材 | 規格 | |
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床パネル | JIS A 5908に規定する18MF☆☆☆☆若しくは18MF☆☆☆、 又は18PF☆☆☆☆若しくは18PF☆☆☆ JAS(合板)に規定する1類でホルムアルデヒド放出量がF☆☆☆☆、又はF☆☆☆ |
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大引
根太 支持台 |
JIS G 3101 JIS G 3131 JIS G 3141 JIS G 3302 JIS G 3321 JIS G 3350 JIS G 3444 JIS G 3466 |
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支持板 | JIS A 5908に規定する18MF☆☆☆☆若しくは18MF☆☆☆、 又は18PF☆☆☆☆若しくは18PF☆☆☆ JAS(合板)に規定する1類でホルムアルデヒド放出量がF☆☆☆☆、またはF☆☆☆ JIS G 3141 JIS G 3302 JIS G 3321 |
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調整ボルト及びナット | JIS G 3505 | |
緩衝材 | 金属製スプリング | JIS G 3506 JIS G 3521 JIS G 4801 |
防振ゴム | JIS K 6386に規定するA種 |