マンションの床リフォームを考える際に最も気になるのが「費用」です。フローリングの張り替えやカーペットの交換など、床のリフォームは部屋の印象を大きく変えるだけでなく、快適性や断熱性にも影響します。
しかし、床材の種類や部屋の広さ(畳数)、施工方法(張り替え・重ね張り)によって費用は大きく変わります。本記事では、マンションの床リフォーム費用について、床材別・畳数別・工法別にわかりやすく整理し、注意点や選び方のポイントも詳しく解説します。
床材の種類による費用の違い:リフォーム費用は床材で大きく変わる
床リフォームにおける費用の差は、使う「床材の種類」によって大きく左右されます。ここでは代表的な5種類の床材について、6畳あたりの張り替え費用と重ね張り費用の相場を比較します。
複合フローリング
- 張り替え:12~16万円
- 重ね張り:6~14万円
合板の上に天然木や樹脂シートを貼り合わせた製品で、耐久性とコスパのバランスが良く、多くのマンションで採用されています。リフォームでも人気の床材です。
→ 木目の見た目や耐水性など、製品バリエーションが豊富で、選びやすいのが魅力。
無垢フローリング
- 張り替え:15~20万円
- 重ね張り:9~18万円
天然木100%でできており、質感・温もりが非常に高い床材です。ただし、費用は高めで、湿度に敏感なため施工には高い技術が求められます。
→ 自然素材の温かみを重視する方、デザイン性にこだわりたい方におすすめ。
クッションフロア(CF)
- 張り替え:4万5千〜10万円
- 重ね張り:4万〜5万5千円
ビニール製のシートで、水回りやペットのいる家庭でよく使われます。安価で施工しやすく、短期間でリフォームが完了するのがメリットです。
→ 費用を抑えたい方や、子ども・ペットとの暮らしに向いています。
フロアタイル
- 張り替え:5万5千〜10万円
- 重ね張り:5万〜6万3千円
ビニル素材をタイル状に加工した床材で、木目や石目などのリアルなデザインが可能です。耐水性・耐久性にも優れており、部分張替えもしやすい点が人気。
→ デザイン重視で、長く使いたい場所に適しています。
カーペット
- 張り替え:5万3千〜12万円
- 重ね張り:4万5千〜6万5千円
柔らかな踏み心地で、保温性・防音性が高いのが特徴です。張り替えや重ね張りの際は、素材と厚みによって価格が変動します。
→ 冬場に足元が冷えやすい部屋や、防音を重視する空間に最適。
畳数による費用の目安:部屋の広さに応じた大まかな相場を知っておこう
リフォームの費用は「何畳分の施工か」によって比例して変動します。ここでは畳数ごとのおおよその床リフォーム費用をご紹介します(複合フローリングを基準とした例)。
畳数 | おおよその費用相場 |
---|---|
6畳 | 14.6万〜19.5万円 |
8畳 | 14.5万〜21万円 |
12畳 | 19.5万〜26万円 |
20畳 | 30万〜38.9万円 |
→ 同じ床材・同じ施工方法でも、面積が広くなると材料費・施工費が比例して上がります。大規模リフォームではまとめて施工することで割安になることもあるため、見積もりを比較しましょう。
張り替えと重ね張りの違いと費用差:どちらを選ぶべき?
床リフォームの工法には「張り替え」と「重ね張り」の2種類があります。それぞれの違いや費用面での特徴を理解して、目的に合った工法を選びましょう。
張り替え工法
既存の床材をすべて撤去し、新しい床材に張り替える工法。下地の状態も確認・補修ができるので、劣化が進んでいる場合やフルリフォーム時に向いています。
→ 工期は長くなり、費用もやや高めですが、仕上がりの品質と耐久性を重視したい方におすすめ。
重ね張り工法
既存の床材を撤去せず、その上から新しい床材を施工する方法。撤去作業が不要なため、費用と工期を抑えることができます。
→ 床高が少し上がるデメリットがありますが、住みながら短期間でリフォームしたい方に最適です。
床リフォーム時に知っておきたい注意点:費用だけで決めないためのコツ
床のリフォームでは、費用だけを見て判断してしまうと後悔することもあります。工事後の快適性や管理規約のチェックも大切です。
マンションの管理規約に注意
- マンションによっては、遮音性能に関する規定(L-45等級以上など)があり、使用できる床材が制限されていることがあります。
- 工事の事前申請が必要な場合もあるため、管理組合への確認を忘れずに。
→ 特にフローリングへの変更を考えている場合、防音性能や構造(直床・二重床)に注意が必要です。
リフォーム費用の見積もりは複数社で比較
- 床リフォームは材料費・施工費・諸経費などがセットになっています。
- 1社だけで判断せず、複数の業者に見積もりを依頼して比較することで、適正価格を見極めやすくなります。
→ 同じ工事内容でも、10万円以上の差が出ることもあるため要注意です。
まとめ:床材・工法・面積によってマンション床リフォーム費用は大きく変動
マンションの床リフォーム費用は、選ぶ床材の種類や畳数、工法によって大きく異なります。複合フローリングやクッションフロアなどコストパフォーマンスに優れた床材もあれば、無垢フローリングのように高価でも質感にこだわりたい方に向いている床材もあります。
施工範囲が広くなるほど費用は上がりますが、重ね張り工法を選べばコストを抑えつつ快適性を高めることも可能です。管理規約の確認や、複数業者への見積もり依頼を通して、納得のいく床リフォームを実現しましょう。