「体育館の床が剥がれていて危険だ」「子どもが木片でケガをしたらどうしよう」
そんな不安が現実になったのが、区立小学校の体育館での事故でした。
あれだけ、保守の大切を周知してきただけに残念ですが!
床板の一部が剥離し、遊んでいた児童の尻に木片が刺さるという痛ましい事故を受け、足立区は児童・生徒の安全を最優先に、区立小中学校101校の体育館を緊急点検。
24校で同様の剥離やささくれが確認され、ただちに全面的な修繕工事に踏み切っています。
この記事では、事故の概要から緊急対応、今後の計画までを時系列で整理し、安全な体育館床を確保するためのポイントをまとめました。
事故の概要と緊急点検
2024年12月26日、区立小学校の体育館にて、クラブ活動中の児童が床板の剥離部でケガをする事故が発生しました。
剥がれた木片が児童の尻に刺さり、即時の応急処置のうえ医療機関へ搬送。
幸い大事には至りませんでしたが、「体育館床の使用継続は安全上問題あり」と判断され、区は12月末から全小中学校の体育館床を対象に緊急点検を実施しました。
結果、24校で同様に床板の浮き・剥離・ささくれが確認され、放置すればさらなる事故発生のおそれがある危険箇所と認定されました。
緊急修繕工事の内容
事故の発生した小学校では、2026年1月初旬から体育館床の全面緊急修繕工事に着手。
既存の木製床板を撤去したうえで、短期間で施工可能かつ耐摩耗性に優れる体育施設用ビニールシートを全面貼りして。
ビニールシートは衝撃吸収性もあり、剥離の心配が少ないため、当面の安全確保策として有効です。
ほかの23校についても同様の工事計画を順次進行中で、2025年度内にすべてを完了させる見込みです。
JIS規格と安全基準の確保
体育館床の硬さや滑りにくさは、JIS規格で摩擦係数や反発係数を測定し、安全性を担保することが求められます。
今回の事故を受け、区は床材の性能試験を改めて実施。
ビニールシート貼り後の摩擦係数が標準値を上回ることを確認し、体育競技や避難時の搬送にも十分耐えうる仕様であることを保証しました。
今後は施工後も定期的に摩擦係数・床硬さの測定を行い、安全基準を常に満たしていることを確認していきます。
今後の点検・維持管理計画
足立区は2026年度中に、すべての区立小中学校の体育館床について業者による詳細点検を実施予定です。
緊急修繕後も年1回の定期点検とともに、使用頻度に応じて半年ごとの簡易目視点検を義務付け、異常があれば速やかに補修を行う体制を整えます。
また、床板が木製の場合はウレタン塗膜の剥離や摩耗も劣化要因となるため、定期的な研磨・再塗装のスケジュールを各施設で策定し、長期的なライフサイクルコストの低減を図ります。
まとめ
今回の事故は、体育館床の劣化が思わぬ形で安全を脅かすことを改めて示しました。
足立区では緊急点検とビニールシート貼りによる応急修繕を進めるとともに、2026年度以降も定期点検・メンテナンス体制を強化し、安全・快適な体育環境を維持していきます。
区立小中学校の関係者や保護者の皆様は、今後も施設からのお知らせを注視いただき、異常を感じた際は速やかに学校へご報告ください。
そして、体育館床の安全管理は、行政だけでなく利用者・保護者・教職員が一体となって取り組むべき重要課題であることをぜひご理解ください。