床工事ってなんて読むの?「“とここうじ”?それとも“ゆかこうじ”?」「床組や床付けって何のこと?専門用語が多くて分からない…」
リフォームや建築の現場でよく見かける“床”に関する言葉。
いざ工事を検討したり見積書を見たりすると、聞き慣れない用語がたくさん出てきて困ってしまいますよね。
この記事では、床工事の正しい読み方から、関連する専門用語の意味、工事の種類や施工内容までをわかりやすく解説します。
建築初心者の方や、これから床の工事を検討している方にぴったりの内容です。
床工事の読み方と意味
「床工事」は“ゆかこうじ”と読みます
建築現場で「床工事」と書かれていたら、それは“ゆかこうじ”と読みます。
◆床(ゆか):室内の足元の水平な面、天井や壁と共に室内空間を構成する部分。
◆床工事(ゆかこうじ):その床を仕上げるための作業一式。床材の施工、下地作り、床下補強などを含みます。
間違って“とここうじ”と読まないよう注意しましょう。
ちなみに私たちは”ゆかやさん”と呼ばれます。”とこやさん”とは呼ばれていないのでご安心を!
よく使われる「床」に関する建築用語と意味一覧
用語 | 読み方 | 意味と概要 |
---|---|---|
床 | ゆか | 室内の下部、床材で仕上げられた水平面。生活や作業の基盤となる面。 |
床工事 | ゆかこうじ | 建物の床部分を仕上げる工事全体。床材の施工や床組の調整などを含む。 |
床材 | ゆかざい | 床の仕上げに使用する材料。木材、タイル、塩ビシートなど多様。 |
床付け | とこづけ | 根切り(掘削)後、底面(床面)を平滑に整える工事。主に基礎工事や土木で使用。 |
床組 | ゆかぐみ | 床を支える構造部分の総称。根太(ねだ)や大引き、床梁などで構成される。 |
塗床 | ぬりゆか | 工場・倉庫などで、床に塗料や仕上げ材を塗布して仕上げる工法。耐久性・防滑性に優れる。 |
根太 | ねだ | 合板や床仕上げを支えるために床下に渡した横材のこと。 |
大引 | おおびき | 木造建築物の床を支える構造材で、根太を支えて土台に荷重を伝える。 |
床束 | ゆかづか | 建物の1階床を支える短い柱で、大引きを支える重要な役割を担う。 |
床工事の基本内容と目的
床工事とは「床を仕上げる」と「床を支える」工事の総称
床工事とは単に表面の仕上げをするだけではありません。
以下のように複数の工程や構造を含むため、工事全体を総称して“床工事”と呼びます。
◆床仕上げ材の施工(フローリング、タイル、シートなど)
◆床組(床を支える構造)の施工・補強
◆床下地の整備や補修
◆塗床や床暖房など特殊な仕上げ工事
建物の使用目的や環境に合わせて、適切な床材・工法を選ぶことが重要です。
床工事の種類と特徴
床材を仕上げる工事(内装仕上げ)
住宅や店舗などの内装工事で行われる、床表面の仕上げ作業です。
◆フローリング張り:木目の美しさや温もりを重視。遮音性や耐水性も製品により選べる。
◆タイル張り:耐久性が高く、水回りやエントランスに最適。
◆塩ビシート張り:コストパフォーマンスが高く、施設やテナントで多用される。
床下工事(構造補強・防湿・断熱など)
床材の下にある構造部や地盤を補強する工事です。
目に見えない部分ですが、建物の安全性や快適性を保つために不可欠です。
◆根太や大引きの交換
◆床下の湿気対策(防湿シート、調湿材)
◆床下断熱材の敷設
◆シロアリ対策
塗床(ぬりゆか)工事
工場・倉庫・厨房・駐車場などで行われる、耐久性・清掃性を重視した工法です。
◆エポキシ樹脂系:耐薬品性・強度に優れ、食品工場などに多用。
◆ウレタン系:弾性があり、衝撃や摩耗に強い。
床工事に使われる床材の種類と比較表
床材の種類 | 主な用途 | 特徴 |
フローリング | 住宅全般 | 木の風合いがあり、断熱・遮音性にも優れる |
タイル | トイレ・玄関 | 水に強く、耐久性が高い |
ビニールシート | 店舗・施設 | 安価で清掃しやすく、カラーや模様も豊富 |
カーペット | 寝室・事務室 | 柔らかく防音性に優れるが、汚れやすい |
コンクリート床 | 倉庫・工場 | 頑丈で施工コストも比較的低い |
塗床(エポキシなど) | 工場・厨房 | 防滑・耐薬品・衛生面に優れ、清掃性も良い |
床工事は“読み方”だけでなく“構造と目的”も理解しよう
床工事(ゆかこうじ)は、見た目だけでなく建物の構造や使用環境に深く関わる重要な工事です。
◆「床工事」は“ゆかこうじ”と読み、床の仕上げと構造を整える広義の工事を指す
◆専門用語(床組・床付け・塗床など)を理解することで、工事内容の理解が深まる
◆用途に合った床材・工法の選定が、快適で安全な住環境につながる
これから床リフォームや新築を計画している方は、ぜひ床の“構造”と“仕上げ”の両面から、床工事を見直してみてください。