ポリッシャーって何モンだ?文明の利器か暴れ馬か
今回は、ポリッシャーで「やっちゃたー」的な話!もうそれは修羅場だったんだ!
ところで、みなさん、ポリッシャーってご存じでしょうか?ビルの床掃除やコンビニの床掃除など日常の中でも目にする機会があると思います。
そう床やにとって必需品で、床の洗浄、ワックス剥離、そして研磨にも使う、電動の“回転するゴリゴリマシン”です。
回転ブラシやパッドでゴリゴリと磨く様は、床のために生まれてきた機械。
我が社でも床の研磨・滑り止め・洗浄と、大活躍しています。
これがあると作業が一気に加速!
なんだけど、それは“ちゃんと扱えれば”の話なんだよね。
機械のチカラに浮かれてはいけない、そこには魔物がいる
このポリッシャー、うまく使えば百人力。
でも、うっかり油断すれば一瞬で床がぐっちゃぐちゃになります。
初めて触ったときの感動と恐怖は今でも忘れられません。
「あれ?思ってたより重くない?」と思ってハンドルを握った瞬間……
ギュスターヴ・カイユボットに思いを馳せる、床削りの先輩たちよ…
ちょっと脱線しますが、床の研磨といえば、絵があるんですよね!19世紀なのに床を削ってる絵が…
それは、ギュスターヴ・カイユボットの『床削り』です。
ブルジョワの家で、鉋やスクレーパーを使って床を削ってる労働者の絵。
そう、俺の前世だったんじゃないかって思うくらいに、感情移入もしちゃうし、何か血が騒ぐ💦
親父が始めた仕事を継いだ、2代目ですが、ひょっとすると百年以上前から自分の血の中に流れていたのかもしれません。
で、ポリッシャーだ。こいつが一筋縄じゃいかないヤツなんだよ!
さて話をポリッシャーに戻そう。
この機械、軽く見てるとやられます。
初めて使ったとき、そりゃもう暴れ馬状態。
持ち上げれば右に、下げれば左に進む…理屈では分かってても、実際にやると”持ってかれる!の連続。
力任せにやろうもんなら、床にスジ、壁にガツン、最悪ケガするぞこれ。
あの悲劇…暴れ馬ポリッシャーと若造の仁義なき戦い
今でも忘れない、若かりし頃の悲劇。
ポリッシャ―掛けをしていたら突然動かなくなって…
慌てて、何があったかと確認しても、「うん」とも「すん」とも言わない💦
これは電源でも落ちたかなって、ブレーカーを見に行ってみると、やっぱり「これだった」と一安心!
で、あの日、俺はポリッシャーのスイッチを切らずに、ブレーカーを上げたんだ。
現場に戻ると…ヒヒーン!って飛び跳ねる音が!ポリッシャーが独りで踊り狂い、フローリングを傷だらけにしながら壁に突っ込んでいく。あの時はあの瞬間がスローモーションに見えた!いわゆるゾーンだったのかもしれない!
あわててコンセントを引き抜くも時すでに遅し…。
その日、俺はフローリングの張り替え・機械のオーバーホール・軸交換の三点セットを喰らった。
もちろん上司から大目玉。😢
ヒヤリハットどころかガチ事故。
使い方の基本!これができれば、あなたも床職人予備軍
ではここで、正しい使い方を解説!
- ポリッシャーは、回転する力を”使いこなす”機械。無理に押すと逆効果!
- ハンドルを微妙に上下して進行方向を操作。ちょっとだけ上に上げると右、ちょっとだけ下に下げると左、ハンドルを傾けて方向転換。
- 練習は広い場所で。弊社では体育館などで真ん中から練習スタートしている。
コツをつかむまでは20分〜1時間かかるが、慣れると気持ちいいほどスムーズに!
そして、ここからはマニュアルだ
ポリッシャー使用の前の準備
ポリッシャ―は本体のみで使うものでは無くて、プレートやパッド台・ブラシとパッドを合わせて使います。
一般的な仕上げであるウレタン塗装とオイル仕上げでも使うパッドが違います。
必要となる付属の備品も用意して持っていく必要があります。
床面ポリッシャ―掛けについて
❶ポリッシャーにパッドを取り付ける【スイッチに注意】
基本的には、コンセントに挿さずに行ってください。
また、ポリッシャーを横倒しにして行ってください。
その際、床を傷を付けないように注意しましょう。
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パッド台及びパッドとペーパー類を取り付けます。
取付金具(爪)にパッド台を押し込み、左に回して噛み合わせ、しっかりと取り付けます。
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その後、パッドとペーパー類を取り付けます。
※注意点
大きさに注意
ポリッシャ―には、いくつかのサイズ(16インチや18インチなど)があります。
アタッチメントは基本的にお持ちのポリッシャ―に合ったものを選びます。
使う際に必要となるパッド台やパッドなど必ずサイズにあったものを現場に持っていきます。
爪にも注意(3爪 or 4爪)
もし、研磨機の台座プレートがいくつもあるようなら、安易に持ち出さず、確認して持ち出す必要があります。
爪の数が違うと設置できないので現場で使えません。
必ず合うのかを確認して持ち出してください。
❷コンセントに差し込み【スイッチに注意】
ポリッシャーのプラグをコンセントに差し込む前に、本体スイッチが「切」になっていることを確認してから差し込んでください。万一「入」になっている状態で電源コンセントを差し込むと、事故や故障・破損の原因になります。
ご注意ください。
❸ハンドル位置の調整
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ハンドルを適切な位置(通常は足の付け根あたり)に固定します。
レバーを下に押してハンドルを再ロックします。
ハンドルをロックせずにマシンを動作すると危険です。
まだ、慣れていない時には一番下の位置にすることがおすすめです。
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機械の回転による力が掛かっても逃がしやすいです。
また、ポリッシャ―をコントロールできていないのであれば、広くて障害物のない場所で操作に慣れていってください。
壁や段差があると壊してしまったり、怪我の原因になります。
ポリッシャーのプラグをコンセントに差し込む前に、本体スイッチが「切」になっていることを確認してから差し込んでください。万一「入」になっている状態で電源コンセントを差し込むと、事故や故障・破損の原因になります。
ご注意ください。
レバーについて
➍セーフティロックレバーの解除
ポリッシャーの中にはセーフティロックレーバーのものや、センタースイッチ式のものがあります。慣れていない場合は、セーフティロックレバーのポリッシャーを使うのがおすすめです。
セーフティロックレバーを押して左右のスイッチトリガーのロックを解除します。
❺スイッチトリガーを握る
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スイッチトリガーを絞るとモーターが回転します。
左右どちらのトリガーでも電源が入ります。
❻ポリッシャ―を掛ける
まだ、慣れていない時には一番下の位置にすることがおすすめです。
機械の回転による力が掛かっても逃がしやすいためです。
また、ポリッシャ―をコントロールできていないのであれば、広くて障害物のない場所で操作に慣れていってください。
壁や段差があると壊してしまったり、怪我の原因になります。
ハンドルは上に上げると右に、下に下げると左に行きます。
やってはいけない操作TOP3!現場では命取り
- コンセント入れる前にスイッチON「親方に大目玉を覚悟」ダメ!暴れます!
- ブレーカーが落ちた時、スイッチ切らずに復旧「弁償代を用意」これも暴れます!
- 回転中に無理な方向に動かす「危険!要注意」床に傷!人にも危険!
初心者向けアドバイスと安全の心得
- 最初は自動停止機能付き機種がおすすめ。
- コードは絶対に踏まない、絡ませない。
- 水回りでは防水型のポリッシャーを使用。
- 作業範囲は1m四方くらいに区切って丁寧に磨く。
- 床の材質に合ったパッド・ブラシを選ぼう。
ポリッシャーに魂を込めろ!使いこなせば最強の相棒に
ポリッシャーは、使いこなせばこれほど心強い機械はない。
でも、舐めたら痛い目を見る。まさに“使う者を選ぶ”文明の利器。
練習と安全対策、この二つを怠らなければ、床の仕上がりもグンと良くなる。
今日もどこかで、新人がポリッシャーと戦っていると思うと、胸が熱くなるぜ。俺みたいな大失敗をしないよう、
みんなも気をつけてくれよな!
また、床職人奮闘記で、研磨やフローリングの話をするので楽しみにしていてくれっ!